今もカバー曲が続々!ZONEがくれた名曲「secret base」

UtaTen

2019/10/7 15:20

ドラマ「キッズ・ウォー」とZONE



ZONEの『secret base~君がくれたもの~』は、2001年のリリース以降、SCANDAL、May J.といった様々なアーティスト達によってカバーされている名曲です。

また、テレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のキャラクターソングとして、異例のヒットも記録しました。

それらのカバー曲によって広い世代に知られる『secret base~君がくれたもの~』ですが、ZONEのオリジナルは、お昼のドラマ「キッズ・ウォー」の主題歌でした。

1999年から2003年までの計5シリーズと、ゴールデンタイムにスペシャル版も放映され、昼ドラの枠を超える人気ドラマとなった「キッズ・ウォー」。

夏休みの午後は「大好き!五つ子」からの「キッズ・ウォー」という思い出がある方も多いのではないでしょうか。

「キッズ・ウォー」が典型的なホームドラマから子供たちの恋愛模様をメインとした青春ドラマへと変化した第3シリーズに主題歌となった『secret base~君がくれたもの~』は、シリーズ最後の特番でも起用され、「キッズ・ウォー」を象徴する曲となります。

当時、ドラマの登場人物と同世代だったZONEによるこの曲には、主人公たちの等身大の姿が投影されて視聴者の共感を集め、ファイナル特番のラスト、この曲にのせて主人公の茜と翼が別れて行くシーンでは、そのせつなさが感動を呼びました。

ガールズロックバンドの系譜



『secret base~君がくれたもの~』のヒットにより、一躍スターとなったZONEは、女の子4人によるガールズロックバンドでした。

日本のガールズロックバンドの歴史を振り返ると、そのさきがけは、1980年代に活躍した、寺田恵子率いるセクシーなハードロック系バンド、SHOW-YAです。

1980年代後半に入ると、ポップ路線のプリンセス・プリンセスの大ブレイクで、ガールズロックバンドは一気にその地位を確立。

その後、90年代にかけてのバンドブームの追い風に乗って、多くのガールズロックバンドが活躍するようになりました。

あの夏の日の秘密基地を探して



透明感のあるボーカルと美しいハーモニー、耳に残るドラマティックなサウンドが特徴の『secret base~君がくれたもの~』。

この曲には、これまでのガールズロックバンドにはないピュアな魅力が溢れています。

当時まだ10代だった彼女たちならではの、瑞々しい歌詞の世界を覗いてみましょう。

大切な思い出のふたを開けるような、オルゴールの音色のイントロに導かれ、中学時代の下校風景が現れます。

騒がしい蝉の鳴き声が響く短縮授業の下校路を、一人で歩く、ちょっとひねくれ者の女子中学生。

横断歩道の白線が蜃気楼で揺れる交差点で立ち止まると、「一緒に帰ろう」と、思いがけず声をかけて来た男子に驚きます。クラスに一人くらいは、ひねくれ者を気にかけてくれる変わったヤツがいるのです。

つい強がってしまう僕




本当は誰かと一緒に帰りたかったのに、ひねくれ者の主人公は強がって素直に喜べません。

サッとうつむいてカバンで顔を隠した訳は、思わず浮かんだ微笑みを、見られたくなかったからです。

歌詞の一人称が「僕」となっている事で、この曲の主人公と、一人称が「俺」だった「キッズ・ウォー」の勇ましいヒロイン、茜の姿が重なります。

また、この曲の主人公の性別をリスナーの想像力に委ね、男子と女子、双方からの共感を得た事が、この曲のヒットの要因となりました。



終業式が終り、夏休みに入ると、気の合う二人は毎日のように一緒に遊びます。

地元のお祭りの花火大会で、川辺に二人並んで座って見上げる花火。

見上げ過ぎた首の痛みや、かすかな火薬の匂い、川を渡る涼しい風を感じながら、主人公の心に、この時間が終わって欲しくないという気持ちが芽生えます。

これまでの友達には感じなかったせつない気持ち。それは、初恋でした。

夏が終わってしまう切なさ




夏休みが終わりに近づくと、子供達は寂しい気持ちになります。

そして、中学生にもなると、それが単なる休暇の終わりではなく、無邪気な子供時代が終わり、大人になっていく未来への漠然とした不安を感じるようになります。

「太陽と月」とは、性格は正反対だけれど、お互いを必要としている「君と僕」を現し、「仲良くして」という言葉には、主人公が漠然と感じている、残り少ない二人の時間を、大事にしたいという意味が込められています。

突然の恋の終わり




中学生の運命は、親の事情によって左右され、自力ではまだどうする事も出来ません。

始業式が始まる前に、この二人の恋にも、心のどこかで恐れていた突然の終わりが訪れます。

引っ越しの日、街を去って行く車の中で、主人公の心には、過ぎ行く夏を惜しむよう過ごした二人の時間が一気にフラッシュバックします。

そして、ふと窓の外を見ると、そこには精一杯に手を振る彼の姿が。その姿が次第に小さくなり、二人のひと夏の初恋は終わったのです。

10年後の約束




あの夏の終わりに“10年後の夏にまた会おう”と約束を交わした二人。

その後、夏が過ぎる毎に子供達は少しづつ成長し、その夢の遠さを知っていきます。



楽しさと、懐かしさ、そして、少しの後悔の気持ちと共に、二人に心の中の秘密基地に「最高の思い出」として、永遠に保存された二人の初恋。

この歌詞の中に出てくる「二人の秘密基地」とは、特定の場所ではなく、二人で共有した時間と空間を現しています。

人は誰でも心の中に、そんな自分だけの秘密基地を持っています。大人になり、いつの間にか忘れてしまった秘密基地の場所。

この曲は、その場所が記された、ZONEがくれた私たちの心の地図なのです。

TEXT 岡倉綾子

当記事はUtaTenの提供記事です。

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