【医師監修】妊婦は肩こりがひどいもの? つらい肩こりの原因とセルフケア



妊娠してから肩こりを感じるようになった人や、妊娠前からの肩こりが悪化したと感じる人など、肩こりの悩みを抱える妊婦さんは少なくないようです。慢性化するとうっとうしい肩こりを軽減するには!? 肩こりの原因とセルフケア法をまとめます。

この記事の執筆・監修ドクター

松峯美貴先生

医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。

http://www.toho-clinic.or.jp/

妊娠中の肩こりの原因

妊娠すると、体にはさまざまな変化が現れます。中でも不快な症状をマイナートラブルと言いますが、肩こりもそうなのでしょうか?
つらい肩こり、その原因は?

妊娠してから肩こりを感じたり、悪化したと思うのには次のようなことが関係している可能性があります。

① ホルモン分泌の変化

普段から月経周期によって変化している女性ホルモンですが、妊娠するとその分泌が大きく変動します。この変化は自律神経にも影響を及ぼし、肩こりの原因となります。

② 乳房の発達、体型の変化

徐々に乳房やお腹が大きくなり、体の前面の重みが増します。すると首から背中にかけての筋肉(僧帽筋やその奥の菱形筋など)が緊張して姿勢を維持することになるので、肩や首、腰にこりを感じます。

③ 一般的な原因も

精神的ストレスや運動不足、連続したデスクワークなど、一般的な肩こりの原因となる生活習慣も妊婦さんの肩こりの原因になります。

そもそも体の背面の筋肉は普段から意識して鍛えている場合以外は筋力が弱いことが多いのです。とくに同じ姿勢を長く続けると血流が妨げられ、筋緊張の悪化とこりをまねきます。

肩こりが原因で起こる不快な症状
肩こりが続くと、首から背中にかけて背面の筋肉全体にこりが及び、腰痛、頭痛、胃痛・吐き気などを起こすことがあります。

「重い肩こりの妊婦さんには、肩より胃や腰の痛みを訴える人も少なくありません。肩や背中のこりが慢性化していると、こりは自覚しづらく、重くなると痛みとして感じます。そのように重症化する前に暮らしの中でケアしましょう」(松峯先生)

妊婦の肩こり、自力で予防&ケア
同じ姿勢を続けない!
作業の合間に軽いストレッチをはさむなどして、血行を促し、こりをほぐしましょう。
温熱療法
こりや痛みを感じる部位にビニールに入れた蒸しタオル当ててケアを! 温まった後にすこし肩や腕を動かすとより効果的です。蒸しタオルは熱すぎない温度にしてくださいね。
肩から背中全体をストレッチ
体が温まっている入浴中や、お風呂から上がってすぐなどに、気持ちよく感じる程度に肩から背中をストレッチしましょう。次項でストレッチ法を紹介します。

「パートナーに軽く指圧をしてもらったり、ジェットバスを利用するのもいいですね。マタニティヨガのプログラムにも、体の背面を伸ばす動きが入っているので、こりを防ぐのに効果的です。楽しく体を動かすとストレス解消も期待できるでしょう」(松峯先生)

妊婦の肩こり対策、これはOK? それともNG?
肩こりケアについて松峯先生の見解をうかがいました。
肩こり解消の『腕の拳上動作(背伸び)』は妊婦さんにはNG?

“おばあちゃんの知恵”的に「妊婦は背伸びするようなことをしてはいけない」とする風説がありますが、松峯先生に尋ねたところ、医学的根拠は考えにくく、むしろ、こっている筋肉を伸ばすのは症状の軽減にいいとのことでした。

そして、ただの背伸びよりもすこし動きを加えて、より効果的なストレッチとして次の2つを紹介してくれました。

「ぜひ習慣にして、気持ちよく伸ばしてください」(松峯先生)

① なるべく背筋をのばし(後手を組む)、うなだれ、肩を丸めたり、肩甲骨を寄せたりして、僧帽筋をストレッチ

② 腕を上げ(手のひらは外側へ向ける)、肘を曲げながら腕を下ろし、肩甲骨を寄せ、菱形筋をストレッチ

肩こりに湿布薬や鎮痛剤は使っていい?
「妊娠中も湿布薬や鎮痛剤を利用できますが、使いたいときは主治医に相談し、産科で処方してもらったものを使用しましょう」(松峯先生)

とくに妊娠後期、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という成分が含まれた薬剤は、胎児の心臓に影響します。こうした薬剤の成分は、湿布であっても皮膚から吸収されるのでよく注意して、NSAIDsを含むものの利用は控えましょう。

まとめ
妊娠中に起こる体の変化は、肩こりなどのマイナートラブルを生じさせることがありますが、症状がつらいときはがまんをせず、主治医に相談して適切なケアを受けましょう。セルフケアや主治医のサポートでなるべく不快な症状を軽減し、快適なマタニティライフをお過ごしください。
(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

当記事はマイナビウーマンの提供記事です。

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