Garminの高級スマートウォッチ「Fenix 6X Pro Solar Edition」レビュー:毎日野山を駆けまわってる人向け。私には使いこなせない

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

10万円超の価値あるのか…?

スマートウォッチ、読者の皆さんは使ってますか? しばらく前であれば、一部のギークなユーザーくらいしかはめていなかったのに、最近はApple Watchの普及のおかげもあってか、愛用している人が増えてきましたよね。それに伴って、いろいろなモデルで盛り上がってもいるようで、なかには超高級路線で攻めてるものもあります。そんなハイエンドモデルでも最先端をいきそうな、GarminのFenixシリーズのうち、最新モデルの「Garmin Fenix 6X Pro Solar Edition(以下Pro Solar)」のレビューを、今回はお届けしてみましょう。

Garmin Fenix 6X Pro Solar Edition
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Image: Victoria Song/Gizmodo US

これはなに?:ソーラーパワーディスプレイを搭載するパワフル性能フィットネススマートウォッチ

価格:1000ドル

好きなところ:21日もバッテリーがもつ、高精度な測定機能

好きじゃないところ:ダサいデザイン、はめ心地が悪い、1000ドルもする

ほとんどのスマートウォッチが目指すユーザー層は、なんとか運動しなきゃって願ってる人に、自然とエクササイズを促すためだったりするようです。でも、皆が皆、運動嫌いな人ばかりではありません。もうなかにはフィットネス狂じゃないかって思える人さえいるんです。あらゆる測定機能を駆使し、ジムでムキムキの筋肉をさらに鍛えまくっては、周囲を出し抜いちゃってるような人。週末どれほど凄まじい運動をしまくって、自らを鍛え上げたかを、週明けに会社で自慢してくるような人。運動が苦手な人にとっては、とてもついていけないなって気持ちにさせられます。でもきっと、Pro Solarは、こういうヘビーなエクササイズ好きに、うってつけのスマートウォッチなんでしょうね。

機能満載すぎて使いこなせない

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

これはスマートウォッチのモンスターです。とにかく多機能で、でもデカすぎて、女性の腕になんてはめられたもんじゃありません(編注:レビュワーは女性です)。そもそも工業用製品かって雰囲気のデザインに、ありとあらゆるセンサを詰め込んでいます。一般的な加速度計、心拍数センサ、ジャイロスコープに加え、GPSとGLONASSの測位システム、気圧計から方位磁針、温度計まで、もうなんでもあり。おまけに、最高2000曲を携帯できるストレージと、NFCチップでキャッシュレス決済さえ可能。10気圧防水性能まで備わってますよ。えっと、5気圧防水でも、スマートウォッチにすれば十分かとは思うんですけど、50mの水圧では物足りず、100mの水圧にまで耐えられます。そして、Pro Solarという名前の通り、太陽光でバッテリー寿命を延ばせるようにもなっていますよ!

いろんな機能をリストアップしてみましたが、これはほんの一部に過ぎず、すべて挙げたら、トンでもない文章が続いていくことになります。要は、とにかく豊富な機能満載というわけですね。歩数にカロリー燃焼量、運動での移動階数などなど、あらゆるフィットネストラッカーで表示される基本測定は、まんべんなく網羅されてて、ついでにゴルフやスキー場のマップなんかもダウンロードできてしまうみたいです。Pro Solarというネーミングに恥じない、太陽の光を浴びて行なう、ありとあらゆるアクティビティを、このスマートウォッチでカバーできないものなどないって勢いでしょうか? ただ、2週間ほど使ってみた感想は、よほどのアスリートであっても、これは使いこなせないんじゃないかなって~。

ゴツすぎてつけてるのがつらい


というのも、どう考えても、これを日常的にはめるシーンなんて考えられないからです。とにかくゴツいデザイン。必ずジャケットの袖口に引っかかり、手には型が残って、キーボードをタイプするのにも邪魔で仕方ありません。実はこのレビューを書く間もはめていたのですが、途中でキータイプの邪魔になるので外さざるを得ませんでした。たとえファッションに興味がなく、とにかくはめることに抵抗はないとしても、これで正装は無理でしょう? コートかブレザーの下にでも隠さない限りはね。男性がはめるにしても、カフスボタンが引っかかって、やはり苦労しそうですよね?

それは運動中や睡眠中も同じです。ヨガのクラスにはめて行ったら、いろんなポーズで手が痛いこと痛いこと。3.6マイル(約6km)の山登りに出かけると、何度もジャケットの袖に引っかかりました。あと、こういう格好ではめても、せっかくのソーラーパワーディスプレイには意味がないかな? さらに苦痛だったのは、睡眠トラッカーとしての機能で、がんばって日中ははめれても、夜寝るときまではめていたくはないですね。それでもレビューのためにがんばりました。いつも使っている「Fitbit Versa 2」と同じくらい精度は高かったものの、寝つきが悪くなってしまいましたよ。ここまで睡眠の快適さを奪うウェアラブルって、なかなかほかにないのでは?

