スマートウォッチ、読者の皆さんは使ってますか? しばらく前であれば、一部のギークなユーザーくらいしかはめていなかったのに、最近はApple Watchの普及のおかげもあってか、愛用している人が増えてきましたよね。それに伴って、いろいろなモデルで盛り上がってもいるようで、なかには超高級路線で攻めてるものもあります。そんなハイエンドモデルでも最先端をいきそうな、GarminのFenixシリーズのうち、最新モデルの「Garmin Fenix 6X Pro Solar Edition(以下Pro Solar)」のレビューを、今回はお届けしてみましょう。
Garmin Fenix 6X Pro Solar Edition Image: Victoria Song/Gizmodo US これはなに?:ソーラーパワーディスプレイを搭載するパワフル性能フィットネススマートウォッチ
Image: Victoria Song/Gizmodo US これはスマートウォッチのモンスターです。とにかく多機能で、でもデカすぎて、女性の腕になんてはめられたもんじゃありません(編注:レビュワーは女性です)。そもそも工業用製品かって雰囲気のデザインに、ありとあらゆるセンサを詰め込んでいます。一般的な加速度計、心拍数センサ、ジャイロスコープに加え、GPSとGLONASSの測位システム、気圧計から方位磁針、温度計まで、もうなんでもあり。おまけに、最高2000曲を携帯できるストレージと、NFCチップでキャッシュレス決済さえ可能。10気圧防水性能まで備わってますよ。えっと、5気圧防水でも、スマートウォッチにすれば十分かとは思うんですけど、50mの水圧では物足りず、100mの水圧にまで耐えられます。そして、Pro Solarという名前の通り、太陽光でバッテリー寿命を延ばせるようにもなっていますよ!
Image: Victoria Song/Gizmodo US ついでに操作性も悪かったです。屋外の太陽光の下では見やすいのですが、意外にも屋内ではバックライトをオンにしても見づらかったですね。なによりもタッチスクリーンではないのがつらかったですよ。Pro Solarのメニューは、5個のボタンで操作していくのですが、各ボタンの機能を覚えていなければなりません。確かに4個のボタンには、小さな説明のラベルが表示されていますけど、これをスムーズに読み取れる人なんていないでしょう。
もちろん、Pro Solarの優れているポイントだってあります。ただどこまで価格に見合っているかまでは疑問が残りますけど。まず、バッテリーの持ちは抜群です。箱から取り出し、最初に100%まで充電した後、実は1度もまだ充電していません。それでも、あと11日は充電せずに使い続けられると表示されています。Garminによれば、Pro Solarは、フル充電から最長21日間の連続使用が可能で、もし5万ルクス以上の照度にて、屋外で毎日3時間過ごせば、このバッテリー寿命が、さらに3日延びるとされていますよ! つまり、21日が24日に延びるわけですけど、バッテリー寿命が2日から5日に延びると聞かされるほどの感動はないかもしれません。それにしても、このソーラーパワーディスプレイからの給電性能ですけど、現代人でデスクワークを中心とする生活を送っている人には、かなりハードルが高いのでは? Apple Watchは、毎晩必ず充電しなければいけません。でも、それが楽しいと思える人もいるでしょう。Fitbit Versa 2なら、充電は1週間に1度でいいですけど。 Image: Victoria Song/Gizmodo US
測定精度が高いのはいいんだけど…
Pro Solarは、測定精度の高さも優れています。Apple Watch Series 5とPro Solarの歩数カウントの差は、毎日500歩以内に収まりました。GPSを用いたランニング測定でも、30分のランニングで、スマホの測定距離は2.64マイルだったのに対し、Apple Watchは2.71マイル、Pro Solarは2.77マイルでした。ペース配分で見るならば、スマホでは1マイルを11分52秒で、Pro Solarでは11分25秒で、Apple Watchでは11分39秒で走っていたと表示されましたよ。次に実際の走行距離で調べるならば、1.85マイルちょうどを走りきったとき、Pro Solarでは1.83マイルと表示されたのに対し、Apple Watchでは1.9マイルと表示されていました。ときどきPro Solarのディスプレイ上で変な数値が表示されましたけど、後ほどアプリでチェックすると、そのような乱れはありませんでしたね。Pro Solarの心拍数の測定値は、ほぼApple Watchと同じで、胸ストラップ型心拍センサの「Polar H10」と比較しても、1分間あたりの心拍数で5~10の差しかありませんでした。一般的にいって、0.1マイルの誤差は十分に許容されるレベルで、Pro Solarの測定値が間違っていたことは、ほとんどなかったと考えてもよいでしょう。
Image: Victoria Song/Gizmodo US もし工業用製品に見えなくもないダサいデザインや、あまり使いものにならないソーラーパワーディスプレイに魅力を感じられないのであれば、Pro Solarはおすすめできません。Fenixシリーズは、Garminのスマートウォッチのハイエンドモデルですけど、最近は安いながらも使えるスマートウォッチやフィットネストラッカーが、続々と市場に登場してきているので、その豊富でプレミアムな測定センサの数々が、どこまで魅力になるかは疑問になってきましたね。きっとPro Solarがフィットするのは、毎日のように海の奥深くへ潜り、自転車で20マイル(約32km)を走り、さらに10マイル(約16km)をランニングで走りきり、そのうえ人里離れた山を登りに行くみたいな人くらいなのでは?