「やすらぎの刻~道」八千草薫の訃報にしんみり、衝撃展開にボーゼン「道」が平成編に突入第30週

エキレビ!

2019/11/4 09:45

倉本聰・脚本「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日系・月~金11時30分~)第30週。

「やすらぎ体操第二」からスタートしたこの週、八千草薫さんの訃報が飛び込んできた。「やすらぎ体操第二」ではあんなに元気そうに「ジャマイカのポーズ」を取っていたのに……。

神がこの世に送り込んだ、天使のような洗濯屋
八千草薫演じる九条摂子は、前作「やすらぎの郷」の象徴的な存在だった。

国民的大スターであった「姫」こと九条摂子は、「やすらぎの郷」の創設者・加納英吉とも縁が深く、この施設は姫が老後を送る場所として作られたという側面もある。

戦前、だいぶ年上の千坂浩二監督と人ならぬ恋に落ちたという姫。一回り以上年上で、バツ2の谷口千吉監督と結婚した八千草自身を思わせる設定だ。

老人たちのドタバタに加わることは少なかったものの、「ナスの呪い揚げ」など上品ながら毒のある印象的なシーンも多かった。

「やすらぎの郷」終盤で姫は、脳にまでがんが回って死んでいく。その時にはこんなナレーションが流れていた。

「九条摂子という類い稀な天使は、その美しさと清純さをもって、人々の心を浄化してきた。彼女こそ心の洗濯屋だった。神がこの世に送り込んだ、天使のような洗濯屋だった」

菊村栄(石坂浩二)にとって憧れの存在だった姫。これはそのまま、倉本聰から八千草薫へ贈る気持ちだったのだろう。

倉本聰は、今作「やすらぎの刻~道」をはじめるに当たっての懸念材料は「前作で九条摂子を殺してしまったこと」と語っていた。

八千草薫がいない「やすらぎ」はあり得ないということで、苦肉の策でひねり出したのが、菊村の脳内ドラマである「道」パートだ。これならば、死んだ人が再び登場しても問題がない。

……ということで、八千草は「道」パートの主人公・根来しのの晩年を演じる予定となっていたのだが、放送開始前に、体調不良により降板することが伝えられた。

それでも倉本は諦めきれなかったのか、「あの世からやって来た霊」ということでチョコチョコと九条摂子が登場。「ナスの呪い揚げ」も披露していた。

登場シーンでは元気そうで、体調が回復次第、しの役に復帰するんじゃないかと予想していたのだが……。

そんな、八千草が主演として登場するはずだった「道」パート・平成編がスタートするタイミングで飛び込んできた訃報には本当に驚かされた。

しょっちゅう菊村の父(梅宮辰夫)があの世からやって来ているように、現世とあの世がシームレスになっている本作だけに、またフラッと九条摂子が登場してくるような気になってしまう(今月6日に、八千草の未公開登場シーンの放送があるようだ)。


ついに「やすらぎ」に吉岡秀隆登場
ドラマ本編では、再びシナリオ執筆に取りかかった菊村が、昭和の終戦直後から平成元年まで一気に時を進める。

もっと昭和編を見たかったのに……と思いつつ、時間経過を表現する演出が衝撃的すぎて意識を奪われた。

コスプレをした出演者たちが、その昭和~平成のヒット曲に合わせて登場。中でも印象的だったのは、竹の子族の格好をして「ジンギスカン」を踊り狂う有坂エリ(板谷由夏)と、「HERO」に合わせてスケバンのコスプレで登場したマヤ(加賀まりこ)とお嬢(浅丘ルリ子)。

「HERO」は別に不良の歌じゃないだろうとは思うが、ドラマ「スクール・ウォーズ」のイメージなんだろうな……いや、「スクール・ウォーズ」だってスケバンの話じゃないぞ!

あれだけショッキングな映像を延々見せられた後だと、根来公平役の風間俊介が橋爪功に、しの役の清野菜名が風吹ジュンへと一気に成長してもまったく気にならない!? 視聴者に違和感を抱かせない、巧みな演出だ。

平成編は、プリンセスプリンセスの「ダイアモンド」と共にスタート。あんなにみすぼらしい戦時中の僻地で暮らしていた根来家が、一気に平成元年のバブリーな東京に!

公平としのがはじめて関係を持った夜「種芋のように」一発で着床して誕生した子ども・竜が駿河太郎に。さらに三男・健(青柳信孝)まで登場。誰だ、こんな人、知らない!

兄・三平の遺児である剛が登場していないのも気になるところ。山梨で公平たちと同居しているという設定なのだろうか?

予告編では「やすらぎの刻」パートに「北の国から」のジュンくん・吉岡秀隆が登場することも明かされていた。倉本聰と吉岡秀隆のタッグ……遂に出してきたかという隠し球だ。

ドラマ後半に突入した「やすらぎの刻~道」だが、ますますスゴイ展開が待っていそうだ。
(イラスト・文/北村ヂン)

【配信サイト】
・Tver

『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)
作: 倉本聰
演出:藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
主題歌: 中島みゆき「進化樹」「離郷の歌」「慕情」
音楽:島健
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日

【配信サイト】
・Tver

『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)
作: 倉本聰
演出:藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
主題歌: 中島みゆき「進化樹」「離郷の歌」「慕情」
音楽:島健
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日

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