【レシピあり】酢豚にパイナップルを入れた犯人が判明 → 清朝生まれの中国料理『古老肉(ぐーらおろう)』 沢井メグのリアル中華:第16回



かつて中国住みだった沢井メグが中国料理を粛々と作るコーナー『沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』。

第15回では酢豚の “原作候補” のひとつである「糖醋排骨(たんつーぱいぐー)」をご紹介したが、今回はもうひとつの候補をご紹介したい。その料理「古老肉(ぐーらおろう)」が有力候補である最大の理由は、パイナップルである。

・パイナップル入りの肉料理「古老肉」
「古老肉」は中国人に「日本の酢豚の元の料理ってなに?」と聞くと、前回ご紹介した糖醋排骨と並び名前が挙がる料理だ。咕咾肉や咕噜肉と表記することもある。

どちらも甘酸っぱい肉料理。糖醋排骨は浙江省と江蘇省が起源と言われているのに対し、古老肉は広東省が発祥の地と言われている。

糖醋排骨との最大の違いは「パイナップル」が入るかどうか、ということ! いや、日本の酢豚のようにパイナップルを入れない店もあるが、スタンダードなところでは入っている可能性が高いのである。これはかなりの有力候補。その材料や作り方からヒモ解いてみよう。

【材料】
・豚肉ロースブロック:200g ※バラブロックでもOK
・パイナップル:150g(缶詰のもので4~5枚くらい)
・ピーマン:1こ
・パプリカ:1こ
肉の下味用
・胡椒:少々
・塩:少々
・片栗粉3g
・卵黄:1こ分
味付け用
・醤油:大さじ1
・ケチャップ:大さじ3
・酢:大さじ2
・砂糖:20g
・味覇など中華スープの素:小さじ1/2

【作り方】
1.豚肉を1~1.5cm角に切り、塩、コショウで下味をつけて、卵黄→片栗粉をまぶしておく。

2.ピーマンとパプリカ、パイナップルを食べやすい大きさにカットする。味付け用の調味料を混ぜておく。

3.1の肉を多めの油で揚げ焼きにする。表面がキツネ色になったら一度、皿にもどす。よりヘルシーにいきたい場合はオーブン焼きにしてもOKだ。

4.フライパンに油をしき、2で混ぜた調味料を投入。ピーマン、パプリカ、パイナップル、3の肉を入れて炒める。煮汁が飛べば完成!

・ほぼ酢豚
材料を見て気づいた方もいらっしゃるだろう。「ほぼ酢豚じゃないか!」と。その通り、味はほとんど日本の酢豚。違いを言うなら酸味が控えめと言ったところだ。

ただ不思議なことに、とても似ているにも関わらず、パイナップルの存在に違和感がない。パプリカという野菜のような果物のような存在が、パイナップルのフルーツ感を馴染ませているように感じられる。

これなら酢豚のパイナップル否定派にも「一度食べてみて」とオススメできる。正直、私は酢豚より古老肉の方が好きだーッ!

・結局のところどちらが “原作” なのか
結局のところ、酢豚の元になった料理は糖醋排骨なのか古老肉なのか。広東省人民政府によると、古老肉は清の時代(1644~1912)に誕生したという。欧米人に大人気だった糖醋排骨を彼ら向けに改良したのがこのパイナップル入りの古老肉なのだとか。

その後、古老肉は当時の満州経由で日本にも伝わったと言われている。細かい部分は諸説あるものの、糖醋排骨→古老肉→酢豚という流れであるようだ。

ああ、それで両方とも「酢豚の元の料理」と言われ、どちらも間違いとは言えないわけだ。両者の違いをもう一度まとめると……

古老肉 → パイナップル入り。味付けにケチャップが使われるなどほぼ酢豚だが、日本のものより酸味控えめでマイルド。

糖醋排骨 → 醤油、砂糖、酢というシンプルな味付け。より酸味が少なく甘い。

という特徴があってウマイ。好みに合わせて作りわけたり、食べ比べをすると欧米文化が入ってきた頃の中国の歴史を感じられるかもしれない!

参考リンク:広東省人民政府
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

★こちらもどうぞ→『沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』シリーズ

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