「子供を大学に行かせたかった」母親、学費稼ぎのドラッグ取引で11年の禁固刑(米)

アメリカの4年制大学の学費は最低でも年間200万円、名門大学では年間600万円は下らない。『Student Loan Hero』によると、アメリカの2018年卒業生の1人あたりのローン債務の平均は約323万円(2万9800ドル)にものぼり、大学を卒業しても借金を抱えて社会に出ていかねばならない教育システムは近年大きな社会問題となっている。このたびオハイオ州で、5人の子供を持つ母親が「子供を大学に行かせたい」とドラッグの取引に手を染め、禁固11年を言い渡された。

オハイオ州ガーンジー郡キンボルトン在住のジャネット・ガートナー(Janet Gartner、41)は、同居する恋人ニコラス・ベアー(Nicholas Bair、40)と一緒に同州リッキング郡で覚せい剤の一種である「メタンフェタミン(メス)」の売買に関わっていたとして今月21日、禁固11年が言い渡された。

2人は同州のドラッグ取締まり部隊によるおとり捜査で、約453グラム(1ポンド)のメスを約70万円(6500ドル)で2度にわたり販売し、今年4月に現行犯逮捕されていた。またその後の捜査で、ジャネットが所有する農場内の自宅から、現金約1740万円(16万ドル)、車2台、四輪バギー4台、銃3丁のほか、少なくとも約2.3キロ(5ポンド)のメス、約22.7キロ(50ポンド)のマリファナ、大麻リキッド吸引用ヴェポライザー数百個、コカイン、マジックマッシュルームなどが押収された。

弁護士のコール・チャーチル氏(Nicole Churchill)は裁判で、ジャネットのことを次のように述べた。

「ジャネットは数年前まで夫から虐待を受けていました。その状況からやっと抜け出し、5人の子供たちや自分を理解してくれるパートナーに出会い、家政婦として必死に働いてきたようです。この事件は私の7年のキャリアの中でも非常に稀なケースで、ジャネットはメスを売るだけで実際に使用したことは一度もありませんでした。彼女は農場を購入し、子供の1人を大学に行かせたいという一心でメスの取引を行い、必要額を手に入れたら足を洗い、再び家政婦として働くつもりでいたようです。」

しかしマーク・フリーグル裁判官は、ドラッグ取引はリッキング郡で過去に類を見ないほどの大掛かりなものであるしたうえで「ドラッグは人生を狂わせ、時に人を死に至らせるものだ。どんな理由があるにせよ、ドラッグの取引に関わった者はしっかりと罰を受けなければならない。一度足を洗っても、お金が無くなればまたドラッグの取引を始めることは十分考えられる」と語り、ジャネットに禁固11年、罰金約109万円(1万ドル)の支払いを言い渡した。ジャネットには11月に司法取引が行われる予定だという。

ちなみに2017年には、ドラッグにおぼれ路上生活をしていた女性が、ハーバード大学のエクステンションコース(夜間・通信教育講座などの特別コース)を卒業している。「落ちるところまで落ちた」という女性は一日のゴールを決め、少しずつ目指すゴールを高くして夢を実現したそうだ。ジャネットもしっかり罪と向き合い、子供たちのためにも立ち直って欲しいものだ。

また学生ローンといえば今年5月、ジョージア州アトランタの私立モアハウス大学の卒業式で、ビリオネアが11億円超えの学生ローンの肩代わりを約束している。「教育の機会均等」を叫びながら貧困家庭出身の学生には高いハードルとなっている米大学の借金問題には、早急な対策が求められるだろう。

画像は『Fox News 2019年10月23日付「Ohio mom who says she sold meth to put kid through college is sentenced」(Handout)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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