ペンライトはいらない、魂ぶつけた北園涼1stワンマンライブ

dwango.jp news

2019/10/8 20:30


舞台を中心に映画、ドラマで活躍中の北園涼が10月6日に東京・一ツ橋ホールで初のワンマンライブを開催した。

北園といえば、ミュージカル『刀剣乱舞』で小狐丸役を“トライアル公演”(2015年)から演じ、人気を博す俳優。今年も3作品の舞台に出演し、8月には舞台『乱歩奇譚 Game of Laplace~怪人二十面相~』で主演のアケチを熱演したばかり。また2月には1stシングル『Long way to Go』をリリース。そして10月2日にはメジャーデビューアルバム『Ark』を日本コロムビアから発売。舞台ではいくつもの曲を歌ってきた俳優・北園涼が晴れてアーティストとしてファンの前に今回、姿を現した。この日、2回公演が行われたが、その第一部の公演の模様を完全リポートする。

ざわめく会場に音が鳴り始めた瞬間、観客は総立ち状態。スポットライトを浴びた北園が舞台に現れ、大きな歓声が沸き起こった。すでに歌手デビューを果たしているが、歌手として舞台に立つのは今回が初めて。アーティスト・北園涼が生まれた瞬間ともいえるだろう。

1曲目はアルバムの表題曲となった『Ark』。イントロで「オゥ、オゥ、オゥ」と大きく手を広げると「声出せ、声!」と“俺様系”でファンをあおる。そしてそれに見事に応えるファンたち。ハードなギターリフに合わせて歌う歌声が、ファンの発する合いの手にぴったりと重なる。必死に歌いながらも、ファンをちらりと見て小さな笑顔を浮かべた北園の喜びの気持ちが伝わり、1曲目から会場のテンションはマックス状態となった。

会場には観客の持つペンライトの白い光がいっせいに振られていたが、北園は「ペンライト、いらないいらない。お前ら魂をぶつけてこい!」と叫ぶと、ファンはペンライトを下げ、曲に合わせ手を振り上げる。続けて歌ったのは『ALIVE』。小さく自らの胸を叩いていたのは、もしかしたら少し緊張していたのかもしれない。だが、そんな思いを吹き飛ばすように歌い続ける姿にスポットライトが北園を浮かび上がらせた。

2曲歌い終わった北園は少し息をつくと“俺様系”は鳴りを潜め、水をコクリと飲み「ありがとうございます」と爽やかな笑顔を浮かべた。「ようこそ、北園涼の1stワンマンライブへ。みなさん調子はどうですか?」と聞くと観客は「イェ~!!」と答える。完全に熱血女子だ。「いい感じですね。もう今日、この日しかないですから。次のライブ、決まってないですからね。次、こういう機会でいつ会えるか分からないですから」とファンを笑わせた。

ここでギターを担当した中嶋康孝を紹介。「リハのときからずっとお世話になっていまして、いろんなことを教えてくださり、ライブも一緒に作ってきた方なので、みなさんも中嶋さんに負けないように。そして2人しかいないからね。2人対800人だから。でも2人だからって、お前ら勝てると思うなよ。かかってこいよ、いいか!」と言うと続けて歌ったのは『Hero』。先ほどまでのアップテンポな曲と打って変わってミディアムテンポのこの曲で甘く優しい歌声がオーディエンスの心を揺さぶった。

間奏でジャケットを脱ぎ捨てると、マイクもスタンドから外して観客に歌をゆだねる。もちろん、これにこたえ、歌い上げるファンたち。4日前に発売されたばかりのアルバム収録曲だが、完璧に覚えている様子。曲が終わり「ありがとう」と礼を言うと、ギターのアルペジオで始まったのは『Lowlight』。両手でマイクを握りしめ歌う北園の影が、スポットライトで出来た灯りの中に映し出される。その影は妙になまめかしい。訴えかけるような表情でアルバム中、唯一のラブソング『キミのそばで』を歌うと、MCに突入した。

