第22回「IPPONグランプリ」徹底解説。いなす大吉、ためる大悟。連打が止まらないザコシに大荒れ

エキレビ!

2019/12/1 09:45

「筋肉芸人としては第4世代になる松ちゃんです」という松本人志チェアマンの挨拶から始まった、大喜利頂上決戦『IPPONグランプリ』(11月30日放送 フジテレビ系列)。令和最初のIPPONを征するのは誰なのか?

Aブロック:正面からの力を“いなす”大吉
Aブロック出場者は堀内健(ネプチューン)、山内健司(かまいたち)、博多大吉(博多華丸・大吉)、せいや(霜降り明星)、秋山竜次(ロバート)の5人。初出場のせいやは「ホンマにIPPON出てる先輩かっこいい」とリスペクトを隠さない。博多大吉は堀内・秋山という強敵を前に「多少の好感度はドブに捨てる覚悟で」と意気込む。

第1問は「結局のところ、誰が悪かったのですか?」と、いきなりの変化球。これをトップバッターの山内が「吉本興業です」と真っ直ぐに打ち返しIPPON。まるで始球式のように令和最初のIPPONが出た。

第2問「『犬人間コンテスト』で起きたハプニングとは」では、「優勝者が犬になりきりすぎてうれション(堀内)」「ただ交尾目的のイベントになった(秋山)」など「犬人間」目線の回答が出るが、ここで博多大吉は「会場」目線の回答で4本のIPPONを奪う。

・犬笛が誰にも聞こえずに競技開始が3時間遅れた
・猫人間サイドから会場に爆破予告が届いた
・総合MCが序盤からワンダフルを言い過ぎて後半キツくなる
・森泉さんがガチギレ

センスやパワーで押し切るやり方もあれば、視点をずらすことで見えてくるものもある。博多大吉の大喜利は、まるで合気道のようにスルリと固定観念をかわすのだ。

その持ち味はサドンデスでも発揮された。大吉と秋山がトップタイとなり、迎えたAブロックサドンデス。お題は「ゲムベンベとソムススースの違いを教えてください」。2人はまず、正体不明の2つのフレーズを何かに見立てることから始めた。

・ゲムベンベは叶美香さん、ソムススースは叶恭子さんの香水(大吉)
・味は同じです 元々ゲムベンベの店長が日本橋ソムススースで働いてたんで(秋山)
・ゲムベンベは白くにごるが ソムススースはにごらない(大吉)
・分かりやすくいうと、カパルキーシとメキルガルドと全く同じ(秋山)

どちらもなかなかIPPONに届かず、死闘を繰り広げる2人。このアプローチではダメだ、と判断した大吉が出したスッと出した回答は「5文字と6文字」。これまで長文回答で殴り合っていたからこそ、シンプルな回答が美しく映えた。ここで見事IPPONを獲得し、博多大吉は決勝に進出。勝者コメントでは「隣にいるせいやの大声で元気をもらえた」とニューカマーを気遣う。

Bブロック:ザコシの異常な連打
Bブロック出場者はバカリズム、田中卓志(アンガールズ)、大悟(千鳥)、千原ジュニア(千原兄弟)、ハリウッドザコシショウ。8年ぶりの出場となる田中卓志は「次また8年後だと51歳になる」と心配し、初登場となるザコシショウは「早いとこポンイチ取りたいっすね!」と余裕の構えを見せる。

第1問は「キアヌ・リーヴスと小籔千豊の共通点を教えてください」。ここでザコシショウ以外の全員が2本のIPPONを取る。そのアプローチも4者4様だ。

・二人ともソムススースを愛用している(ジュニア)
・良い仕事が入ると神に感謝する(田中)
・審査員やったときのヘッドホンの付け方(バカリズム)
・しその使い方(大悟)

残るザコシショウは全く答えなかったわけではなく、むしろ逆。ボタンの連打が異常に早く、「2人ともキンケシの立ち方」「出囃子がマリック」「下半身たこ足」「足に根が生えている」と次々に回答権を奪うも、ことごとくIPPONに届かない。「アレがアレでアレだな?と一日中言っている」でようやくIPPON。田中とバカリズムからは「もっと答えを用意していたのに全然ランプがつかない」と苦情が入る始末。

