【インタビュー】「キレイ-神様と待ち合わせした女-」阿部サダヲ、大河ドラマ主演を経て臨む舞台「新しい気持ちで挑もうと思う」

テレビファン

2019/10/8 12:00


 2000年に大人計画を主宰する松尾スズキによる本格ミュージカルとしてBunkamuraシアターコクーンで初演されて以降、再演を重ねている「キレイ-神様と待ち合わせした女-」。12月4日からは、キャストを新たに4度目の上演がスタートする。戦争・民族紛争・少女監禁といった独特な設定やストーリーを、松尾ならではの視点で描き、演劇界に大きな衝撃を与えた本作に、初演時から出演し、今回はマジシャン役を演じる阿部サダヲに、公演への意気込みを聞いた。

-4度目の出演が決まったお気持ちは?

4度目ではあるのですが、毎回同じ役ではないので、すごく新鮮に感じています。まさか自分がマジシャンという役をやると思っていなかったのでこの役をやれることも、そして、初演時に僕が演じたハリコナという役を、今回は神木(隆之介)くんがやるのも楽しみです。僕が初演でハリコナを演じたときは、30歳だったのですが、改めてすごいことだなと思っています。初演から20年近くたっているということですから。

-阿部さんが思う、本作の魅力は?

何回上演しても面白いし、色あせないことだと思います。20年近く前の作品なのに、現在に通じるような事件が描かれていて、古い作品だと思えない。場所も特定していないし、時代も分からない作品ですが、だからこそ、いつの時代にもマッチする。なんとも不思議な作品だと思います。今回、マジシャンを演じるので、マジシャン側で考えてみれば、マジシャンのような事件を起こす人も世の中にはいるでしょうし、彼のような悲しい人、思いがかなわない人も現在にも存在すると思うので、共感できる部分もあるのではないかと思います。

-今現在、マジシャンという役をどのように捉え、どんなところを意識して演じようと思っていますか。

今までまったく意識していなかったから、全部意識していますよ(笑)。でも、(本作は)これまで3回上演されていますが、3回ともマジシャン役は違う方がやっていて、三者三様だったと思うので、やりようはたくさんあると思っています。

-本作では、これまではご自身も出演されていた松尾さんが演出に専念されるそうですね。

初めてなんですよね、演出に懸けているというのは。なので、実際にはどうなるかは分からないですが(笑)、ただ、本気のミュージカルをやろうとはしているんだと思います。まあ、本気とはいっても、松尾さんは本気でおかしいことをやるのが大好きなので、笑いの部分でも持ってくるのかなと思いますが。いずれにしろ、今までの焼き直しではないと思います。

-今回、主演となるケガレ役を生田絵梨花さんが演じられます。生田さんの印象は?

実は、生田さんとの共演は今回が初めてなんです。なので、まだお会いできていないのですが、すごく明るくて、ミュージカルを得意としている方だという印象があります。でも、現役のアイドルである生田さんがケガレを演じるのはすごく難しいと思うんです。普段のイメージとは全く違う役柄ですから。それをどう演じるのか、楽しみです。

-阿部さんは、現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」に主演の田畑政治役で出演中です。大河ドラマに主演したことで、役者としての考えや演技は変わりましたか。

今のところ、そんなに変化はないと思います。ただ、たくさんの年代、いろいろなタイプの役者の皆さんとご一緒できたことは、勉強になりました。(「いだてん」は)世界を舞台にした話なので、(現場には)たくさん外国の方もいらっしゃって、いろいろな国の人の話を聞くことができましたし、僕にはない感覚で演技されている方もいて、面白かったです。よく、こういったインタビューで「どういうふうにせりふを覚えますか」という質問をされるのですが、「いだてん」の収録中は、ほかの方がやっているというやり方をいろいろと試してみました(笑)。演技や考えではないですが、そういうチャレンジはしてみました。せりふを書いてみたり、せりふを自分で読んで録音して聞いてみたり…。でも、結局は僕には合いませんでした(笑)。やっぱり、自分が長くやってきたやり方が一番でした。

-「キレイ」のお稽古でも何か新しく試してみようと思っていますか。

そうですね。この作品にもいろいろなタイプの役者の方々が出演するので、勉強したいし、挑戦もしてみたいと思っています。特に、今回は松尾さんがミュージカル色を強くしたいとおっしゃっているので、(自分の)歌のクオリティーを上げていきたいなと思います。

-本作は、東京公演の後、福岡、大阪での公演も控えています。長丁場の公演となりますが、公演中の体調管理はどのようにされていますか。

実は、舞台をやっているときはそれだけで体調がいいんです。舞台は時間が決まっているので、規則正しい生活ができるんですよ。映像作品だと舞台よりも拘束時間が長いですし、決まった時間に終わるわけではないので、生活のリズムが崩れやすい。それに比べると、舞台は劇場に入って、決まった時間に終わる。だから、舞台をやっているときの方が、健康的ですし、体調もすごくいいんです。

-改めて本作の見どころを。

再演とは言っていますが、キャストも新しくなり、新鮮な気持ちで見ていただけると思うので、今までの公演をご覧になった方も、初めて見る方も楽しんでいただけると思います。日本では、オリジナルのミュージカルはなかなかないんですが、この作品はまさにそれ。なんといっても、シアターコクーンの芸術監督(※)になった人の作品ですから!(笑)。これを機に、コクーンにも来てくれる人が増えるとうれしいです。そして、僕自身も大河とはまた違った、新しい気持ちで挑もうと思っています。実は、「いだてん」に出ている役者もこの作品には多数出演するんです。これだけ集まるのも珍しいと思うので、生きて、動いている「いだてん」の役者をぜひ生で見てください(笑)!

※松尾は、9月9日、Bunkamuraシアターコクーンの芸術監督に就任したことを発表。本作が、芸術監督就任後、初の演出作品となる。

(取材・文・写真/嶋田真己)

「キレイ―神様と待ち合わせした女―」は12月4日~29日、都内・Bunkamuraシアターコクーンほか、福岡、大阪で上演。
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp

当記事はテレビファンの提供記事です。

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