「スカーレット」41話。15分間のほぼ3分の1をひとり語りでフカ先生、イッセー尾形劇場

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(これまでの木俣冬の朝ドラレビューはこちらから)

連続テレビ小説「スカーレット」 
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~


『連続テレビ小説 スカーレット Part1 (1)』 (NHKドラマ・ガイド)

第7週「弟子にしてください!」41回(11月15日・金 放送 演出・小谷高義)
おはぎとお茶をいただきながら、喜美子(戸田恵梨香)は、マツ(富田靖子)と直子(桜庭ななみ)と百合子(住田萌乃)に自分の思いを語りはじめる。

イッセー尾形のアホな顔
朝は集中して作業をするため、誰かが工房に入ることを禁じているフカ先生(イッセー尾形)の作業を、やかんを取り替えるついでに後ろから見つめていた喜美子。先生は変な声をあげ、笑いながら絵付けしていた。その顔を喜美子が再現すると、「アホな顔」と直子は言う。
口がポカンと空いていたからか。笑うことは呆けることでもあるから。

フカ先生がいつ怒るかいつ怒るかと思って見ていたが、工房に入って絵付けを盗み見た喜美子のことを怒ることもなく、見られたことを「恥ずかしい」と言うだけだった。

そして、日本画家からなぜ火鉢の絵付け師になったかを語る。
8時5分23秒あたりから10分7秒くらいまで5分間弱、イッセー尾形がひとり語りする。

先生は戦争がはじまると従軍画家として戦争画を描くようになったことを苦にして、戦争が終わってからも絵が描けなくなっていたところ、火鉢に絵が描いてあるのを見て、「これが戦争が終わったというこっちゃ」「なんとぜいたくなことを日本は楽しむようになったんや」と感嘆し、絵付け師になった。

「火鉢に絵! ええよぉ」

ここで、口癖の「ええよぉ」。その前に家族が先生の絵を「ええよぉ」「ええよぉ」と言ってくれていた思い出も語られる。
フカ先生の「ええよぉ」にはええ加減なのではなく深い意味があったのだ。

「気持ちがこぼれてくるんや」と笑いながら絵を描いている理由を語る先生を見つめる喜美子。弦楽器の劇伴が鳴りはじめ、喜美子の感情を代弁する。

イッセー尾形は5分間しゃべっただけでなく、踊りも披露する。
名優は、戦争が終わって、一見不要な火鉢に絵がついてそれを楽しむ人達がいることの幸せをじっくり語り、踊る喜びを軽やかに見せる。笑う、踊る、絵を楽しむ、この幸福が、イッセー尾形の肉体と肉声にそれこそこぼれだした朝。

絵付けか絵付け師か
「なにかやろうと思ったときにお金がないことに気持ちが負けたらあかん」
とフカ先生はいいことを言う。

喜美子に絵付けがやりたいのか、絵付け師になりたいのか聞く。それは「覚悟」の問題だと喜美子は思う。
すぐには答えが出ないが、マツが探してくれた永山陶業で絵付けを週イチで教えてもらうことよりも、「うちはフカ先生についていきたい」と考える。

「決めた。うちはフカ先生の弟子になる」と言ったときの喜美子の顔の美しさ。瞳の光が大きい。
ここでまた鳴り出す弦楽器の劇伴がやばい。
「スカーレット」は劇伴が良すぎる。感情を揺さぶる揺さぶる。
あかん、問答無用に感動する……と思っていたら、

おしぼりをちくわと間違えて食べるイッセー尾形
再び、イッセー尾形だ。
夜、居酒屋で、常治(北村一輝)と飲んでいて、おしぼりをちくわと間違えて食べて、常治を笑わせていた。
絵付けを反対する常治と、喜美子が尊敬する先生との出会いは良いことになるのか……。

ところで「おはよう日本 関東版」で高瀬耕造アナが、自分の読みは間違っていたが、「私とは違って信作さんは絶好調のようです」と語った。高瀬アナと信作役の林遣都の顔がどことなく似ていると言われているので親近感あるのだろうか。林遣都を「おはよう日本」に読んで、高瀬×林 対談をやってください。
(木俣冬 タイトルデザイン/まつもとりえこ)

登場人物のまとめとあらすじ (週の終わりに更新していきます)

●川原家
川原喜美子…戸田恵梨香 幼少期 川島夕空  主人公。空襲のとき妹の手を離してトラウマにしてしまったことを引きずっている。 絵がうまく金賞をとるほどの腕前。勉強もできる。とくに数学。学校の先生には進学を進められるが中学卒業後、大阪の荒木荘に就職する。やがて、美術学校に進学を考えるが、実家の経済事情の悪化により信楽に戻り、丸熊陶業で働くことになる。

川原常治…北村一輝 戦争や商売の失敗で何もかも失い、大阪から信楽にやってきた。気のいい家長だが、酒好きで、借金もある。にもかかわらず人助けをしてしまうお人好し。運送業を営んでいる。家に泥棒が入り、
喜美子の給料を前借りに行く。オート三輪を無理して買ったうえに捻挫して働けなくなって喜美子を呼び戻す。

川原マツ…富田靖子 地主の娘だったがなぜか常治と結婚。体が弱いらしく家事を喜美子の手伝いに頼っている。あまり子供の教育に熱心には見えない。
川原直子…桜庭ななみ 幼少期 やくわなつみ→安原琉那 川原家次女 空襲でこわい目にあってPTSDに苦しんでいる。それを理由にわがまま放題。東京に行きたいと思っている。
川原百合子…福田麻由子 幼少期 稲垣来泉→住田萌乃

