「Twitterでフォロワーを集められる人は2種類しかいない」プロ奢ラレヤー・中島太一

日刊SPA!

2019/10/12 08:50

コンテンツプロデューサー・高瀬敦也が様々な人を招き、コンテンツについて飲み屋でざっくばらんに語り合う不定期連載企画。2回目のゲストは、Twitterを通じて膨大な数の人に会い、日々「奢られる」活動をしているプロ奢ラレヤー・中島太一氏。何も実績がないところから、Twitterひとつで注目を集め、現在フォロワー数6万人を超える中島さん。2回目は、今の時代にフォロワーを集める人の「タイプ」の話から……。

コンテンツプロデューサー・高瀬敦也のコンテンツと〇〇 ゲスト/プロ奢ラレヤー・中島太一氏 第2回

◆フォロワーを集められる人は2種類!全知全能の神と、もう1つは……

中島:僕は日本でTwitterをやってますけど、なんであれ市場の特徴と、どこをハックするかという戦略があるじゃないですか。どういう地形で、どういう人材がいて、隣に誰がいて、まずどこを攻めたらいいかは、市場によって違う。日本は結構面白いと思っていて。希少性を許さない風潮があるから、ある種みんな同一化しやすい。テレビがいまだにすごいパワーがあるし。

高瀬:確かに、当てやすい。そもそも、マーケティングが存在してること自体がそういうことですもんね。

中島:そうですね。日本はマーケティングが効く。他の国でも効くと思うんですけど、日本ってわかりやすいじゃないですか。

高瀬:記号化しやすいですよね。

中島:そうそう。当たり前とか普通が通用してる。学校教育で教えられたことは、みんなそう思ってる。それが普通教、バイブルのようなものじゃないですか。

高瀬:なるほど。「〇〇男子」とか、「〇〇な女たち」とか、そういう言葉をつくる雑誌の編集者の人をみんなすごいなって思ってて。あれって、そもそも日本という国の特性があるから成立する仕事とも言えますよね。

中島:そうですよね。だから、ディープラーニングみたいなAIに一番侵食されやすい分野ですよね。やっていて思うんですが、Twitterの文化を把握するのは簡単。伸びてるツイートを見たら、大体覚えちゃいますよ。要は文法があるんですよね。日本語も、話す人によって文法が違う。Twitterも同じです。今はまとめサイトに伸びてるツイートがまとまってるから、それをバーって見たら、大体文法が認識できる。それを真似して出すだけで、Twitterの中で共感性のあるツイートができる。

高瀬:今の話を聞いていると、結局、感受性だと思いますね。そもそもそういう文章を見たり、世の中に出てるものを見ても、「これって、こうだよね」と感じるかどうかが全て。コンテンツに関する本を書いて、こういう話をする機会もあるんですけど、そこを感じない人も多い。

中島:なるほど。本でいうと、こんまりさんはなんで売れたんだろう、ということを日常的に考えるかっていう話ですよね。なんでこのツイートが伸びたんだろうと、ちゃんと考えないとそれはわからないわけです。単純に面白かったで終わると、先に進まない。なぜ面白いかを考える人には、データが溜まっていく。そこの違いですよね。

高瀬:そうですよね。好奇心の強さ。

中島:それを戦略的にやってる人か、単純に「なんで?」と思える人。子供は勝手に思うじゃないですか、「なんで?」って。大人になると成長しないのは、子供がオートマチックにやってることをしないから。これに気づけば、大人だって「なんで?」って考えたらいいわけで。

高瀬:「なんで?」って突き詰めると、矛盾してるケースって多いですよね。

中島:あー!そうですね。

高瀬:経営者の方から「こういう商品を作ろうと思ってるんだけど……」と相談されたりする時、「なんでですか?」って聞くと、そもそも論理が矛盾してるケースがあるんですよ。その中で突き詰めて行くと、別のすごい魅力的な答えが返ってきたりします。「そっちのほうが面白くないですか!?」みたいな。

中島:そういうこと、ありますよね!僕も悩み相談をされて「結局、何を悩んでるの?」って話をすると、「何悩んでたんでしょうね……」、みたいな答えが返ってくることがある(笑)。「なんか、よかったです!」って言って帰っていくんですよ。俺、何も言ってないけどみたいな(笑)。「なんで?」って言ってくれるマシーンが欲しいんだろうなと思います。

高瀬:なるほど。

中島:そう言ってくれる人が、その人にとって説得力のある人間だとさらによくて。それが宗教じゃないですか。インフルエンサーって、あれも宗教で。真ん中にいる象徴的な人は2パターンいるんです。「なんでも知ってるぞ」という神様と、「我、何も知らず」の神様。

メンタリストのDaiGoさんは前者。あの人は何でも知ってるすごい人だから情報を一杯もらおうと、人が集まる。あとは、ひろゆきさんとか、なぎ倒すパワーがある人。お二人は意図してやってるわけではないかもしれないけど、結果的にパワーがある。

僕は後者で、割と何も知らない。みんなの考えの範疇じゃないことを結構言うらしくて、そこに価値を感じて集まってくる。他人に興味がないというと語弊がありますけど、僕は他人がどう生きてくとか、死んでくとか、感じるとか、そういうことに興味はなくて、他人が興味があることに興味がある。僕は聖書を持ってないから、これが良い、悪いの判断ができないんだと思うんです。みんなは普通教のバイブルを信仰している。僕は聖書がないから。

