「おっさんずラブin the sky」春田に矢印向く四宮、春田の矢印は成瀬?じゃあ成瀬の矢印は…2話

エキレビ!

2019/11/16 09:45

おっさんずラブ-in the sky-」(テレビ朝日系)の第2話が11月9日に放送された。

前回のレビューで「in the skyは四宮にかかっている」と書いた。というわけで、今回は四宮要(戸次重幸)から掘り下げていきたいと思う。

好きなものを残し、後悔してきた四宮の人生
1話エンディングで春田創一(田中圭)を描いたスケッチが飛び散り、その絵を春田本人に見られてしまった四宮。なのに、まだ彼は鋭い眼光でモデルをチラチラ盗み見、目にも留まらぬ速さでデッサンを仕上げようとしていた。勤務中なのに懲りない男だな……と思ったけど、違った。
「ハハハハッ。絵が趣味なんだよ。まあさ、他のやつも見てくれよ」(四宮)
そこには、他の同僚を描いたデッサンが何枚も……。後で春田に見せるため、アリバイ作りとして黒澤武蔵(吉田鋼太郎)や他のCAの絵を秒で描き、こしらえていたのだ。四宮がいきなり切ない。しかも、心ここにあらずで作った太麺焼きそばにかつお節をかけ忘れているし、動揺して紅しょうがを1瓶ゴソッと使い切っちゃったし。

カフェで食事をする四宮と橘緋夏(佐津川愛美)。四宮の食べるショートケーキに苺が残っているのを見つけた緋夏は「いただきー!」と食べてしまった。
四宮 「あっ、ああーーっ! それは、最後に取っておいた……」
緋夏 「えっ、そうだったんですか!? ごめんなさい!」
四宮 「緋夏ちゃんは悪くない。こんなもの最後まで取っておく俺が……。いっつもそうだよぉ!」

恐らく、四宮はいつもそうだった。成瀬竜(千葉雄大)は四宮のことを「自分の中でひたすら抑えて我慢して耐える系」と揶揄した。四宮にとって春田は苺。「春田は自分より緋夏と結ばれたほうが幸せになれる」と彼は考えた。大事な存在を心の中にしまい、そして最後は誰かに取られる。そのときが来ると「ああーーっ!」と取り乱し、どれだけ好きだったか気付くのだけれど、誰を責めるでもない。最後まで取っておく自分が悪い。
緋夏が帰った後、四宮はストロー袋で作った人形を水で溶かした。この人形は四宮。大人の顔をし、人の恋愛を応援する傍観者。そうして彼の存在は溶け、無いものとなる。今までの彼の人生がこのシーンに集約されていた。天空不動産から武川政宗(眞島秀和)を連れてきて「相手の幸せのためなら自分は引いてもいいとか、どっかのラブソングかよ。そんな綺麗事じゃねえだろ、恋愛って」と説いてほしくなる。

全8話が終わった頃、in the skyは余韻として四宮の印象が大きく残るドラマになる気がする。

in the skyの春田は自分から行く
前シリーズの春田は牧凌太(林遣都)や武蔵に迫られる一方の受け身型だった。in the skyの春田は違う。今回、彼は自ら動きそうな気がするのだ。

印象的だったのは寮での1シーンだ。パワハラ疑惑をかけられた成瀬に、春田は本当のことをちゃんと説明するよう説得する。しかし、成瀬は「あんたに関係ないだろ」と出ていった。
苛立ちで眠れない春田がテラスへ出ると、飛行機の模型で遊ぶ成瀬の姿を目撃。そのとき、立ち止まって成瀬を見る春田の中に「ほっとけない」という感情が芽生えたように見えた。そもそも、ムカついている時点で成瀬のことが頭を占めている。次回予告では、雨の中「なんか、ほっとけねえんだよ!」と春田が成瀬を抱き寄せる場面があった。人を受け付けない成瀬を春田が変えていく、そんなストーリーが頭に浮かぶ。

武蔵、四宮、緋夏から矢印を向けられている春田。でも、成瀬は春田を意識していない。成瀬は誰を意識する? 憶測に過ぎないが、四宮を意識している気がする。
次回予告ではグラタンしか食べないはずの成瀬が、なぜか四宮の作ったごはんを食べていた。四宮は春田に気があると知りながら「春田さんとキスしたんです」とマウンティングを取った。四宮の気持ちを知っているからこそ「我慢して耐えるのって楽してるだけじゃないですか?」と突っかかり、嫌味を言ったように見えた。1話でマサキ(ダイキ/ブリリアン)をフッた成瀬は「他に好きな奴ができた」と口にしたが、それは誰のことか? 何より、オープニング映像で成瀬が満面の笑みでハグをする相手は、後ろ姿から察するに四宮である。だとすると、副操縦士の彼が整備の本を読みふけっていたのにも合点が行く。成瀬の気持ちに俄然興味が湧いてきた。


ゴリゴリにBLへ寄せた今シリーズ
今シリーズ、コメディパートを一手に引き受けるのは武蔵だ。胸の痛みを覚えて体を診てもらったら、医者まで「恋の病ですね」と言い出す。彼が登場する場面にはおかしな人しか出てこないのだ。

「空港の中心で愛をさけぶ」とサブタイトルが付けられた第2話。武蔵は春田のロッカーに書き置きを残した。
「21時 展望デッキで待つなり」
武蔵が春田に決闘を申し込んだような文言である。

(画像)
「春田君のこと、好きになってもいいですかーーー?」と武蔵は絶叫。困惑した春田が頭を抱えると、その手をOKサインと勘違いした武蔵は「やったーーー!」と雄叫びを上げ、鐘を何度も猫パンチした。前回の「月が綺麗ですね」といい今回といい、勘違いし続ける武蔵。

エンディングで武蔵と緋夏が親子だと明らかになった。父娘が同じ人に好意を持つとは、もはやDNAが好きだと言っているのだろう。武蔵は春田が自分の告白をOKしてくれたと思っており、今夜放送の3話は間違いなく混沌とするはずである。

説明がメインだった1話より、2話は見やすかったと思う。ただ、広い意味でのラブストーリーを描く前シリーズと違い、in the skyはゴリゴリにBLへ寄せた。筆者のようなBLの門外漢でも愛せた過去の「おっさんずラブ」のテイストは失われてしまったかもしれない。今回は制作陣のターゲットから外された? と、幾分の寂しさを感じてもいる。

主人公・春田創一を追うというより、群像劇となった今シリーズ。in the skyには、春田より感情移入しやすい者が何名かいる。言ってしまえば、多くの視聴者は春田より四宮に感情を乗せている気がするのだ。少なくとも筆者はそうだ。良い言い方をすれば、次第に前シリーズの残像が消えてきた。
(寺西ジャジューカ)

土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ-in the sky-」
脚本:徳尾浩司
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
音楽:河野伸
主題歌;sumika『願い』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ)、松野千鶴子(アズバーズ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:アズバーズ
※各話、放送後にビデオパスにて配信中

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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