スフィア10周年記念ツアー開幕、中野公演ライブレポート


●10周年記念アルバムを引っさげ、約2年ぶりのツアーがスタート
寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生によるユニット・スフィアの「LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live tour 2019 "A10tion!"」が2019年9月15日、東京・中野サンプラザにて開催された。

音楽活動の充電期間を挟み、新たな幕開けとなったファン待望のワンマンツアーを9月7~8日、大阪・オリックス劇場にてスタートさせたスフィア。ここでは3公演目となる東京公演の模様をお届けする。

ステージ中央のセットから4人が登場すると、今年5月に発売された10周年記念アルバム『10s』を引っさげてのワンマンツアーということで、アルバムリード曲「Music Power→!!!!」でオープニングを飾った。スフィアのこれまでとこれからを歌ったその楽曲からはもちろん、彼女たちの佇まいと表情からも10年間の確かな軌跡が感じられ、まさに1曲目にふさわしい選曲だ。2曲目には、発売から今年2月の充電明け初ライブまで毎公演セットリスト入りしていた盛り上がり必至の楽曲「Miracle shooter」を元気いっぱいに歌い、会場のボルテージも急上昇。続けて4人それぞれにフォーカスした楽曲を披露していく。

筆頭の「My Sweet Words」は寿にフォーカスしたデジロック。高垣にフォーカスした「パルタージュ」では優雅なピアノとストリングスが鳴り、豊崎にフォーカスした「SPOTLIGHT」はナチュラルでやわらかなサウンド、戸松にフォーカスした「CITRUS*FLAG」は弾けるようなブラスに掛け声も盛りだくさん……と曲調の全く異なる4曲だが、グッズのCITRUS*FLAGやSPOTLIGHT ミニブレードも使いながら、この4人だからこその見事な調和を見せつけた。

ここで最初のMCパート。東京での公演は、同じく中野サンプラザで2017年9月に行われた「LAWSON presents Sphere live tour 2017 “We are SPHERE!!!!”」ぶりとのことだ。一人ずつ挨拶をしていき、ひたすらキャピキャピする"いちごミルクモード"でのトークへ若干脱線しつつ、最後はしっかり「そんな私たち、スフィアです!」と揃えた。

そしてベース・平本陽一郎、ドラム・外薗雄一、キーボード・籠島裕昌、ギター&バンマス・平井武士というスフィアライブではおなじみの顔ぶれを紹介すると、「私たちのハーモニーを楽しんでいただけたら」(豊崎)という一言から、『10s』新曲の「When You Feel Love?」を歌い出す。4人それぞれが誰とも重ならない旋律を担当しており、客席からのクラップを浴びながら、心躍るハーモニーを奏でた。

4人がステージから捌けると、バンドメンバーによって「Heart to Heart」をアレンジした演奏が行われ、ここからはソロコーナーが始まる。

星が輝くネイビーのワンピース衣装でステージに顔を出した豊崎は、自身の3rdアルバムから「一千年の散歩中」という意外なチョイス。シンプルなバンドサウンドと優しい歌声で包み込み、歌い終えると「どうもありがとう」と一礼。戸松は大きなリボンのあしらわれたミニ丈ワンピースで登場し、「オレンジレボリューション」で会場をにぎやかに彩る。ファンと一緒に踊りながら、"伝説の鳥"になったり元気よくピースしたりと、戸松らしい盛り上がりを見せた。

次のメンバーは……と待ち構えていると、ここで堀江由衣による音雨航空0915便の機内アナウンスが。朗読劇「音雨エアライン 時空の旅」の始まりだ。過去のライブの舞台裏で起こっていたというとんでもない出来事が面白おかしく描かれる芝居パート。今回は初めてスフィアの脚本を担当する岩崎う大(かもめんたる)によるシナリオで、行き先は、2011年9月18日に行われたスフィア初の代々木第一体育館でのライブ「スフィアライブ2011 Athletic Harmonies -クライマックスステージ-」。「時空の旅をごゆっくりお楽しみください」というアナウンスのあと、なんと4人が「スフィア LIVE 2010 sphere ON LOVE, ON 日本武道館」で着用していた真っ赤な衣装で登場する。クライマックスステージの開演1時間前、楽屋でマルモリダンスを踊っていた戸松が突如行方不明に、というトラブルから朗読は始まった。

劇中歌には、当時の1曲目に歌われた「クライマックスホイッスル」を披露。この赤い衣装は「クライマックスホイッスル」を初披露したときの思い出の衣装でもあり、ファンも大興奮。4人の振り付けを真似しながら、思いっきり楽しんだ。

「このあとはより一層お盛り上がりくださいませ」とのアナウンスでソロコーナーが再開し、寿が「中野まだまだ行くよー!」と煽りながら現れる。パンクロックの「Bubblicious」を力強いボーカルで聴かせ、先ほどのアナウンス通り、会場はより一層盛り上がる。ソロコーナーのラストは、高垣が畳み掛けるように「Lasting Song」を歌う。心揺さぶられるロックナンバーだ。ワンショルダーのブラックスタイルの衣装も相まって凛々しく決まった。

●ファンからのパワーを繋げ、10月のファイナル公演へ
ゆったりとしたピアノ演奏から続けて、ゴールドのエポレットにロングスリーブ、ロングスカートと、これまでの衣装では見られなかったミリタリー調のドレスに身を包んだ4人が順に登場すると、最新シングルの「best friends」を語りかけるように歌い上げる。そこから「Absolute Pride」で空気を一転させて、声優ユニットのパイオニアとしての確固たるプライドを掲げる。ランティス祭りでJAM Projectとともに初披露した「鋼のVictress with JAM Project」。今回初めてスフィアだけでの歌唱となったが、張り合うように魂を響かせ、力強さと気高いオーラを放っていた。

