今年のノーベル文学賞は誰の手に? 有力作家11名を一挙紹介

しらべぇ

2019/10/10 17:40

(asafta/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)
10日夜、2019年のノーベル文学賞が発表される。英ブックメーカー「ナイサーオッズ」の10日16時時点での予想者を見ると、毎年受賞が予想されるオッズ11倍で村上春樹は全体で7番人気となっている。

そして上位5人には女性作家が占めているため、男性作家のみに絞れば村上は2番手だ。ノーベル文学賞の話となると、ついつい村上に注目が集まりがち。そこで、受賞が有力視される11人の代表作とプロフィールを振り返ってみたい。

(1)アン・カーソン


1950年カナダ生まれ。古典語学者で女流詩人であり、2002年のT・S・エリオット賞を受賞している。古代ギリシャ語にも精通しておりカナダ・トロント大学で教鞭をとっている。

これまでラナン文学賞、プッシュカート賞、そして詩壇のノーベル賞ともいわれるグリフィン詩文学賞、グッゲンハイムフェローシップ、マッカーサー基金から天才賞が贈られており、代表作は『If Not, Winter: Fragments of Sappho(原題)』や『Autobiography of Red(原題)』。


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(2)マーガレット・アトウッド


1939年生まれのカナダの女流作家で詩人。作品は世界の多くの国で翻訳されており、特にヨーロッパで高い支持を集めている。文学評論家、エッセイストでもあるほか、発明家および環境活動家としても知られる。

ブリティッシュコロンビア大学をはじめカナダ各地の大学で英文学を指導し、これまでアーサー・C・クラーク賞、フランツ・カフカ賞、ブッカー賞ほか数々の賞を受賞。

代表作には『サークル・ゲーム』『浮かびあがる』『侍女の物語』『キャッツ・アイ』『昏き目の暗殺者』など、日本語に翻訳されている作品も少なくない。

(3)マリーズ・コンデ


1934年生まれの女流作家で、出身は当時フランス領であったカリブ海グアドループ。フランスのソルボンヌ大学で比較文学の博士号を取得し、執筆の傍ら米国ニューヨークのコロンビア大学教授にも就任。

フランス文学などの指導にあたったが、現在は南フランスで闘病中である。2018年にはノーベル文学賞の代替賞とされるスウェーデンの「ニュー・アカデミー文学賞」を受賞。

来日時には早稲田大学、札幌大学、中央大学などで講演を行った。代表作は『セグー』『わたしはティチューバ』『生命の樹』など。

(4)オルガ・トカルチュク


1962年、ポーランド生まれの女流作家でエッセイスト。神話のような雰囲気が作品に漂うのは、ワルシャワ大学では心理学を学んだ影響もあるといわれている。

1993年に文壇デビューすると、ブッカー国際賞受賞やポーランドの文学界では最高峰となるニケ賞を受賞。代表作には『逃亡派』『昼の家、夜の家』がある。

(5)リュドミラ・ウリツカヤ


1943年、ロシア・バシコルトスタン共和国生まれの小説家(男性)。モスクワ大学では遺伝学を学び、文壇デビュー1983年の児童文学作品だった。

母国より先にヨーロッパ各国で支持を得て、フランスのメディシス賞、オーストリア国家賞、イタリアのジュゼッペ・アツェルビ賞などを受賞。日本語にも多数の作品が翻訳されおり、代表作には『ソーネチカ』『クコツキイの症例』『通訳ダニエル・シュタイン』など。

(6)グギ・ワ・ジオンゴ


1938年、ケニア生まれの女流作家。名門の東アフリカ大学を卒業し、小説、戯曲、児童文学や映画にたずさわり、ケニアのナイロビ大学、米国のノースウェスタン大学やイェール大学、ニューヨーク大学、カリフォルニア大学アーバイン校など多くの大学で教鞭をとってきた。

『血の花びら』が反体制的であるとして1年ほどの拘禁も経験。代表作には『したい時に結婚するわ』『泣くな、わが子よ』『十字架の上の悪魔』などがあり、ノーベル賞候補とたびたび報じられてきた。

(7)村上春樹


1949年、京都市生まれの小説家(男性)。早稲田大学第一文学部を卒業し、79年に群像新人文学賞を受賞した「風の歌を聴け」でデビューした。

日本では谷崎潤一郎賞や野間文芸新人賞も受賞。国外の人気も高いく、2006年にはフランツ・カフカ賞を受賞している。代表作は『羊をめぐる冒険』、『ノルウェイの森』、『騎士団長殺し』など。

(8)クラスナホルカイ・ラースロー


1954年、ハンガリー生まれの小説家。作品のテーマとしてはハンガリーが抱えている貧困、抑圧、暴動などを扱ったものが多い。ブッカー国際賞を受賞している。

代表作には『抵抗の憂鬱』や『サタンタンゴ』があるが、後者は映画『ニーチェの馬』で知られるタル・ベーラ監督によりモノクロで映画化されて話題に。

2000年と2005年に半年間ずつ日本の京都に滞在し、その経験から『北は山、南は湖、西は道、東は川』という作品を手掛けた。

(9)マリリン・ロビンソン


1943年、米国アイダホ州生まれの女流作家。シアトルのワシントン大学で博士号を取得し、マサチューセッツ大学、イエール大学ほかで教鞭を執る。

代表作には、日本語にも翻訳されている『ギレアド』や『ピーター・ラビットの自然はもう戻らない』などがあり、全米批評家協会賞、ピューリッツァー賞、イギリスの女性小説賞(受賞当時はオレンジ賞)、韓国の朴景利文学賞など多数の賞に輝いている。

(10)ナーダシュ・ペーテル


1942年、ハンガリー生まれの小説家(男性)。ジャーナリスト、写真家としても活躍。キリスト教の洗礼を受けたユダヤ系で、ナチスの支配下となったブダペストから命からがら逃げ出した経験を持つ。

1977年の『ある一族の物語の終わり』で有名になり、1986年の『回想の書』は執筆に10年も費やした大作。国際的な評価を得てフランツ・カフカ賞や全米批評家協会賞を受賞。しかし共産政権の圧力下では反体制派の作家として過ごしてきた。

(11)ペーター・ハントケ


1942年、オーストリア生まれの小説家(男性)。戯曲、詩、放送劇も手掛けている。グラーツ大学では法律を学び、小説『雀蜂』で文壇デビュー。

代表作には戯曲『カスパー』や小説『ペナルティキックを受けるゴールキーパーの不安』などがあり、ゲオルク・ビューヒナー賞、カフカ賞、国際イプセン賞などを受賞。

母親の自殺を扱った『幸せではないが、もういい』などもある。ユーゴスラビア紛争に関する西側メディアの報道内容を非難し、NATOによる空爆を批判してアンチが増えたことも話題になっていた。

■今年の受賞者は2名


2018年はスウェーデン・アカデミーがらみの不祥事で発表が見送られたため、今年の受賞は昨年分も合わせて2人。必ずしも上位から選ばれるというわけではないようだが、日本人が期待する村上の受賞の可能性も大いにある。

スウェーデン・アカデミーのオルソン事務局長が「素晴らしい女性作家が数多くいる」と発言した影響もあってか、女性が予想上位を占める結果に。果たして栄誉は誰の手に渡るのだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

当記事はしらべぇの提供記事です。

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