みゆな、BAND-MAID、田島貴男、ヨギー、t-Ace、テスラら新鋭からベテランまで登場『THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL 2019』DAY1【与論ステージ】レポート

SPICE

2019/10/7 01:00

THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL 2019
2019年10月5日(土)鹿児島市・桜島多目的広場&溶岩グラウンド【与論ステージ】

■みゆな

みゆな
みゆな

今年の与論ステージのライブアクトのトップを飾るのは、宮崎出身17歳のシンガーソングライター・みゆな。地元のストリートなどで音楽活動を本格的にスタートさせたのが去年の夏。そして、1年後にはこうして故郷に錦を飾る機会に恵まれたのである。この短期間でどれだけの苦労と頑張りがあったのか計り知れない。

与論は既に灼熱。彼女のアコギの上には熱よけのためにシートがかけられているほど。定刻に1人ステージに現れたみゆなは、それをどけ、アコギを手に取り、「ユラレル」を歌い出した。ハリがあり、少しスモーキーな声にハッとさせられる。この若さですでに歌が完成されている。独自のスタイルがある。「ガムシャラ」の途中で、「よろしくお願いしまーす!」と叫ぶと、客席からは拍手喝采。そりゃあ、これだけパワフルかつ、繊細な歌を聴かされたら声も上げたくなりますよ。

しかし、MCでは年相応の言葉を聞くことができた。「やべーよ! 高校生が『サツマニアン』に出ちゃったよ!」。ひと月前に別のフェスで彼女のステージを観たときはもうちょっと落ち着いているように見えたけど、地元だからか普通にはしゃいでいる等身大な姿がうれしい。

しかし、そんなムードも歌に入るとガラッと変わる。彼女を取り巻く空気がピリッと張り詰める。そこだけ周りの世界から切り離されているような、そこだけ5℃ぐらい気温が下がっているような……(実際は30℃だけども)。なんというギャップだろう。

最後の「缶ビール」では、<缶ビールを買って ねぇ、缶ビールを買って>のコールアンドレスポンスを求めるが、彼女の望みどおりの反応を返さない観客を「(声が)ちっさい!」と一喝。しかし最後は、「鹿児島、最高! 鹿児島、最高!」といいグルーヴを生み出し、桜島の暑さに負けない一体感でステージを終えた。もし、また来年ここに戻ってくるとしたら、彼女は一体どんな姿になっているだろうか。成長の真っただ中にあるみゆなの、貴重な瞬間を切り取ったパフォーマンスだった。余談だが、ライブ直後、エフエム鹿児島の公開録音番組に出演した彼女の第一声は「暑い!」だった。

取材・文=阿刀 “DA” 大志
みゆな
みゆな

■BAND-MAID

BAND-MAID
BAND-MAID

BAND-MAIDは10月1日にワールドツアーのアメリカ編を終え、帰国したばかり。そして、今日5日に『サツマニアン』に出演するのである。しかし、リハでステージに現れた5人は、これが久しぶりのライブとばかりにイキイキしている。各々サウンドチェックを済ませていくうちにテンションが高まっていき、「Screaming」ではほぼ本域でパフォーマンスしていた。AKANE(Dr)なんて満面の笑みでドラム叩いてるし。念のためにもう一度言うけど、これ、リハです。

本編になると、当然ながらさらにすごい。助走も何もなく、KANAMI(Gt)による中毒性の高いギターリフに導かれる「glory」でいきなりかっ飛ばす。続くは、これまたヘヴィグルーヴな「Play」。ところで、最近のBAND-MAIDに顕著なのが、自由度の高いステージング。ここでもKANAMIとMISA(Ba)が場所を入れ替わったり、各メンバーがAKANEのほうに近寄ってみたり、積極的にメンバー同士が交わり合う。

SAIKI(Vo)と小鳩ミク(Gt,Vo)による2トップも鉄壁だ。今に始まったことではないが、SAIKIのパワフルなボーカルはまずブレない。そこが灼熱だろうがなんだろうが、変わらない。さらに彼女は、少し離れたテントにいる観客を煽る。「暑いけど、日なたに出てこいや!」

