「里親制度」は養子縁組だけじゃない! NPO代表が里親制度の現状を語る

TOKYO FM+

2019/12/4 12:30

コラムニストの犬山紙子(月曜&火曜担当)と、アプリクリエイターの関口舞(水曜&木曜担当)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生放送番組「ホメラニアン」。11月19日(火)の放送は、NPO法人「日本こども支援協会」代表理事・岩朝しのぶさんをお迎えし、里親制度の現状と「里親ポータル&コミュニティサイト」開設について伺いました。


(左から)岩朝しのぶさん、犬山紙子

里親制度の普及や子育て支援を通して、子どもの人生を救うための活動をおこなうNPO法人「日本こども支援協会」。2010年に設立された同団体の代表理事をつとめる岩朝しのぶさんは、児童養育施設や里親の支援をおこないながら、社会的養護や里親制度の啓発に取り組んでいます。

12月1日(日)からは、犬山と眞鍋かをりさん、坂本美雨さん、ファンタジスタさくらださん、福田萌さんをメンバーとした社会的養護を啓発する取り組み「#こどものいのちはこどものもの」とともに、社会的養護を必要とするこどもたちに対してクラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」にて「里親ポータル&コミュニティサイト」開設のためのプロジェクトをスタートさせました。

*  *  *

◆「まだ、人生の入り口に立ったような始まりで……」
犬山:以前、この番組でも里親制度について触れさせていただいたことがあったのですが、改めて里親制度についてご説明お願いします。

岩朝:里親と聞くと、「養子縁組」を想像されると思います。実は、養子縁組はほんの一部で、「養育里親」(養子縁組を目的とせずに、要保護児童をあずかって養育する“育ての母親”)が多いのです。緊急で保護されてきた子どもたちの、短期的な保護先というような役割もあります。

犬山:「日本こども支援協会」では、具体的にどのような活動をされていらっしゃるのでしょうか?

岩朝:日本には、親と暮らせない子どもたちが4万5,000人ほどいます。一人ひとり生きていて、それぞれの人生があります。しかし、まだ人生の入り口に立ったような始まりで、つまずいてしまっている。そのようなことを広く知っていただくための啓蒙活動に力を入れています。“今、里親が足りません”というような啓発をしていますが、そもそも“里親が必要とされない社会を目指しましょう”という活動をおこなっています。

犬山:日本においての里親制度の現状を教えていただけますでしょうか?

岩朝:子どもができなかったり、恵まれない夫婦も多いと思います。私自身も不妊治療をしていた時期があったのですが、日本では、その先に里親制度があるというような認識があると思います。

今、「養育里親」として登録している世帯は1万2,000ほどです。そのなかで実際にマッチングできて、子どもを育てているのは約4,200世帯。3分の1ぐらいしか稼働できていないんですね。全ての方とマッチングがうまくいくようなことではないので、もっと分母が多くないと、子どもたちが家庭で暮らせないというような現状にあります。

◆「血はあとから繋がるのかなと思って」
犬山:メッセージが届いていますので紹介しますね。

「10代の娘とは血縁がありません。妊娠と縁がなく養子を迎えました。実子でないからこそ、言わなくても伝わるという甘えはできないので、常に絆を築き続ける努力が必要です。また、この子の本質を知るために向き合うことも大切。思春期で反発することもありますが、親子になった幸せを噛み締めています。全ての子どもが、親の愛情を受けられる環境になってほしいです。今は里親になることができない状況なのですが、自分にどんなことができるのだろうかと考えます」(東京都 会社員 女性)

岩朝:素晴らしい。うちにいる子どもは、4歳から一緒に暮らして今12歳。「そろそろ血が繋がってきてるよー」とか言ってくれるので、血はあとから繋がるのかなと思って。子どもの力って、すごいなと思います。やっぱり親子関係を築いて、確かな愛情を感じて育んでいく幼少期っていうのは、本当に大事だと思います。

犬山:おっしゃる通りですね。養子縁組の場合は、自分のところの子どもになる。養育里親さんは、一定期間一緒に暮らされるということですが。

岩朝:うちの子にも実親さんはいます。お母さんが養育できるようになったら、お迎えに来られるような形でいます。でも子育てって、どっちにしろ1人で頑張るものではなくて、社会と一緒に育てていくのがいいのかなと思って。“一生、面倒みなきゃいけない”とかではなく、無理はしないで一定期間、里親をうまく使ってくださいと思うんですよね。

◆「検索しても、詳しい情報がまったく出てこない」
犬山:本当に、子どもにとって頼れる大人が増えたらと思います。このメッセージにあるように、里親制度への支援や里親を希望される方は、どうしたらよいのでしょうか?

岩朝:自治体ごとに制度が少しずつ異なるので、問い合わせていただく必要はあります。例えば、「週末里親」(養育里親などのほかに、週末や長期休暇などに子どもを家庭に迎え入れる里親制度のこと)や「短期里親」と呼ばれる制度を取り入れている自治体などもあります。兵庫県・明石市などは、すごく積極的におこなっています。

犬山:自治体に直接問い合わせることに、高いハードルを感じる方もいらっしゃると思います。

岩朝:そうですね。なので、里親制度について詳しく知ることができるサイトがあったらいいなと思って。「日本こども支援協会」のサイトにも、できるだけ詳しく書いているのですが、“実際の里親ってどうなんだろう”と、よりわかってもらえるような「里親コミュニティサイト」を作ろうとしています。

犬山:コミュニティサイトがあると、里親さん同士で、時間を気にせず悩みを打ち明けあったり、“こういうふうにしたらいいよ”とノウハウを共有できたりしますね。

岩朝:そうですね。今、子どもを育てている里親さんの環境、精神的なサポートをすることで、そこにいる子どもの養育をサポートすることができるので、とても大事なことだと思っています。

でも現状は、里親に興味を持ったときにインターネットで検索しても、詳しい情報がまったく出てこない。そこで、“ここに来れば詳しい情報がわかるよ”というポータルサイトと里親同士がコミュニケーションを取れるコミュニティサイトの開設を、クラウドファンディング「こどもギフト」で挑戦しようと思っています。

犬山:私たち「#こどものいのちはこどものもの」も、お手伝いさせていただきたいと思っています。“週末里親、1回やってみたいな”というような気持ちの方が増えたり、子どもを包み込んでくれる里親さんたちが増えていく。そうすることで、子どもが二重三重に傷つくことを防いでより幸せになり、最初に生まれた格差も関係なく幸せに育ってくれるためにも、本当に必要なサイトだと感じています。

岩朝:ありがとうございます。子どもが毎日怯えて暮らすというような幼少期は、やはりあってはならない。どんな子どもも、愛されるために生まれてきたと思います。そういったことを愛情で包んでいける社会になるように、これからも活動を頑張ります。

クラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」の詳しい情報はこちらのサイトをご覧ください。

<番組概要>
番組名:ホメラニアン
放送日時:毎週月~木曜 20:00~21:30
パーソナリティ:犬山紙子(月、火曜)、関口舞(水、木曜)
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/homeranian

当記事はTOKYO FM+の提供記事です。

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