そもそも使いにくい

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ついでに操作性も悪かったです。屋外の太陽光の下では見やすいのですが、意外にも屋内ではバックライトをオンにしても見づらかったですね。なによりもタッチスクリーンではないのがつらかったですよ。Pro Solarのメニューは、5個のボタンで操作していくのですが、各ボタンの機能を覚えていなければなりません。確かに4個のボタンには、小さな説明のラベルが表示されていますけど、これをスムーズに読み取れる人なんていないでしょう。

運動が終わってからも大変です。使い始めて2週間になりますが、いまだにどのボタンが記録の停止、保存、削除に使え、一時停止や再開はどのボタンなのか、まったく覚えられません。もちろん、これはPro Solarだけではなく、すべてのGarminおよびPolarブランドのハイエンドスマートウォッチには共通の悩みですけど。記録されたデータを見たり、スマートウォッチの設定そのものを進めたりも、かなりの労力を要します。最近では、タッチスクリーンのメニューをスワイプし、シングルボタンで使えるスマートウォッチやフィットネストラッカーがほとんどなので、これは残念なポイントでしょうかね…。

バッテリー持ちは最長21日


もちろん、Pro Solarの優れているポイントだってあります。ただどこまで価格に見合っているかまでは疑問が残りますけど。まず、バッテリーの持ちは抜群です。箱から取り出し、最初に100%まで充電した後、実は1度もまだ充電していません。それでも、あと11日は充電せずに使い続けられると表示されています。Garminによれば、Pro Solarは、フル充電から最長21日間の連続使用が可能で、もし5万ルクス以上の照度にて、屋外で毎日3時間過ごせば、このバッテリー寿命が、さらに3日延びるとされていますよ! つまり、21日が24日に延びるわけですけど、バッテリー寿命が2日から5日に延びると聞かされるほどの感動はないかもしれません。それにしても、このソーラーパワーディスプレイからの給電性能ですけど、現代人でデスクワークを中心とする生活を送っている人には、かなりハードルが高いのでは? Apple Watchは、毎晩必ず充電しなければいけません。でも、それが楽しいと思える人もいるでしょう。Fitbit Versa 2なら、充電は1週間に1度でいいですけど。
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測定精度が高いのはいいんだけど…


Pro Solarは、測定精度の高さも優れています。Apple Watch Series 5とPro Solarの歩数カウントの差は、毎日500歩以内に収まりました。GPSを用いたランニング測定でも、30分のランニングで、スマホの測定距離は2.64マイルだったのに対し、Apple Watchは2.71マイル、Pro Solarは2.77マイルでした。ペース配分で見るならば、スマホでは1マイルを11分52秒で、Pro Solarでは11分25秒で、Apple Watchでは11分39秒で走っていたと表示されましたよ。次に実際の走行距離で調べるならば、1.85マイルちょうどを走りきったとき、Pro Solarでは1.83マイルと表示されたのに対し、Apple Watchでは1.9マイルと表示されていました。ときどきPro Solarのディスプレイ上で変な数値が表示されましたけど、後ほどアプリでチェックすると、そのような乱れはありませんでしたね。Pro Solarの心拍数の測定値は、ほぼApple Watchと同じで、胸ストラップ型心拍センサの「Polar H10」と比較しても、1分間あたりの心拍数で5~10の差しかありませんでした。一般的にいって、0.1マイルの誤差は十分に許容されるレベルで、Pro Solarの測定値が間違っていたことは、ほとんどなかったと考えてもよいでしょう。

豊富なデータを分かりやすく表示してほしい


とはいえ、ここまで豊富に測定データがあると、それは逆にどうなのかなって? コンパニオンアプリの「Garmin Connect」をチェックすると、もうどんだけって量の測定データが、一斉に表示されるのですが、そのどれがなにを意味しているのか、十分には把握できませんでした。Appleは、iOS 13アプリの「Activity」および「Health」で、90日間のトレンドを見やすく分析表示してくれます。でも、Pro Solarで集めたデータは、全体的に運動量がアップしているのか、ダウンしているのかを確かめるくらいしか、素人には難しいかもしれませんよね? Garminの製品は、改良を重ねてはきていますけど、まだアプリのグラフやチャート表示の分野で改善の余地がありそうです。「Polar Flow」のアプリのほうが、豊富なデータを分かりやすく表示してくれているように思えましたね。

フィットネスガチ勢なら、という感じ

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Image: Victoria Song/Gizmodo US

もし工業用製品に見えなくもないダサいデザインや、あまり使いものにならないソーラーパワーディスプレイに魅力を感じられないのであれば、Pro Solarはおすすめできません。Fenixシリーズは、Garminのスマートウォッチのハイエンドモデルですけど、最近は安いながらも使えるスマートウォッチやフィットネストラッカーが、続々と市場に登場してきているので、その豊富でプレミアムな測定センサの数々が、どこまで魅力になるかは疑問になってきましたね。きっとPro Solarがフィットするのは、毎日のように海の奥深くへ潜り、自転車で20マイル(約32km)を走り、さらに10マイル(約16km)をランニングで走りきり、そのうえ人里離れた山を登りに行くみたいな人くらいなのでは?

よほどのアスリートでも、スマートウォッチの「Fitbit Ionic」やミドルレンジのPolarシリーズ、Garminのローエンドモデルで十分でしょう。あるいは、ほぼ同じ使い方をApple Watchでも可能では? ただし、毎日充電しなければいけませんけどね。でも、ここまで高くはなく、デザイン的には優れています。ということは、Pro Solarの目指すところって~?

まとめ


・Pro Solarは、パワフル性能のスマートウォッチです。ほぼなんでも測定可能です。

・バッテリー寿命は、驚くべきことに21日ももちます。ソーラーパワーディスプレイを使いこなせれば、さらに追加で3日ももちます。

・通常の使い方だと、ソーラーパワーディスプレイで3日もバッテリー寿命は延びません。

・1000ドルは、たとえ測定の精度がよくとも高すぎです。

・見た目は悪く、はめ心地もよくありません。ボタンでの操作性もよくはありません。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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