今日のセットリストは攻め一辺倒。短い時間だからこそ、一気に畳み込もうという狙いが見える。MCもそこそこにゴリゴリと曲をつないでいく。そんななかでも、リリース前の新曲「endless Story」を挟み込み、来るニューアルバムに向けてしっかり布石を打つ。……あ、そういえば、この曲はそんなに前のめりじゃないし、本来はしっかりと聴かせる曲。だけど、今日の5人のテンションがそうはさせないのである。

結局、リハからずっと、体感的には一分のスキも観客に与えないアグレッシヴなステージとなった。誰のプレイがすごいとかそういう問題ではなく、5人がひとつとなった肉弾戦。そして、そこに観客を引きずり込んでいくというパワープレイ。これ、マネしようとしてもなかなかできることではない。しかも、これがBAND-MAID初の鹿児島公演。世界で戦うというのはこういうことなのである。

取材・文=阿刀 “DA” 大志
BAND-MAID
BAND-MAID

■椎名純平

椎名純平
椎名純平

続いて、太陽がいちばん高く昇る時間帯の与論ステージに、ムーディでアダルトな空間を作り上げたのは、椎名純平だ。サポートバンドにSOIL & "PIMP" SESSIONSから、みどりん(Dr)、秋田ゴールドマン(Ba)と、このフェスの発起人タブゾンビ(Tp)を迎えた“ヘス”スペシャル編成でステージに現れると、「世界」からスタート。ビンテージ・エレピが鳴らす奥深いサウンドにのせた椎名のソウルフルな歌声に会場が酔いしれる。

2曲を終えて、「改めまして、こんばんは……あ、“こんばんは”じゃない(笑)」と、あいさつをした椎名。激しいパフォーマンスを得意とするラインナップも多いなか、「目いっぱいクールダウン(笑)、盛り下げていこうと思います。風を感じながら楽しんでもらえたら」と伝えると、最新アルバムからのナンバー「cocoon」へとつなぐ。10月とは思えない強い日差しが降り注ぐ与論ステージ。あまりの暑さに、“ああ~ ビールが飲みたいよ~ (山のほうを指さして)あんな素敵な景色を見ちゃったら~♪と即興のメロディで歌い上げ、切れ目なくなだれ込んだ「白昼夢」では、ほろ苦いラブソングにタブのトランペットが甘く寄り添った。

ここまで夜の曲ばかりのセットリスト。「曲の選び方を間違えてる気がする」という椎名に、タブが「この感じが理想どおりです」と切り返すMCを挟みつつ、ラストは「memory lane」で、終演。最後にスタッフからビールが渡されると、タブが「乾杯(完敗)と言うと負けた感じになるので、完勝ー!」と音頭をとり、最高の1杯で喉を潤した。

取材・文=秦 理絵
椎名純平
椎名純平

■田島貴男(ORIGINAL LOVE)

田島貴男(ORIGINAL LOVE)
田島貴男(ORIGINAL LOVE)

10分前から本人が登場して、アコギ、フルアコ両方の細かいPAの設定も指示。何と言っても赤いウェスタンシャツが似合いすぎているそのオーラに歓声が上がっていた。

本番にさりげなく出てきた彼は「オーイエ! カゴシマー!」とギターを叩き、コードカッティングで、アフロビートにアレンジされた「フィエスタ」で立ち上がる。<花びらよ故郷の友達に届け>を“鹿児島の友達”にアレンジし、身体一つで“薩摩ソウルパワー”をこの地の底から沸き上がらせる。アコギのカッティングと同時にベースラインを弾き、キックも踏み、しかも多重演奏は行わないのが田島流の醍醐味だが、「グッディガール」ではそれに加え、音源ではPUNPEEが担当しているラップ部分も彼自身が行うので、<田島のオジキ>というフレーズを自分でラップすることになるという愉快さも。

汗まみれになりながら「涼しい~」と次なる名曲の前振りを行い、「真昼間だけど、ちょっと夜をイメージして」とオーディエンスに魔法をかけて、磨きに磨いてきたジャズギターから、滑らかで艶やかに「接吻」をスタートさせる。これはもう、ひとりソウルショウだからこその焦らしテクとも言えるだろう。“たまりませんっ”てな独り言がそこここから聴こえてきそうなムードが横溢していた。

