早期リタイアの実態、親にすすめるべき?


一般的な定年といえば、60代で迎えるもの。しかし、40~50代やそれよりも早いうちに仕事を辞める「早期リタイア」を実践している人もいます。働き盛りの忙しい社会人なら、時には「早く仕事を辞めて悠々自適に暮らしたい」と憧れることがあるかもしれません。実際のところ、早期リタイアとはどのようなものなのでしょうか。

○早期リタイアとは

早期リタイア(アーリーリタイア)とは、60歳の定年を待たずして仕事を辞めることです。中には、早期リタイアを目指して計画的に資産運用をし、20~30代のうちに仕事を退職する人もいるようです。生き方や働き方が多様化している昨今、「自分らしく自由に生きたい」と、早期リタイアに憧れる会社員は、少なくありません。

一般的に、早期リタイアとは「早期優遇退職制度」に基づき、定年前に退職金を受け取ってリタイア生活に入ることを指しています。いわゆる「希望退職」です。定年より早く退職して働くことによる収入がなくなるため、退職後の生活資金を多めに準備しておく、生活費のダウンサイジングをしておくなどの対策が必要となります。

一方、早期リタイアをして自由な生活を送りながらも、パートやアルバイト、自宅でできる作業など、それまでとは違う形で仕事をして収入を得る人もいます。このタイプの早期リタイアは、一般的には「セミリタイア」と呼ばれています。セミリタイアをすると、通常は収入が少なくなりますので、こちらも退職までにある程度、資金の準備や生活費の圧縮が必要になるでしょう。

なお、これらの他に「ミニリタイア」という形のリタイアもあります。これは、一年のうち半分は働き、もう半分は余暇や好きなことに時間を使うというものです。いつでも就業できる資格を持っている、季節によって忙しくなる仕事をしているなどといった人なら可能になるスタイルですが、早期リタイアの中でも特殊な例です。
○早期リタイアのメリット、デメリットと注意点

早く仕事を辞め、自由に過ごせる早期リタイア。とても楽しそうですが、早期リタイアにはメリットだけでなく、デメリットや注意したい点もあります。早期リタイアに興味があるなら、いずれも知っておきましょう。
○<メリット>

・時間を自由に使える
早期リタイアのメリットは何と言っても、時間を好きなように使える点です。会社勤めのうちは諦めざるを得なかった趣味や長期旅行などにも挑戦できますし、ストレスから解き放たれ、働いていた時よりも健康的になる人も多くいるようです。

・住む場所やライフスタイルを自由に決められる
勤めているうちは、会社に通える範囲に住む必要がありますが、退職後は好きな所に住めますし、満員電車で通勤することもなくなります。また、セミリタイアで週3日だけ働くなど、理想のライフスタイルに合わせた働き方もできるようになります。

・若いうちにやりたいことができる
時間ができるのを老後まで待つ必要がないため、体力があるうちにしかできない夢も実現することができます。早期リタイアをすることで、定年まで勤めていては叶わない人生を送れるかもしれません。
○<デメリットや注意点>

・生活が不安定になる
完全にリタイアして収入がなくなると、退職金や貯金を切り崩して生活することになります。早くに退職すると、その分無収入で生きる期間が長くなるため、時には将来が不安になるかもしれません。

・年金支給額が減る
早期リタイアすると、働いていた期間が短くなりますので、その分将来の年金支給額が少なくなります。そのため、早期リタイア後の生活資金のほか、老後資金も多めに用意しておかなければなりません。

・再就職が難しくなる
早期リタイアをしたものの、想定したより早く資金が減ってしまうという事態も考えられます。そこで再就職を考えようにも、年齢的に難しく、生活が破綻する危険性もあります。早期リタイアをするなら、生活費の管理をしっかり行う必要があります。

・やりがいが見出せないこともある
退職後に何がしたいのか、どのように生きたいのかというビジョンをしっかり思い描いておかないと、自由気ままな生活にやりがいが見出せなくなる恐れがあります。仕事をしているうちは人や社会とのつながりがあっても、退職した途端にそれらを失い、孤独感に苛まれる人も多いようです。
○早期リタイアという選択肢はありか、なしか?

では、早期リタイアは自分自身の将来の選択肢となり得るのでしょうか。また、特に20~30代の読者の中には、ご両親がリタイア世代に差しかかるという方も多いのでは。早期リタイアは、親に勧められるものなのでしょうか。

早期リタイアの成功は、何よりもまず「生活資金が確保できるかどうか」にかかっています。完全な早期リタイアにしてもセミリタイアにしても、生活費の工面に苦労するようでは、思い描いたリタイア生活とは程遠いものになりかねません。生活のために、リタイア前よりも労働時間が増える……なんてことになれば本末転倒ですので、リタイア前にしっかり計画しておきましょう。

必要な生活資金は、リタイアする年齢や家族構成、貯蓄額など人によって大きな差があります。配偶者や子どもがいたり、住宅ローンの支払いが残っていたりするなら、それなりの金額を準備しておく必要があるでしょう。

現在30代の方がすぐに早期リタイアをするのは、一般的には現実的とはいえません。仮に完全リタイアをする場合、ざっと計算しても、1億円以上は生活資金を貯めておかなければならないからです。しかし、生活コストを抑えたうえで、これまでとは違う形で収入を得ながらセミリタイアを目指すことは可能でしょう。今はパソコン一台でできる仕事もありますので、好きな時に働くというライフスタイルも夢ではありません。また、早期リタイアの目標を50代に設定し、コツコツと資金を貯めれば、実現の確率は高くなりそうです。

20~30代読者の親世代となる50代は、定年が少し先に見え、早期リタイアが最も現実味を帯びる年代です。ただし、それでも早く仕事を辞める分、老後資金にプラスして生活費や余裕資金を準備しておく必要があります。そのため、50代で早期リタイアを考え始めたとすると、資金を準備する期間が足りず、必ずしもうまくいくパターンばかりではありません。親が早期リタイアを検討していて、子どもの立場から勧められるかどうかは、やはり「資金の目途が立っているか」でしょう。

また、リタイア後に生活コストを下げるとしても、実際にその生活費で暮らしていけるのかをきちんと知ることが大切になります。よく耳にする失敗は、早期リタイアをして都心から田舎へ移住するパターンです。生活コストが圧縮できると思いきや、予想外の出費が続き、結局は仕事を探さなければ資金が続かないといった事例もあるからです。長らく仕事に身を削ってきたご両親が、少し早くリタイアすることを望んでいたら、それを叶えてあげたいと思うもの。だからこそ、それがベストな形で実現するよう、情報を集めて多角的な面から一緒に早期リタイアを考えてあげましょう。
○早期リタイアは生活資金の確保とやりがいを大切に

仕事を早く辞めるには、その分、しっかりとした資金確保が必要です。時には、早期リタイアをするために、本来なら他のことに使えるはずだった資金を貯めておかなければならない……という経験をするかもしれません。また、仕事を辞めたことで社会とのつながりややりがい、達成感を喪失してしまう人がいることも事実です。早期リタイア後の生活を様々な角度から考え、後悔のないリタイアをしたいものです。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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