◆「何に向いているのかわからない病」への処方箋

中島:自分をコンテンツにするのは流行ってるし、楽そうに見える。何もせずに収益が生まれてるようにも見えるし、みんなやるんですけど、自分をコンテンツにするっていう競技は、バスケみたいな感じなんですよ。サッカーだったら、背が低くても終わりではない。でも、バスケは身長200cmのやつと、150cmのやつでは戦えない。身長があるやつは、楽できる。200cmの人だったら、ポイってやったら入る。

高瀬:じゃあ、そもそも今自分がバスケをやらされてるかどうかに気づくことが大事と。

中島:そうですね。僕の世代でも、自分でブログを書いたりYouTubeをやってみたけど、割に合わない、ってやめてく人は多いんですよ。それは正しくて。その人は周りの人を支えたり、他の人のコンテンツをサポートしてあげるとか、そういうほうが合ってたり、経験値が溜まるかもしれない。

僕のマネージャーがいい例です。今、東大生でやりたいっていうからやらせてるんですけど、僕のマネージャーってことでライティングの仕事が来たりする。チャンスが増える。この競技は、向いてないと遠すぎるんですよ、ゴールが。たまたま背が高くてバスケに向いてるやつに乗っかって、ゴールを決めていったほうがお得だよねって。それに気づくと、結構シュートが上手くなって、他の競技にも役立つ。

高瀬:あえて大衆的な質問をすると、自分が何に向いてるのかわからない、みたいな話になりやすいじゃないですか?

中島:はい。そもそも。

高瀬:バスケとサッカー、どっちが向いてるかわからないという。その質問に対する答えはないんだけど、もし聞かれたらなんて答えます?

中島:自分のことをわかるのって、結構、難易度高いですよね。それより市場を知ることが大事だという風に僕は思ってます。

高瀬:確かに!変わるしね。

中島:編集者の箕輪さんの話で面白かったのが、「音楽やってみて思ったけど、俺やっぱ編集得意だわ」っていうやつ(笑)。新しいことをして、今まで得意だと思っていたことがさらに得意だと思うか、これも得意かもって思うかは、プレーする中でわかっていくものだから。とりあえず何が得意かはおいといて、色んな市場・職業で、何が必要なのかをちゃんと理解する。

例えば、DJ社長みたいに若い人に人気のYouTuberをなんで売れてるんだろうって考えると、市場が見えてくる。それを自分でもできるかは、やってみないとわからない。

高瀬:今、すごいロジカルに説明してくれましたけど、それを言語的に理解できる人ってあんまりいないですよね。たぶん「とりあえず、やってみなはれ」だったり、「好きなこと見つけなさい」って意訳されちゃうんだろうけど。

中島:そうですね。ほとんどの人は後ろ盾がないと動けない。自分がいる環境における失敗みたいなものに勝手にビビって「やっぱ、やめた」って。会社をやめてブロガーになりましたとか、仮にそれでうまくいかなくても、日本って、そもそも死なないですからね。最強のセーフティネットがあるのに。アルバイトしてても死なないし。別に0か1かじゃなくても、会社で働きながら時間を作って何かやって、「いけるかも」って思った段階で移動すればいいんですけどね。

高瀬:僕もそう思いますね。

中島:それがいつになるかは、人によると思うんです。収益が月1万円でいける気がするのか、今と同じだけないと安心できないのか。ただ、市場で求められてるものは変わっていくので、そこを理解するのは大変ですね。コンテンツをつくる能力と、流れを読む能力は全く別なので。

僕はどっちかというと、流れを見るほうが強い。それも変な話、僕みたいな人間に会えるわけじゃないですか。会って教えてもらえばいい。そう考えたら、自分ができなくても、そういう人に協力してもらえればいい。

高瀬:確かに。みんな自分でやろうとし過ぎてるかもしれないね。もっと人の力を借りれば、っていうのはあるかも。僕もそうですけど、ほとんどボタン押してるもん。「これ、やりてえな」と思った時に、このボタンを押しとくと、あの人が動いてくれるなとか。ずるいんだけど。確かに今の話を聞いて思ったんですけど、もっと他人に任せればなんでもできるよ、っていうのはあるかもしれない。

中島:任せるのも難しいんですけどね。前提条件として、周りに人がいますかという話はあって。

高瀬:それは、そうですね。

中島:僕がなぜ前に出てやっていこうかと思ったかと言うと、人に助けてもらわないと生きていけない、それが重度だったから。このままだと死ぬなと思って。色んな人に助けてもらうしかない。じゃあ、僕が提供できるものは何か、と突き詰めていった結果こうなった。

高瀬:そこまで考えられることがすごいんだけどね。

~第3回へ続く~

高瀬敦也

株式会社ジェネレートワン代表取締役CEO。フジテレビのプロデューサーを経て独立。音声と写真のコンテンツプラットフォームアプリhearrの企画やマンガ原作・脚本制作、アイドルグループ、アパレルブランドのプロデュースを手掛けるなど、幅広いコンテンツプロデュース・コンサルティングを行っている。著書に『人がうごく コンテンツのつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)

中島太一

プロ奢ラレヤー。22歳。年収1000万円の奢られ屋。Twitterを介して出会った様々な人に「奢られる」という活動をし、わずか6か月でフォロワー2万人を獲得。現在、フォロワー6万人超。

<取材・文/高橋孝介 撮影/Coji Kanazawa 取材協力/AOYUZU恵比寿>

―[高瀬敦也のコンテンツと〇〇]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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