新作『bless You!』タイトルチューンでは、生命讃歌であるこの曲の本質を自由度満点の曲運びで表現し、思わず「気持ちいい~!」と絶叫した後は、ラストの「フリーライド」をギター一本でパーカッシブに展開。桜島の神様がいるとしたら、一緒に踊ってたんじゃないだろうか? 全く一人神輿みたいな恐るべきエネルギーのアクトだった。

取材・文=石角友香
田島貴男(ORIGINAL LOVE)
田島貴男(ORIGINAL LOVE)

■Yogee New Waves

Yogee New Waves
Yogee New Waves

ひたすらぶち上げていくアクトが多い中でもYogeeはいつものYogeeだ。まっ昼間だがおなじみのロゴのネオン管は点灯しているし、角舘健悟(Vo,Gt)はメンバー全員とグータッチをしてからセンターの自分の位置に付いた。そこに竹村郁哉(Gt)の透明でサイケデリックなギターの音色が、異次元の旅へ誘う。大きなグルーヴを持った長尺の「Hello Ethiopia」で、じっくりじっくり彼らの世界へ、夢見心地の旅へ船が滑りだすようなオープニングは、そこがどこでもいつでもロマンチックな気持ちにさせてくれる。

「綺麗ですね。ほんっと綺麗ですね。言葉になりません」と、桜島を讃え、「俺のギターも綺麗じゃないですか?」とボディの美しさを誇る角舘。彼流の言葉のチョイスでもあるのだと思うけれど、多くを語らない。綺麗と思うものはその二つだったのだ。「以後、お見知り置きを、Yogee New Waves」と、時間を惜しんで演奏に移る。

バンドのニューモードを代表する新作からの「Good Night Station」は音源で感じられる都市の夜の感触をここでは旅する気持ちに転化して、フィールドを踊らせるアレンジに姿を自然と変えていた。というのも、最近、パーカッションとサンプラーで参加しているサポートメンバーの、常に笑顔でポジティブなムードが作用している部分も大きいと見た。

そもそも野外は似合うバンドだ。出音もますます磨かれてきていて、リズム隊はタフになり、ギターの音色はどんどん多彩になっている。気づけば客席エリアにはミュージシャンがポツポツと集まってきていた。

ラストは季節感は春の曲だが、それまでじっと見ていた人も「Bluemin' Days」の<花束をあげよう>のフレーズで手を振るほど彼らの音楽を愛し始めているように映る。竹村が残す幻のような残響は夏の終わりのしるしのようだった。

取材・文=石角友香
Yogee New Waves
Yogee New Waves

■新羅慎二(若旦那)

新羅慎二(若旦那)
新羅慎二(若旦那)

昨年1日目のトリを飾った若旦那が、本名である新羅慎二として与論ステージに帰ってきた。今年もアコースティックギター1本だけを携えた弾き語りスタイルだ。

拍手で迎えられると、「優しいね」と表情を綻ばせる。ステージ出てくる直前にも、タブゾンビと氣志團に拍手で見送られてきたという。

1曲目は「純恋歌」。歌詞の一部を“桜島の下で一緒に歌おうぜ”に替えて、大きなシンガロングを巻き起こすと、続く「応援歌」では、“夢を捨てるな、立ち上がれ”とストレートに鼓舞する。強烈なインパクトを残したのは、明治時代に歌われていたという“演説する歌”=演歌として紹介された「あきらめ節」だった。お上の悪政に苦しめられ、税を納めるために働く日々の不運を“こんな浮世に生まれてきた”と嘆き、あきらめる歌だが(それをこの増税タイミングに歌う皮肉も感じつつ)、最後はきっちり「あきらめちゃダメだよ」と優しい言葉で締めくってくれる。

<いつかは掴むあの札束>と身も蓋もなく歌う「札束」でも、“じいちゃんとばあちゃんが眠る鹿児島から、がんばれ~”と、この場所ならではの言い回しへと歌詞を替えて歌い切った全6曲。しみったれた生活の匂いのなかに、泥臭いハングリー精神を滲ませたフォークシンガーのような佇まいには、令和の時代を迎えようと、人として貫くべき大切なものが込められていた。