●熊谷家
熊谷照子…大島優子 幼少期 横溝菜帆 信楽の大きな窯元の娘。「友達になってあげてもいい」が口癖で喜美子にやたら構う。兄が学徒動員で戦死しているため、家業を継がないといけない。婦人警官になりたかったが諦めた。高校生になっても友達がいないが、楽しげな様子を書いた手紙を大量に喜美子に送っている。喜美子とは幼いときキスした仲。高校卒業後、京都の短大に進学予定。

熊谷秀男…阪田マサノブ  信楽で最も大きな「丸熊陶業」の社長。
熊谷和歌子… 未知やすえ 照子の母

●大野家
大野信作…林遣都 幼少期 中村謙心 喜美子の同級生 体が弱い。高校で友達は照子だけだったが、ラブレターをもらう。いつの間にかモテるようになり、祖母の死以降、キャラ変する。高校卒業後は役所に就職する。

大野忠信…マギー 大野雑貨店の店主。信作の父。戦争時、常治に助けられてその恩返しに、信楽に川原一家を呼んでなにかと世話する。
大野陽子…財前直見 信作の母。川原一家に目をかける。

●滋賀で出会った人たち
慶乃川善…村上ショージ 丸熊陶業の陶工。陶芸家を目指していたが諦めて引退し草津へ引っ越す。喜美子に作品を「ゴミ」扱いされる。

草間宗一郎…佐藤隆太 大阪の闇市で常治に拾われる謎の旅人。医者の見立てでは「心に栄養が足りない」。戦時中は満州にいた。帰国の際、離れ離れになってしまった妻・里子の行方を探している。喜美子に柔道を教える。大阪に通訳の仕事で来たとき喜美子と再会。大阪には妻が別の男と結婚し店を営んでおり、離婚届を渡す。

工藤…福田転球  大阪から来た借金取り。  幼い子どもがいる。
本木…武蔵 大阪から来た借金取り。

保…中川元喜  常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。
博之…請園裕太 常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。

城崎剛造…渋谷天外 丸熊陶業に呼ばれて来た絵付け師。気難しく、社長と反りが合わず辞める。
加山…田中章 丸熊陶業社員。
原下…杉森大祐 城崎の弟子。
八重子…宮川サキ 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。
緑…西村亜矢子 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。

深野心仙…イッセー尾形

●大阪で出会った人たち
荒木さだ…羽野晶紀 荒木荘の大家。下着デザイナーでもある。マツの遠縁。
大久保のぶ子…三林京子 荒木荘の女中を長らく務めていた。喜美子を雇うことに反対するが、辛抱して彼女を一人前に鍛え上げたすえ、引退し娘の住む地へ引っ越す。女中の月給が安いのでストッキングの繕い物の内職をさせる。

酒田圭介…溝端淳平 荒木荘の下宿人で、医学生。妹を原因不明の病で亡くしている。喜美子に密かに恋されるが、あき子に一目惚れして、交際のすえ、荒木荘を出る。

庵堂ちや子…水野美紀 荒木荘の下宿人。新聞記者で不規則な生活をしていて、部屋も散らかっている。
田中雄太郎…木本武宏 荒木荘の下宿人。市役所をやめて俳優を目指すが、デビュー作「大阪ここにあり」以降、出演作がない。
静 マスター…オール阪神 喫茶店のマスター。静を休業し、歌える喫茶「さえずり」を新装開店した。

平田昭三…辻本茂雄 デイリー大阪編集長 バツイチ 喜美子の働きを気に入って、引き抜こうとする。
不況になって大手新聞社に引き抜かれた。

石ノ原…松木賢三 デイリー大阪記者
タク坊…マエチャン デイリー大阪記者
二ノ宮京子…木全晶子 荒木商事社員 下着ファッションショーに参加
千賀子…小原華 下着ファッションショーに参加
麻子…井上安世 下着ファッションショーに参加
珠子…津川マミ 下着ファッションショーに参加 
アケミ…あだち理絵子 道頓堀のキャバレーのホステス お化粧のアドバイザーとしてさだに呼ばれる。

泉田工業の会長・泉田庄一郎…芦屋雁三郎 あき子の父。荒木荘の前を犬のゴンを散歩させていた。
泉田あき子 …佐津川愛美 圭介に一目惚れされて交際をはじめる。

ジョージ富士川…西川貴教 「自由は不自由だ」がキメ台詞の人気芸術家。喜美子が通おうと思っている美術学校の特別講師。
草間里子…行平あい佳 草間と満州からの帰り生き別れ、別の男と大阪で飯屋を営んでいる。妊娠もしている。

あらすじ
第一週 昭和22年 喜美子9歳  家族で大阪から信楽に引っ越してくる。信楽焼と出会う。
第二週 昭和28年 喜美子15歳 中学を卒業し、大阪に就職する。
第三週 昭和28年 喜美子15歳 大阪の荒木荘で女中見習い。初任給1000円を仕送りする。
第四週 昭和30年 喜美子18歳 女中として一人前になり荒木荘を切り盛りする。
第五週 昭和30年秋から暮にかけて。喜美子、初恋と失恋。美術学校に行くことを決める。
第六週 昭和31年 喜美子、信楽に戻り、丸熊陶業で働きはじめる。

脚本:水橋文美江
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
音楽:冬野ユミ
キャスト: 戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、桜庭ななみ、福田麻由子、佐藤隆太、大島優子、林 遣都、財前直見、水野美紀、溝端淳平ほか
語り:中條誠子アナウンサー
主題歌:Superfly「フレア」
制作統括:内田ゆき

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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