「行動できないなら移動しよう」が有効なワケとは?

日刊SPA!

2019/10/21 15:50

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第127回

行動力の正体は移動力だ。ワンピースも水戸黄門も、最初は移動から始まる。移動した先で善人や悪人、強者や弱者と出会い、その場所で自分がやるべきこと見つけて実行する。これは現実でも変わらない。

移動すると、その先で色々な人と出会い、色々な考えに触れることになる。「自分と似ているな」と感じる人もいれば、「自分と違うな」と感じる人もいるだろう。しかし、どちらにせよ自分について振り返り、それが自分の役割や仕事について考える機会になる。

私はもともと新潟の田舎でフリーターをしていた。それが仲間と「ビジネスを立ち上げよう」という話になり、「古町」という新潟の中心地に事務所を持ったら、ニコニコ動画で公式チャンネルを持つことになった。

さらにオンラインサロンを始めて新潟から東京に引っ越し、オフ会のために隔月で大阪に行くようになったら、書籍を出版することになった。このように「移動距離」と「仕事の質や量」は比例するものだ。

オンラインサロンを始めた時、集まったメンバーは6人だった。たった6人だったが、だからこそ彼らの人生を変えようと心に決めた。始めたばかりの頃はまだ新潟に住んでいたので、毎月東京や京都に行って、彼らと直接会って話していた。

そんな彼らとのやりとりが、人がどんなことで悩み、どうすればその悩みが解消できるのかを教えてくれた。それは家で一人で考えたり、ネットや書籍で知識を集めるだけではわからなかったことだ。人は人と接した時に、はじめて人間の本質を知ることができる。

なぜなら、その本質とは「生の感情」だからだ。人が何に喜び、何に悲しんでいるのか。そうした感情に触れることに比べれば、「こうすればうまくいく」という理屈は枝葉末節の問題にすぎない。

行動するには理由がいる。その行動の理由になるような、心を揺さぶられた体験を「原風景」という。原風景がなければ、たとえ理屈の上では良いことだとわかっていても、行動には移れない。「やるといいのはわかっているんだけどね……」で終わってしまう。

そして、この原風景は一人で思い出そうとしても思い出せない。誰かと会って話をしている時に、「そういえば自分にも同じことがあった」という共感の形で、よみがえってくるものだ。だからこそ、誰かと接するための移動が欠かせないのだ。

ところが、人は本能的に移動や人と接することを避け、ラクをしようとする。ユーチューブで動画を見て過ごしたり、SNSで連絡を済ませるのは、その典型だ。そうした生活に浸ってしまうと、人と接する機会が減り、「自分とは何か?」がわからなくなる。

◆行動力不足に悩むのならば

もし行動力不足に悩んでいるのなら、その原因は移動不足だ。色々な所へ出かけて、色々な人と接して、自分について考える機会が不足している。そんな時は誰かに会いに行くために、どこかへ出かけてみてほしい。

オススメは自分が尊敬している人物のトークイベントや、ミュージシャンのライブだ。どちらも共感しやすく、行動の理由になるような原風景をよみがえりやすい。またアーティストの人間性に触れられる美術展などもいいだろう。

「考えるのはムダ。とにかく行動あるのみ」というアドバイスがある。しかし、行動できない人に、「行動した方がいい」とアドバイスして、行動できるようになるなら、教える方も教わる方も苦労しない。

行動できないのは、自分がどんな行動をしたらいいか、わからないからだ。それなのに、その理由について考えることを禁止したら、行動することも考えることもできなくなってしまう。その葛藤に苛まれている人は多いだろう。

「行動力は移動力」という提案は、その状態から抜け出すためのアドバイスだ。そもそも「こういう人のために、自分はこういう行動をする」と決められるのは、自己啓発でもかなり後半の段階だ。行動できない自分を責める必要はない。必要なのは「自分はこれをやろう」と言えるものが見つかるまで、移動を続けることだ。

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

【佐々木】

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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