取材・文=秦 理絵
新羅慎二(若旦那)
新羅慎二(若旦那)

■Jazztronik

Jazztronik
Jazztronik

サウンドチェックで天倉正敬(Dr)が、スネアをずっとパッド的な音で打ち込みのように叩き続けているのが謎だ。一瞬にしてトリオがステージ上に勢ぞろいしたかと思ったら野崎良太(Pf,Key)のオルガンの荘厳な響き。「全員がパーカッションのつもり」というトリオ編成による抜群の抜き差しが心地いい、まさにパーカッシブなアンサンブルだ。

野崎の鍵盤がピアノに移り、ブラジリアンな趣きを出すと、すかさずリズムも変化していく。藤谷一郎(Ba)のプレイも音符の長さや跳ね方が変幻自在。でも、確かに出音を浴びていると心地いい短い衝撃にツボを押されているよう。ビート・マッサージとでもいうような体感が、ちょっと傾いてきた西陽や吹く風と相まって今日1日のカオスをほぐす。

序盤、ベースをメロディ楽器として聴かせる「From the picture」のプレイ中にはどこからかシャボン玉が飛んできて、チルな気分に。サルサのビートを淡々と叩くとハウス的だなと感じたのだが、もしかしたらこれがサウンドチェックの時の規則的なビートの正体だったのかもしれない。ビートに没頭して頭を空っぽにできる時間。振り返ると桜島。なんてシチュエーションだ!

終盤の「守破離」では天倉の人力ブレイクビーツ的なタイトなドラムが、さらに身体に直接当たってくる快感。野崎のメロディはマイナーコードの和を感じさせるものだが、とてつもなくダイナミック。

ラスト1曲を前に野崎は“ヘス”への感謝を述べ、「Jazztronikは今年30年。いつもはボーカリストが出てくるライブも多いんですが、このトリオも力を入れています」とメンバーを紹介。ソロ回しなどインストバンドならではの聴かせどころ満載で、クラップを求めると、フィールドも呼応。「SAMURAI」というタイトルは今の時代、こうしたバンドアンサンブルの抜き差しに満ちるテンションにぴったりだ。チルから白熱へ。30分のセットながらトリオの世界観を堪能させた。

取材・文=石角友香
Jazztronik
Jazztronik

■藤巻亮太

藤巻亮太
藤巻亮太

黄昏時。こんな時間に野外で味わう藤巻亮太のライブが悪いはずない。タイムテーブルを眺めているだけじゃ、ここまでは想像できないんだよなあ。何はともあれ、これで彼を迎え入れる舞台は整った。

藤巻がステージにゆっくり現れると、観客から温かい拍手が贈られ、人が一歩、また一歩とステージへ近づいていく。アコギ1本にバスドラムという“ワンマンバンド”スタイルで彼が歌い始めたのは「五月雨」だった。真っ直ぐに伸びていくほんのり湿り気のある声が優しく耳朶を打ち、疲労が溜まってきた体にじんわりと染みていく。

タイトルコールだけで歓声が上がったのは「Sakura」。季節的には真逆だけど、いい曲は時期を問わない。それは与論にいたみんなが肌で感じていたはず。広場を吹き抜ける風が気持ちいい。

このまま穏やかに進んでいくと思いきや、「3月9日」ではゲストとして主催者タブゾンビが呼び入れられた。タブゾンビによると、彼が“ニートだった頃”に藤巻が声をかけ、レコーディングに参加することになったという。笑い混じりにそんなエピソードを明かしてから披露した演奏がとても素晴らしかった。タブゾンビによる情感たっぷりなトランペットは、どこか遠くで鳴っているような、深くて優しい音で藤巻の歌とアコギに寄り添った。これは本当にいいものを見た。与論にはこの日一番じゃないかというぐらい温かな拍手が鳴り響く。この曲が弾みとなって、「南風」では観客の熱がグッと高まり、より一体感が高まっていった。藤巻のボーカルもここでピークを迎えたと言える。

