五輪マラソン移転で“札幌ディス”報道。 北海道民の胸中を取材してみた

女子SPA!

2019/11/16 15:45

 10月16日にIOC(国際オリンピック委員会)から突然発表された2020年東京五輪のマラソン・競歩会場の札幌移転案。11月1日に正式決定するまでの経緯は今さらなので省略しますが、メディアでは「札幌はふさわしくない」的な発言が相次ぎました。

◆ネット上では“札幌ディス”がトレンドワードに

発表直後の1日午後に放送された『情報ライブミヤネ屋』(読売テレビ)では、司会の宮根誠司が前日の同番組に出演した元マラソン選手の谷口博美の発言を引用する形で「東京などは首都高の下など影が多いので言うほど暑くない。北海道の方が逆に日なたばっかりで暑い」「平坦な道で退屈」「実況アナウンサー泣かせですよ」「なんにもない。『真っ青な空、緑の木、風が吹いてます』を繰り返すしかない」「これ、どう実況します?」とコメント。

さらに『ひるおび』(TBS系列)でもMCの恵俊彰が五輪のマラソンコースになると噂されている新川通りについて「ほんとにないね、なんにも」と、全国ネットの情報番組の大物司会者が揃って札幌に対して辛口発言。

また2日、川合俊一は『あさパラ!』(読売テレビ)「(札幌市が)うちではできませんと言えば、こういうことにはならなかったんじゃないですかね」と発言。

元マラソン選手の千葉真子さんは、『ひるおび』(TBS系列)では「ないんです。何にもないんです。応援も、駅から3キロくらい離れていて、応援に行く人のアクセスも悪いので、応援が少なくなるんじゃないかという心配も私はしています」と話し、『スッキリ』(日本テレビ系列)出演時にも、新川通について「ひたすらまっすぐな道が続いて、走っても走っても前に進んでいかないような感覚になる。心が折れそうになる区間」とコメントしました。

これらの発言は、ネット上では“札幌ディス”と呼ばれ、検索ワードランキングでも一時急上昇したほどです。

でも、気になるのが地元・北海道民の反応。そこで北海道出身で、現在は東京と札幌で二拠点生活を送る私が、20~40代の道産子(どさんこ。北海道生まれの人)女性30人にアンケートを実施。彼女たちがマラソン・競歩の札幌移転に思うコトをランキングにまとめてみました。

◆道産子女子がマラソン・競歩の札幌移転に思うコト=======================

1位 素直にうれしい  22人

2位 今からだと準備とか大変そう  20人

3位 大通公園のビアガーデンが心配  8人

4位 実際にコースの一部を走ってみたい  6人

興味なし  6人

※20~40代の北海道在住の女性30名(複数回答あり)

=======================

1位の「素直にうれしい」、2位の「今からだと準備が大変そう」はわかりますが、続いて3つめに多かったのは道民以外には恐らく理解できないであろう「大通公園のビアガーデンが心配」。

実は、テレビ塔もある大通公園では毎年ビアガーデンを営業しており、今年も7月19日~8月14日まで開催。会場には1万3000席が用意され、国内最大級の規模です。

夏場は仕事終わりに職場の仲間と一杯という人も多く、「ビアガーデン営業停止とかは絶対やめてほしい」(20代・唯さん)と心配する声が占めるなか、「飲みながら生観戦できるようにマラソンや競歩当日もビアガーデンを営業してほしい」(30代・淳子さん)という提案(?)もありました。

私も夏場はときどきに飲みに行きますが、ビール好きの人にとっては夏の札幌といえばコレ。もし競技開催に合わせて休業となれば売り上げの大幅ダウンは必至です。

ですが、それ以上に気になったのは、5人に1人が「興味がない」と無関心ぶりを示していること。

「スポーツ自体にあまり興味がないので……」(20代・理佳さん)

育児と家事、仕事に追われてそれどころじゃないです」(40代・明穂さん)

せっかく地元で開催されるのに、とは思いますが、もともと男性よりも女性のほうがスポーツに関心のない人が多いのも事実。ちょっとさびしい気もしますけどね。

◆札幌ディスに怒っていたのは30人のうち3人

ただし、一番驚いたというか意外だったのは、札幌ディスに対しては怒っているのがランク外の3人しかいなかったこと。

「そもそも一部の司会者が言っているだけ。『スッキリ!』(日本テレビ)の加藤(浩次)さんは文句を言っていませんし、『グッとラック』の立川志らくさんは札幌ディス発言の司会者にキレてました。あくまで一部の人間の主張を世論のように取り上げていただけ」(40代・舞子さん)

彼女の言う通りなのでしょうけど、開催を喜んでいる人も案外冷静に見ているのかもしれません。

街の郊外にあり、マラソンコースの候補とされている新川通りについても「何もないのはそのとおり」(40代・由紀さん)と肯定する人が多数。何もないというのはさすがに言い過ぎでしょうけど、地元以外の人が抱く北海道らしさや札幌らしさがあるようなコースかと聞かれると確かに答えに困ってしまいます。

もちろん、コースはまだ決まっていませんし、「文句を言うにしても確定してからにしてほしい」(20代・奈美さん)と答えた人もいましたが、おっしゃる通りです。

◆道民女性が考える五輪マラソンを盛り上げる方法とは?

一方、ランキングとは別に自由にコメントを求めたところ、思わずクスッと笑ってしまう意見がいくつもあったので少し紹介したいと思います。

「白バイの代わりに洋ちゃん(大泉洋)とミスター(鈴井貴之)の水曜どうでしょうコンビがカブに乗ってレースを先導してほしい」(30代・美雪さん)

実は、ネット上にも似たような意見を複数見かけました。もしこれが実現したら、北海道内の視聴率は80%を超えるかもしれませんね。

ほかにも「給水所にガラナ(※北海道限定のローカル炭酸飲料)を用意すればいい」(20代・絵美さん)、「来年はYOSAKOIソーラン祭り(※北海道最大のお祭りイベント)をマラソンと競歩の時期に合わせ、W開催にすればいい」(30代・敦子さん)などみなさん好き勝手に言っています。

いずれにしてもマラソンと競歩の開催を楽しみにしている人は多い様子。すったもんだがあっただけに、思い出に残るような素晴らしいレースになってほしいものです。

<文/高島昌俊>

【高島昌俊】

フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。この冬、貯めたマイルを使い、ビジネスクラス世界一周旅行に挑戦。日刊SPA!にて『10万2830円と貯まったマイルでビジネスクラス世界一周してみた』を連載。

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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