MCでここまでのセットリストと朗読劇を振り返ると、次に歌う楽曲をルーレットで決めるバラエティコーナーへ。豊崎の「ルーレット、カモン!」の声でルーレットが登場するかと思いきや、スフィアバンドによる「Happy Birthday to You」の演奏が始まった。28歳の誕生日(9月17日)を2日後に控える寿へのバースデーサプライズだ。

ファンの持つペンライトをろうそくに見立て、端から吹き消していく寿。スフィアは彼女が20歳の誕生日を迎えた2011年以降、毎年9月にワンマンライブを行うことが多く、そのたびにメンバーとファンで寿の誕生日をサプライズでお祝いしてきたが、戸松から花束を受け取ると「本当に聞いてなかったからびっくりした」と驚きの表情を見せた。今回も「はい、チーズケーキー!」と寿の好きなケーキを合図に記念撮影し、「遊びを持つ」と豊富を語ったところで、本物のルーレットが登場。的にはそれぞれの歌いたい楽曲が書かれており、ここで当てた曲を次に歌うこととなる。

「Neo Eden」(寿)、「君の空が晴れるまで」(高垣)、「Sticking Places」(戸松)、「キミが太陽」(豊崎)、かなり細めの青いエリア、と5つのエリアがあり、青いエリアに当たればそのときどきの願い=今回は「みんなで下田に行く」が叶う。大阪公演では2回とも「Neo Eden」だったということで、この日の狙いは下田行き。寿が下田コールを浴びながら弓を引き……、射止めたのは「キミが太陽」。あと数センチで下田と惜しい結果だったが、こちらも人気曲ということで歓声が上がる。

曲がスタートすると、メンバーはジャケットを素早く脱ぎ、各イメージカラーを取り入れたスポーティで爽やかな装いに早着替え。ファンにとっての太陽であるスフィア。しかし彼女たちにとってもファンはかけがえのない存在である。お互いに「こころから、ありがと」という歌詞を全力で叫び、絆を確かめあった。

「ここからラストスパート! まだまだついてこられますか! 東京にたくさんあるのはすしざんまい! だけど、ここからはイカざんまーい!」と高垣が叫ぶと、イカダンスでおなじみ「HIGH POWERED」から「GO AHEAD!!」とライブの定番曲を連続で披露。そして最後は「皆さん、今日は本当にありがとうございました! 次で最後の曲になります、一緒に歌って!」(戸松)と、アルバム新曲の「Future Is Now!」を届け、本編ラストを明るく締めくくった。

アンコールでは、ツアーTシャツに着替えた4人が「Pl@net Spheres!!」のイントロとともに登場。結成当初から毎週配信しているラジオ番組のテーマソングで、ファンからフレーズを募集した歌詞を愉快に歌い踊った。間奏ではサインボールを客席に全力投球&ラケットで打ち込む場面も。

MCではグッズ紹介ののち、10月から放送がスタートするドラマ『劇団スフィア』、10月23日リリースの『sign』(『ウルトラマンタイガ』第2クールエンディングテーマ/『劇団スフィア』主題歌)を告知。高垣によるウルトラマン話でひと盛り上がりしたところで、最後に一人ずつ挨拶をしていく。

「今日で3公演目なんですけど、どんどん皆さんが仕上げてきてくれて。新曲が10曲もあるので初めてライブで聴くという方も多かったと思うんですけど、こうやってライブのステージで完成されていくものなんだと改めて感じさせてもらっています。まだ始まったばかりなので、あと6公演、ついてきてください!」(高垣)

「久しぶりのツアーということで、『みんな充電中にスフィアのこと忘れちゃったりしたんじゃないかな』『来てくれるかな』っていう不安が実は4人ともあったんですけど、今日こんなにたくさん集まってくれて、本当に嬉しかったです。ファイナルに向けて、今日みんなからいただいたパワーを繋げて熱いライブを展開していこうと思いますので、ぜひまた遊びにいらっしゃってください。スフィアはみんなから本当にパワーをもらっています。みんながいたから10周年を迎えることができました。本当にどうもありがとうございます。また会いましょう」(豊崎)

「ツアーって何公演もありますが、一つとして同じ内容になる公演はなくて、みんなで作り上げて初めて完成するものだなというのを毎公演感じます。中野サンプラザは思い入れのある会場なので、また帰ってこられてめちゃめちゃ嬉しいです。何度も言いますけど、10周年なのに10公演やらないんです。あと6公演、全力で走り抜けていきたいなと思います。夏はいつもライブで歌っている感覚があって、やっぱりライブがないとだめだなっていうか(笑)。またみんなと楽しい時間を過ごせますように! 今日は本当にありがとうございました!」(戸松)

寿はバースデーサプライズに触れ、「ほんとにびっくりして。感想言っていい? びっくりしすぎて、お腹すいちゃった(笑)。多分それまで緊張してた部分もあったんだろうね。キミが太陽を歌いながら、『ありがとう! でもお腹すいたー!』って(笑)。でも、そのあとも心を込めて歌わせてもらって、今は皆さんの笑顔と幸せでお腹がいっぱいになりました」と感謝を伝えた。

ラストナンバーは「LET・ME・DO!!」だ。寿、高垣はステージからの景色を記録するべくハンドヘルドカメラを片手に歌い、会場の全員でジャンプして締めると、バンドメンバーとともに「ありがとうございました!」と生の声を届ける。そして最後は寿が「ケーキ食べてきまーす!」と言って退場、スフィアらしいテンションで約2時間半の公演が終了した。

「LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live tour 2019 "A10tion!"」は今後、10月26日、27日に千葉・幕張メッセイベントホールで公演が行われる。

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