大きく息を吐き、顔をあげ観客を見つめると「初ライブですけど、みなさんどうですか?いい感じで出来てる?」と聞く北園。やはり初めてのワンマンライブに不安は隠せなかったようだ。「俺ももちろん、緊張したけど、きっとみなさんも緊張してこの会場に足を運んでくれたと思います。ホントにここに集まってくださって、ありがとうございました」と大きく頭を下げた。

だが「早いもので、もう折り返しです」と言うと「え~!?」と不満をもらすファンたち。「だって、アルバム1枚しか出してないんだもん」と、こちらも残念な様子。「リハとかやっていても、あっという間っすよね。すぐ終わるんすよ」とギターの中嶋に同意を求める。「短い時間ですけど、みなさんと精一杯、楽しい時間を過ごせるよう一生懸命リハしてきたんで、それが届いていたらなぁと思います」と。さらに「もうペンライト使うコーナーは、しばらくないのでカバンにしまってもいいんじゃないかな。ここからはぶち上げるだけですよ、みなさん」と言うと「いっちゃいますか。声出して、飛び跳ねて、騒ぐ準備は出来てますか」と言って「暴れてください!」と叫ぶと『Drive』を熱唱。再び「声、出せ」と言いつつ激しく歌い始めた。『Be Bright』ではギターの中嶋と見つめ合いつつ、歌うシーンも。

再びMCに入り「いやぁ、ホントに早いもので」と言うと客席から「最初からやり直して」という声が飛び交う。すると「誰だ、今言ったやつは。ムリムリムリ、もうこれしかやるつもりないから。そのつもりで全部、出しきったから」と言って「もう一回、やるんだって。夜(第二部)に」とポツリ。そう、この日はまだ第二部の公演が控えている。

そしてしみじみとした表情で「こうやってさ、俺が音楽の活動を始めるようになって。すごい偶然というか、奇跡というか、そんなふうに感じてるんです。鹿児島から二十歳のときに出てきて、俳優を始めて。今、27歳になって、新しいことを始めるってことはかなり挑戦的で、かなり勇気のいる行動だと僕は思ってるんです。でも、会場に来てくださるみなさまが、迷っていたり、対峙しているものがあったとき、もう一回追ってみようかなって、感じてくれるんじゃないかなって思い、この活動を始めさせていただきました。これが楽しいだけの思い出じゃなくて、みなさんが迷ったとき、悩んだとき、不安になったとき、またここに来たいなって思えるような、そしてまた来て、僕がみなさんを引っ張り上げるような、そんなライブにこれから先もしていきたいと思いますので、どうかこれから先も俺のことをよろしくお願いします」と語ると、観客から大きな拍手が巻き起った。

そうして歌い始めた曲は1stシングル『Long way to Go』。すでに歌い慣れた曲のせいか、気持ちよく歌いきる北園にファンも合いの手で答える。最後の曲は『ヒカリアレ』。名残おしそうにファンと一緒に歌い終えた北園に鳴りやまない拍手。そして薄暗くなったステージに響くアンコールの声。

ファンに応え、北園はシャツを着替えて再び登場。「みなさんが、大きい声だして、大きい拍手をくれると、ここに立って良かったなって心から思います。ありがとうございます」と北園。「足りないでしょ?足りないよね?だからさ、またこれからも頑張って歌い続けるんで、そのときは足を運んでください」と、アンコール曲を歌う気満々の北園にギターの中嶋が渡したのは一通の封筒。「なになになに?」と突然のサプライズに本気で戸惑いながらも、封を開けた。どよめきながら期待に胸をふくらますファンの前で「緊急告知!」と読み上げる。



「北園涼、2ndワンマンライブを開催します」と言った瞬間、爆発的な歓声が会場を震わせた。

開催は2020年、2月23日と24日の2days。「すげ~」と、実感がわかないのか、まるで他人事のように感想を言うと「おめでとう」というファンたちの声に笑顔を浮かべる。「ラスト、かますぞ~!」と北園が叫び、アンコール曲『Ark』を歌うと、アツく激しかった第一部のステージはあっという間に終わり、幕を閉じた。

文:今 泉

カメラマン:風間直人

当記事はdwango.jp newsの提供記事です。

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