女性目線の歌詞が新鮮!ポルノが描く可愛い女性たちを一挙紹介

UtaTen

2019/11/16 17:00

一途すぎる女心が可愛い


まずは、2005年にリリースされたアルバム「THUMPχ(サンプ・サンプ・サンプ)」に収録されている『Ouch!!』から見ていきましょう。ボーカル岡野のシャウトから始まる特徴的な楽曲で、一人称「アタシ」で、等身大の恋愛観が綴られています。

毎晩、飲みの付き合いで帰りが遅い彼を気遣いつつも、連絡ひとつ寄越さないことにご立腹の彼女。

ただ待たされるだけというのは不安ですしイライラしてしまうものですが、結局のところ「アタシを見て!!」と怒っているところに、寂しさと一途さが滲み出しています。



ロマンを語りたがる男性には耳の痛い正論ですが、彼女は正論で彼を論破したいわけではありません。ただ、好きな人と平穏で、愛の溢れる毎日を送りたいだけです。

そのためには、しっかりと地に足を着けて着実に進むことが大切で、ずっと一緒にいたい大好きな彼だからこそ口うるさくしてしまうのです。

どこか情けない彼に文句を言いながらも、そんな彼に心惹かれてしまう悔しさ。母性のせいにしながら、本当はベタ惚れ。だから安心させて欲しくて、ついつい不機嫌になってしまうのです。

「本当にアタシのこと好き?」と何度も確認したくなる、一途な恋心。「女って面倒くさい」なんて思わず、時々はちゃんと彼女の方を見つめ直して、きちんと愛を伝えてあげてほしくなる、そんな可愛らしさの詰まった楽曲です。


大きな愛に包まれる、ロマンチックな恋



『グラヴィティ』は打って変わって、包容力のある人に惹かれています。楽曲に登場する空中ブランコはそのまま、人生に置き換えられるでしょう。

不安な時、今の場所から次のステップへ進む時、彼が一歩先を行って導いてくれます。手を差し伸べて、「大丈夫だよ」と言うように。



だから「私」は、いつでも安心して飛び込むことができるのです。まさに、大人の男です。

冒頭から「空中ブランコ」が登場するあたり、サーカスに見立てた楽曲であることがわかります。「三日月ライト」もどことなく幻想的で、演劇を見てるような夢見心地になります。

一人で落ちてしまうのは怖いから、はぐれないように肩を抱いて欲しい、こんな可愛いことを言われたら、男性もメロメロになってしまうでしょう。大人の男である彼に心惹かれる「私」は、彼女自身も純粋でまっすぐに愛を見つめる、素敵な女性です。



愛を前にしたら、永遠も一瞬も変わりない。どんなに長い時間も一瞬で飛び越えられるほど、愛は距離を超えます。そして、どんな悠久の時も一瞬に感じてしまうほど、好きな人との時間は愛おしく、瞬く間に過ぎ去ってしまうのです。

"だから抱きしめていてね?離さないでね?"と、少し甘えるように何度も確認しているのです。


彼を信頼しきっている、可愛らしい女性、守ってあげたくなる女性です。『Ouch!!』は異なり、可愛らしい女性らしい声色で丁寧に歌う岡野のボーカルが印象的な楽曲です。

ライブで披露されることは多くありませんが、9/7・8に開催された20周年ライブで披露された時には、6万近い観客がその歌声にうっとりと聴き惚れました。人を愛することの美しさ、素晴らしさを再認識させてくれる楽曲でもあります。

ヤクザとの悲恋を描いた「横浜リリー」



最後に紹介する曲は、ヤクザの世界に生きる男性を愛してしまった女性の悲恋を歌った『横浜リリー』です。



タイトルの『横浜リリー』につながる「リリー」という名前は、彼がつけてくれたものでした。キザだといいながら、愛する人がつけてくれたその名前を、きっと大切にしていたのでしょう。

しかし、そんな彼の生活はすさんでいます。弱くて馬鹿で、しょっちゅうケガをしている彼は、チンピラのようなことをして生活しているのかもしれません。

「弱いくせに馬鹿なくせに」と辛辣な言葉が並んでいますが、岡野の切ない歌声からは、深い愛情と彼への哀れみを感じます。

彼はいつも、別れ際におざなりなキスをして、「じゃあ、また。」という言葉を残して消えます。愛のないキスの名残をいつまでも確認してしまう女の悲しさ、彼を待ち続けるひたむきさが、リリーという女性を象徴しています。



どんな嘘でも黙って耐える彼女ですが、ひとつだけ譲らないものは、また会える約束です。その約束を破ったら許さないとまで言っていますから、それほど深く愛しているのです。

どんなに傷ついても、態度が冷たくても、自分のところへ戻って来てくれることだけを願っていたリリー。しかし、その約束はついに破られてしまいます。

いつも傷だらけになっている彼。そんな危なっかしい人を愛してしまった悲劇です。彼の最期はあくまでリリーの想像ですが、実際、彼女の元へは帰ってこなかったのでしょう。

「私なんか忘れちゃって」というところに、リリーと彼の関係が見て取れます。必要な時だけ求められて、きっとリリーは大切にされていなかったのでしょう。寂しさを抱えたまま、それでも離れることができずに、彼を愛し続けました。

彼の死を思わせる描写と、港町から遠い街に移って暮らすラストシーンは涙を誘います。



そしてリリーはもう怒る相手のいない街を離れ、遠い街でリリーではない本当の名前で生きるのです。大きな喪失感を抱きながら。

リリーはどこまでも一途で、だからこそ悲惨な結末を迎えてしまった女性です。どうか彼女には幸せな未来が待っていて欲しいと願わずにはいられません。

異国情緒溢れるメロディに心奪われがちな『横浜リリー』ですが、そこには愛しても幸せになれない人を愛してしまった女性の悲しみと、それ以上の深い愛に満ち溢れています。

女性の心情を男性が歌う心地よさ


いかがだったでしょうか?今回はポルノグラフィティの中でも、女性目線、女性言葉で綴られた楽曲をご紹介しました。

作詞を手がけた新藤晴一も岡野昭仁も男性ですから、女心がわかるわけではありません。それでも、聴いた人が"そうそう"と思わずうなずきたくなるような歌詞がちりばめられています。

そして女言葉の歌詞を男性が歌うことで、男性にしか生み出すことのできない情緒が生まれます。『Ouch!!』は歌詞こそ女言葉ですが、巻き舌をところどころに交えた岡野の力強いボーカルが印象的です。歌い方はあえて男らしくしていることで強烈なギャップ萌えが生まれ、ファンの心を鷲づかみにするのです。

そして『グラヴィティ』は恋する女性の純粋さや可愛らしさを、『横浜リリー』は報われない恋に翻弄される女性の悲しさを、岡野の柔らかなボーカルが見事に表現しています。

曲によって変幻自在な声を持ち、圧倒的歌唱力と表現力を兼ね備えた岡野だからこそ輝く楽曲といえるでしょう。

TEXT 岡野ケイ

当記事はUtaTenの提供記事です。

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