いよいよ傑作、生田斗真「俺の話は長い」動物園のライオン理論!屁理屈と意地の間のほころびが愛おしい4話

エキレビ!

2019/11/9 09:45

「でも、そろそろ過去の栄光は脱ぎ捨てたほうがいいと思うんですよね」
「もう、とっくに脱ぎ捨てたつもりなんだけどなあ」
「でも、大きい声出すこと、ダサいと思ってるでしょう」

11月2日(土)放送の土曜ドラマ 『俺の話は長い』(日本テレビ系)第4話。およそ30分のドラマが2本立て。今回は「其の七 アイスと夜の散歩」「其の八 バーニャカウダと犬の散歩」の2本が放送された。

「悩み聞いてくださいよ~」と頼まれ飲みに来たのに、いつの間にか「過去の栄光は脱ぎ捨てたほうが」と説教をされている光司(安田顕)。「自分なりに、声は張ってるつもりなんですけどね」と、右手の中指で目頭を押すように触る。騙されるように飲みに来てしまった、年下に説教をされている。目がゴロゴロするときのような居心地の悪さを、光司はごまかしていた。

屁理屈と意地を重ねるほど見えるほころび
房枝「食べてすぐにゴミ箱に捨てないほうが悪いわよー」
綾子「今日は本当に許さない。ちゃんと謝るまで絶対に許さないから」
光司「満くん、今日は君の完敗だよ」
満「ふう、ははははは。いいでしょう、負けを素直に認めましょう」
春海「じゃあ、さっさと謝ってよ」

前半の「其の七 アイスと夜の散歩」では、アイスのゴミを分別せずに捨てた犯人と満(生田斗真)のアイスを食べた犯人探しがおこなわれた。ゴミを捨てたのは綾子(小池栄子)だが、誰もアイスを食べてはいないと言う。満や春海(清原果耶)は古本屋の牧本(西村まさ彦)まで疑い出し、房枝(原田美枝子)を呆れさせる。

満「これはアイスの問題じゃない。アイスを食べたくせに黙っている犯人が、この3人の中にいることが問題なんですよ」

アイス勝手に食べないでよね! で終わる話。満は、家族全員を台所から出さずに犯人探しをはじめる。広くはない台所で、みんなが自分は犯人ではないと言い出す。狭い空間で台詞がビュンビュンと飛び交う。日中に牧本が台所まで来ていたことがわかると、それが房枝の再婚話にまで発展してしまう。

満たちの会話は、テンポが速い。しかも満が屁理屈を言いがちなので、売り言葉に買い言葉で言わなくても良いこと、聞かなくて良かったことも、口から滑り出てしまう。母親が再婚する可能性も、満が気づいてしまったら「将来」を考えざるを得なくなる。なのに、満は自分を居心地悪くするその話を、意地と屁理屈で引き出してしまう。

綾子「なーんであいつはたった一言謝ることができないの」
房枝「いまに始まったことじゃないでしょう」
光司「謝罪を回避するためだけに、全員傷つけていきましたから」

結局、アイスは誰も食べていなかった。アイスのゴミは、1週間前に満が台所のテーブルに放置したものだった。満がアイスを食べた犯人探しを深く掘らなければ、ゴミを放置したことを怒られなくても済んだのに。意地と屁理屈に意地と屁理屈を重ねていくことで、満自身のほころびが現れていくのがおかしくも愛おしい。


どアップで涙目の新キャラ・間宮祥太郎
満たち家族と、房枝の喫茶店の常連客といういつものメンバーに加え、今回は常連客のひとり・薗田拓斗(本多力)の後輩・渡利(間宮祥太朗)が登場した。渡利は大学を中退してバックパッカーになり、その後、薗田と同じ会社に就職して活躍している。満と似た経歴から、薗田は渡利を満に会わせようと考えたようだ。

渡利「だって、25歳で店開いたんですよね? もうそれだけですごい尊敬してますし、あと、店立ち上げるまでの話とかめちゃめちゃ興味あります!」

素直な渡利にヨイショされて満も気分が良いかと思いきや、満はまた屁理屈を言い出す。

満「20代で一般企業に勤めてるって、中退の無駄遣いだなって思わない?」
薗田「中退の無駄遣い!?」
満「完全に、ドロップアウトに失敗してるよね。同じ中退として恥ずかしいから、あんまり言わないでもらえるかな」

大きな目に涙をにじませながらギュッと唇を噛む渡利。それでも満をじっと見つめて目を離さない。怒られているこどものよう。泣きそうな顔がゆっくりと何度もアップになる。そして、どアップになったところで爆発する。

満「君のやろうとしていることは、動物園のライオンに檻から出て自分で獲物取ってこいって言ってるようなもんだよ」
満「動物園のライオンは戦ってないように見えて、野生のライオンより戦ってんの。客に笑われて指さされながら毎日夢と孤独の狭間で戦ってんだよ!」
渡利「……俺、今日で会社辞めます!」
満「ええ!?」

慌てて「いまの話は冗談」と渡利をなだめる。自分を、安全で餌にも不自由しないが孤独な動物園のライオンに例えていたが、渡利の退職を止めようとする。やっぱり働いているほうが良いという価値観が、満の中にもあるのか。

春海「誰が一番寂しいんだろう」

光司とアイスを買いに出た帰り、春海はこう言っていた。自分を孤独なライオンに例えていた満。彼には、寂しさの自覚がどこかにある。

必ず2回見たくなるドラマだ。1回目は、しょうもない屁理屈やテンポの良い会話劇を楽しむように。2回目は、台詞からにじみ出た登場人物たちのほころびや美質に気づいたりそれらを探したりするように。

どうしようもないところや意地になってしまう部分に、その人の大切にしているものが潜んでいるのかな。2回見終えたあとは、そんな風に少し優しい目線を持とうとする自分に気づけるドラマだ。
(むらたえりか)

=配信サイト=
hulu:https://www.hulu.jp/orebana
日テレ無料!(TADA):https://cu.ntv.co.jp/orebana_01-01/

=番組情報=
土曜ドラマ 『俺の話は長い』(日本テレビ系)
毎週土曜日よる10時~
出演:生田斗真、安田顕、小池栄子、清原果耶、杉野遥亮、水沢林太郎、浜谷健司(ハマカーン)、本多力、きなり、西村まさ彦、原田美枝子、ほか
脚本:金子茂樹
音楽:得田真裕
主題歌:関ジャニ∞「友よ」(インフィニティ・レコーズ)
コーヒー指導・監修:篠崎好治
動物指導:ZOO動物プロ
国語指導:藤本裕子
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
演出:中島悟 ほか
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
番組公式サイト:https://www.ntv.co.jp/orebana/

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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