日本一危険な公園に行ってきた。運動靴、ヘルメットの無料貸出まである…

日刊SPA!

2019/12/4 08:50

 子供の遊び場であり、地域住民たちの憩いの場にもなる公園。災害時の避難場所に指定されているところも多く、基本的には安全な場所とされている。

◆施設入口には「危険です」の看板

そんな中、ネット上で“日本一危険”と呼ばれている公園が岐阜県養老町にある。

その名も『養老天命反転地』。宗教臭の漂うネーミングで以前から気になっていたスポットだったが、今回ついに現地を訪問。本当に危険なのかを確認してみることにした。

同施設は岐阜県が管理する養老公園の一角にあり、どうやら新興宗教の施設ではなかったようだ。約78.5ヘクタールにおよぶ広大な敷地には『岐阜県こどもの国』や『養老パークゴルフ場』などがあり、養老天命反転地の入口までは最寄りの養老駅から歩いて15分ほど。ところが、入口に着くとなぜかチケット売り場の窓口がある。無料でなかったことに驚いたが、入場料は大人770円と微妙に高い。

だが、見方を変えれば、危険ゆえに安全管理のためのコストが必要と捉えることもできる。入口には《公園は大変滑りやすく危険です》と注意書きの大きな立て看板があったからだ。

しかも、これだけなら別に気に留めなかったが、《運動靴、ヘルメットの無料貸出をしています》とまで書いてある。正直、そこまでする公園を筆者はほかに聞いたことがない。

期待に胸を膨らませ、いざ中に入ってみたが危険という感じはあまりしない。大きなピンク色の建物や岩石を積み上げた岩山などが道なりに展示されており、普通の公園ではないのは間違いないが……。

まさに現代アートといった感じだが、この養老天命反転地は紺綬褒章受章歴のある世界的芸術家、荒川修作氏が自身のパートナーだった詩人で芸術家のマドリン・キンズ氏(いずれも故人)と30余年に及ぶ構想を体現した作品らしい。

ちなみにピンクの建物、それと岩山を挟んで隣にある地元岐阜県を象った変わった屋根の形をした建物は内部を自由にみることができたが、迷路のように入り組んでいた。特に後者の建造物は、家具などが壁にめり込んだ状態で、この辺が施設名にも付いている“反転”ってことなのかもしれない。

◆普通の公園とはまったく違うカオスすぎる空間

そして、建物の先の斜面を登ると、そこには「楕円形のフィールド」と呼ばれる直径100メートルはある大きなすり鉢状の盆地が広がっている。ここの斜面はかなりキツく、勢いがついたら自分で動きを止めるのは大変そうだ。実際、歩いて上り下りするだけでも結構な負担で、足元も注意書きの通り、滑りやすくなっていた。雨の日にここを歩くのは危険だろう。転倒の危険性が高いからか筆者訪問時には監視スタッフもいたほどだ。

とはいえ、この窪地にも数々の建造物というか作品があり、常人の発想では間違いなく生まれないであろうカオスすぎる空間だ。こんな作品を思い描くことができるから世界的な芸術家として名を残したのだろうけど、残念ながら自分の乏しい芸術センスではここにどんな意味やメッセージが込められているのかまでは理解が及ばない。

それでも高台になっている周囲の縁からは施設内だけでなく、養老町を含む周辺の地域まで一望でき、癒された気分になれる。ゆっくり見て回れば2~3時間は過ごせそうなので、休日にデートや家族でお出かけするのにはちょうどいいかもしれない。

その際はスニーカーなど動きやすい靴のほうがいいと思うが、前述の通り、靴やヘルメットを貸し出しているので心配は無用。訪問時にはヘルメットを着用している人は見かけなかったので、かなり目立ってしまうかもしれないが。

この養老天命反転地は、芸術作品が並ぶ屋外型の美術館に近い施設だが、博物館法で定める博物館・美術館にはあたらず、厳密にはやはり公園ということらしい。

転倒事故などの報道は確認できず、本当に“日本一危険”なのかはわからないが、そう呼ばれても不思議ではないのは事実。転ばないように気をつけなければならないが、そこを割り引いても十分楽しめる施設だ。<取材・文・撮影/高島昌俊>

【高島昌俊】

フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。昨年に続き、今年も年末年始を利用して世界一周(3周目)に出発する。この旅の模様も日刊SPA!にて配信予定。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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