声優・アーティスト伊藤美来が作り上げた「POP」な世界とは?

UtaTen

2019/10/9 12:00

ソロ・デビューから3年目、新たな一歩


現役高校生として、声優のみならず、StylipSやPyxisといった声優ユニットの一員としても活動していた伊藤美来が、満を持して1STシングル『泡とベルべーヌ』でソロ・デビューを果たしたのは、2016年10月12日、自身の20歳の誕生日のことでした。

2017年には、待望のデビュー・アルバム『水彩 ~aquaveil~』をリリース。

声優としても、アーティストとしても成長を続ける彼女は、3月に大学を卒業するというターニング・ポイントを迎えています。

学生と仕事の両立から初めて解き放たれた今、更なる飛躍が期待される中で、発表されたセカンド・アルバム『PopSkip』は、サウンドにも歌詞にも、伊藤美来という存在の「今」がしっかりと込められたものとなりました。

シティポップ風オープニングナンバー「PEARL」



これまで、様々なタイプの曲に挑戦してきた伊藤美来ですが、本作の1曲目『PEARL』を聴いて、ハッとさせられた方も多いのでは。

上品なシティポップ風のサウンドの心地良さと、落ち着いた歌唱で紡がれる歌詞は、今年で23歳になる彼女の大人びた横顔が浮かんでくるようです。

私とあなたとの関係性は、過去形で描かれています。

はっきりと明言されているわけではありませんが、恐らく終わってしまった大切な想いを振り返りながら、「もう大丈夫」と気丈に語る主人公を、伊藤美来はやや客観的に、物語るように歌っていますね。

だからこそ、聴く人それぞれの物語として、投影できるような楽曲になっていると感じます。

華やかで楽しい「恋はMovie」



跳ねたリズムとまさに「POP」なブラス・サウンドが華やかで楽しい『恋はMovie』は、アルバムの先行シングルであり、伊藤美来のキュートな魅力全開の楽曲となっています。

自分の恋を映画監督のようにプロデュースする、というコンセプトの歌詞も可愛らしく面白い。

恋をしたときの、ミュージカルのように気持ちがアップダウンする自分を楽しんでいるような姿に、少しだけ大人の余裕を感じさせるところが心憎いですね。

恋に向かって突っ走る!「閃きハートビート」



同じく先行シングルとなった『閃きハートビート』は、『恋はMovie』と同じくキラキラしたガールズ・ポップの名曲となっており、fhnaの佐藤純一氏が全面的にプロデュースしています。

興味深いのは、『恋はMovie』とは違い、『閃きハートビート』は、不器用なくらいに恋に向かって一生懸命突っ走る主人公の姿が描かれています。

TVアニメ『上野さんは不器用』のオープニング・テーマということもあり、アニメの主人公と伊藤美来のキャラクターが、それぞれ反映されたものとなっています。

同じように「恋」が主題の楽曲でも、曲によって恋に対するアプローチの違いが鮮明になっているのが、特に伊藤美来と同世代の女性リスナーにとっては、共感できるポイントが色々と見付かるのではないでしょうか。

「諦める方法は知らない」という、主人公の何ともいじらしい想いが込められた部分が、私(筆者)個人的には気に入っています。

あくまで男性目線での話、です(笑)。

“大人の伊藤美来”が魅せる「土曜のルール」



本作には、今までになかった様々な「大人の伊藤美来」が浮かび上がる楽曲が多く収録されていますが、そのテイストが特にはっきりと提示されているのが、『土曜のルール』です。

『土曜のルール』は、何処か90年代テイストが香る、洒落た味わいのJ-POPで、アルバムの中でも、特に「大人」な伊藤美来の姿を引き出している楽曲です。

これも私個人的には、一番気に入っている曲でもあります。

声優としての伊藤美来しか知らない方がこの曲を聴けば、きっと驚くのではないでしょうか。

歌詞を読み込んでいくと、一貫したストーリーがあり、単なるラヴソングというわけではなく、複雑な距離感や心の機微が、思わせぶりな雰囲気と共に描かれています。

こういった楽曲を歌い切ったことで、アーティストとしての新たな成長をも感じさせますね。

この曲で歌われている「ルール」が何なのかは、曲の最後に明かされますので、実際に聴いてみて頂きたいところです。

小さな孤独感を歌う「灯り」



アルバム終盤に収録されたミディアム・バラードの『灯り』も、今までにない伊藤美来の一面が垣間見える楽曲となっています。

誰にでも、ふとした時に訪れる小さな孤独感を、優しい眼差しで切なく歌い上げています。

元気で前向きな伊藤美来も良いですが、立ち止まって自分を見つめ直しているような等身大の姿に、共感を覚えるリスナーも多くいるはず。

私が居場所になる――「all yours」



アルバムのラストを飾るのは、伊藤美来自身が作詞を手掛けた『all yours』です。

文学が好きで、大学では日本語を学んでいたという彼女の言葉選びは、決して気取った言い回しではなく、シンプルながらもまとまりのある、伊藤美来という女性の強さと優しさが伝わるものとなっています。

「君のとなりに詩を置く」というフレーズが、なかなか洒落ていますね。

この曲を聴いている人にとっては、自分の支えになってくれている人を思い描いて、感謝の気持ちを述べたくなるような、そんな作用を持ったポジティブな楽曲で、本作を幕を閉じます。

ガールズ・ポップ好きは必聴の1枚!!


2019年の10月には、本作を引っ提げたワンマン・ライヴ公演や、恒例のバースデイ・イベントも控えている伊藤美来。

彼女は、所謂声優アーティストという立場ではありますが、アニメや声優にさほど興味のないという人にも、本作はガールズ・ポップ好きに是非聴いてもらいたい1枚となっています。

声優として、アーティストとして、大人への一歩を踏み出そうとしている1人の女性として、伊藤美来が様々な姿で魅せる「POP」な音世界に、あなたも是非耳を傾けてみてください。

TEXT KOH-1

当記事はUtaTenの提供記事です。

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