ここまではレミオロメン時代の曲が続いたが、最後に披露されたのはソロ名義の「マスターキー」。彼が世界中を旅し、スラム街や様々な場所を訪れるなかで生まれた楽曲だという。言葉を次々と紡いでいく節回しは60~70年代のフォークソングのようでありながら、サビで大きく展開するメロディーは雄大で美しい。世界中を回った末に生まれた歌は、純粋に心に訴えかけてくるものだったのだ。もしかしたら、ここで観客が求めたのはレミオロメン時代の楽曲だったかもしれない。しかし、この歌で締めたことに意味があるステージだったと強く思う。

取材・文=阿刀 “DA” 大志
藤巻亮太
藤巻亮太

■t-Ace

t-Ace
t-Ace

「今日はこれまでのライブで過去イチ、メラメラです」と気合いを漲らせ、1日目、与論ステージのトリ前に登場したのは、いまYouTubeで尋常じゃない再生数を誇る新世代ラッパー・t-Aceだ。

冒頭の「超ヤバい」や「タイトドレス」「ワンチャン」でセクシーなダンサーを招くと、クールなトラックにのせ、“ギャルを見つけて持ち帰りたい”“あの子ヤリたい”といった性欲を剥き出しのリリックを紡いでいく。頭のなかは酒と女のことだらけ。「こんな大きなフェスで言うのもアレですけど、セックスしたいなと思って。あははは!」と、MCでも、まさに“エロ神クズお”というキャラクターが全開だが、それこそ彼の生き様なのだ。

「みんな、いつかジジイ、ババアになるわけですよね。乳が垂れたり、ほうれい線ができたり。でも、人間は楽しく生きる権利がある。遊ぶことをあきらめるのはダメ」と、言うべきことをきっちりと言う。沖縄で生まれ、一時は暴走族に身を寄せ、少年院にも入ったこともある。そんな自分の過去を曝け出し、夢をあきらめるなと訴えたラストソング「Sweet 19 Blues」(安室奈美恵のサンプリング)のころには、彼が愛される理由がよくわかった。エロにまみれ、集まったお客さんに対して「ブス!」と暴言を吐きながら、そこには、この命を全力で謳歌してやるんだ、という熱い人生哲学が貫かれているのだ。

取材・文=秦 理絵
t-Ace
t-Ace

■テスラは泣かない。

テスラは泣かない。
テスラは泣かない。

与論ステージのトリ=クロージングアクトは、地元・鹿児島出身のテスラは泣かない。だ。泥臭いロックサウンドに、飯野桃子(Key)が奏でる繊細なピアノのフレーズが折り重なる「ダーウィン」「Lie to myself」で会場に集まったお客さんを一気に踊らせていく。

感情の渦を燃え上がらせてゆくようなテスラのロックサウンドは、地元・鹿児島の桜島になぞらえて、マグマロックと言われるが、彼らのステージを見ると、その意味がよくわかる。身体の奥に滾らせた孤独や愛、葛藤、抑圧された希望を、そのまま音に変えて爆発させるその音は、まさに鹿児島の土壌が生んだマグマそのものだ。
テスラは泣かない。
テスラは泣かない。

MCでは、「わっぜえ最高にしたいので……」と鹿児島弁で意気込みを伝えようとした村上学(Vo,Gt)だったが、お客さんのポカンとした様子に、「東京風に言うと……超最高にしたいので。よろしくお願いします!」と言い換えて笑いを誘った。

大きなリズムのなかで強く“自由”を希求するバンドの新境地「自由」から、「アテネ」「アンダーソン」までライブアンセムを畳みかけたクライマックス。さらに、アンコールでは、村上が「東京には武装しまくって行くんですよ。でも、鹿児島っていう帰る場所があるから、僕らは戦える」と、地元への想いを伝えると、それを音楽に託した「Like a swallow」でライブを締めくくった。言葉で何かを伝えるのはあまり得意ではないバンドだが、4人が鳴らす音そのものが言葉以上に雄弁に想いを伝えるステージだった。

取材・文=秦 理絵
テスラは泣かない。
テスラは泣かない。

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