しかしザコシショウの手数は衰えない。第4問「7文字でタダものじゃないなと思わせてください」では、一発目から「うんちょっちょ」でIPPONを取ってしまう。大悟はナンセンスな回答をたっぷり間をとって発表し、田中は高確率でIPPONをかっさらう。場は荒れに荒れた。

・たちひろしです(バカリズム)
・こじるりごとき(田中)
・湯木見打意不九(ゆきみだいふく)(大悟)
・6文字で十分(ジュニア)
・ほし、ふたつです!(ザコシ)

4問目が終わった時点で、ザコシが7本、バカリ・田中・大悟・ジュニアが8本で並び、なんと4人でのサドンデス。2015年の第14回以来の4人サドンデスだ(参考:バカリズム「みんな笑顔になれ」三村「選挙出んの?」白熱の「IPPONグランプリ」を解説してみた。サドンデスのカルタお題を征したのは大悟。これで3回目の決勝進出。三度目の正直になるのか。


決勝戦:松本「すごいやりにくかったでしょ?」
決勝戦はAブロック勝者・博多大吉と、Bブロック勝者・大悟。IPPONグランプリでは常連の大吉先生だが、優勝は4年前。決勝進出自体も3年半ぶり。緊張で顔がこわばっている。一方の大悟は第19回、第20回に続いて3回目の決勝進出。もはや「決勝の常連」だ。

第1問は「となりの人を気持ちよくさせてください」。お互いを気持ちよくさせるという変則的なお題に、「シンプルに口臭くないよ」と大吉。一方大悟は、横に座る大吉をじっと見つめ「ポ(ハート)」と出してIPPONに。

今回、大悟は自分の間をじっくりと使った回答が功を奏してる。焦る様子が全くない。続く第2問「動画でアフレコ」にもその力が活きた。メイク道具をイタズラしている女の子の動画なのだが、動きも口数も少ない。ここでも大悟は間を恐れず「……自由って何?」と子どもに言わせ、IPPONに。あっという間にリーチ。

第3問は「2人っきりになったらしんどい芸能人を教えてください」という、これこそしんどいお題。「大喜利ってことですよね?」「アンケートじゃないですよね?」と何度も確認し、悩みに悩んだ大吉が「林家パー子さん」でIPPON。意気込みの「多少の好感度はドブに捨てる覚悟」をここで使うことになろうとは。

第4問の新企画「食レポ大喜利」も大吉が取り、2対2に。最後の問題は「『お前に言われなかったら一生思い出すことなかったわ!』何?」。「一生思い出すことがないようなもの」かつ笑いにつながるようなワードを絞り出す2人。先にペンが動いたのは大悟。書き終わり、ペンを置いて、「いけるか?」と問いかけるように一瞬宙を見つめ、満を持してボタンを押した。出した答えは……

「ラジバンダリ」

かつて『爆笑レッドカーペット』でダブルダッチが披露していたショートネタ、「~たり、~たり、ラジバンダリ」である。一般的な知名度はともかく、審査する芸人たちにはビシッとささりIPPON!初優勝!

実は『IPPONグランプリ』は2016年11月の川島明(麒麟)の初優勝を最後に、約3年間ずっと優勝経験者の連覇が続いていた。令和最初のIPPONグランプリで、新チャンピオンの誕生である。新しい時代の幕開けにふさわしい展開となった。さぞかし喜ばしい……と思いきや、トロフィーを授与した松本チェアマンから飛び出たのは「謝罪」だった。

松本「あのー、動画(アフレコ)なんですけど、今だから言うんですけど、用意してたのと全然違うの出ちゃったのね」
大悟「動画?」
松本「あの女の子のやつ。すごいやりにくかったでしょ?」
大悟「すごいやりにくかったです」
松本「……ごめんな?」

以上、IPPONグランプリでした!

(井上マサキ)

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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