松岡充主演、音楽で魅せる新機軸 エン*ゲキ#04『絶唱サロメ』フォトコール&会見レポート

SPICE

2019/10/6 06:00


エン*ゲキ#04『絶唱サロメ』が2019年10月5日(土)、東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。俳優の池田純矢が作・演出を手掛ける「エン*ゲキ」シリーズ4作目。初日直前に行われたフォトコールと囲み会見の模様をレポートする。

オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』を原案に、古典と音楽、演劇の要素を融合させた書き下ろし作品。ユダヤの王により地下牢に幽閉され、唱う言葉が次々と現実となる不思議な力を持つ預言者・ヨカナーンを松岡充が演じる。


フォトコールはオープニング、メインテーマの披露からスタート。ヨカナーンが壮大に歌い始めたかと思うと、疾走感あふれるバンドサウンドへと曲調が変化。あっという間に高揚感で満たされ、本作が掲げる「究極の“LIVE ENTERTAINMENT”」を体感する。




余韻に浸る間もなく、舞台は王宮へ。絶対的な権力を持ち、傲慢で粗暴なヘロデ・アンティパス王(鈴木勝吾)。そんな義父から向けられる悍ましい視線に嫌気がさすサロメ(豊原江理佳)はある夜、ヨカナーンの唄声を聞き、その美しさに魅了されていく。


鈴木勝吾
鈴木勝吾

物語の鍵となるのは、「風」や「炎」などの事象を念じて唄うと具現化される不思議な力。随所に歌唱シーンが散りばめられ、主演の松岡をはじめ、高い歌唱力を持つキャスト陣の歌声を存分に堪能することができる。
納谷健
納谷健
池田純矢
池田純矢

池田が「本作で1、2位を争うエンターテインメント性の高い曲」として挙げたのはヨカナーンと首切りナーマン(小浦一優/芋洗坂係長)の一騎打ち。バラエティに富んだ楽曲にダンスあり、アクションありと盛りだくさんの展開でたちまち客席を熱狂の渦へいざなう。


松岡充
松岡充

鬼気迫る決闘あり、時に笑いを誘うコミカルなシーンもあり。新機軸を打ち出した池田版・サロメだが、もちろん原典における名場面も健在。ヨカナーンの生首を抱くサロメの狂気に満ちた姿には息をのんだ。
豊原江理佳
豊原江理佳

芝居と音楽に彩られた濃密な時間。クライマックスも独自の展開を見せるという本作の結末はぜひ劇場で見届けていただきたい。


フォトコールの直前に行われた囲み会見には松岡らキャスト8名が登壇した。

本作への出演について、「俳優人生15年目にして新たなチャレンジ」と表現した松岡。池田からの熱い出演オファーについて尋ねられると「もちろん参加理由の一つだが、彼をクリエイターとして尊敬していて何か楽しいことができるという期待が一番大きかった。僕以上に松岡充の魅力をわかっていて、お芝居に当てはめて表現することを計算している」と語った。

豊原は演じるサロメについて「ヨカナーンに会って自由を求め、愛を知って成長していく少女」と述べ、「台本をいただいたときから特別で大好きな作品。初日を迎えるのが楽しみ」と意気込んだ。

ヘロディア妃を演じるシルビア・グラブは「こんなにがっつり衣装を着てメイクをした状況で、紀伊國屋ホールという劇場のサイズに収まるかは心配ですが、とにかく頑張って初日を迎えたいです」と作品の壮大さに言及。吉田仁美は演じるヘロディア王妃の側女・ラバンを「サロメとは対照的な役。作品全体が愛のお話だが、そのなかで唯一愛を知らない女の子」と表現した。


首切りナーマンを演じる小浦(芋洗坂係長)が「ヨカナーンをいたぶりつくす役なので、お客様を恐怖のどん底に陥れたい。テーマパークのアトラクションの一部のような感じで見ていただけたら。笑わせるところは一切ございません!」と宣言すると、キャスト陣から「フリだね」とツッコミが入った。

「役と世界観のリアリティのなかでお客様に届けられる芝居ができたら」と意気込みを語った鈴木は、「エン*ゲキ」シリーズ皆勤賞。本作について「今回の作品の大きさや内容は彼(池田)自身にとっても挑戦的な作品。積み上げてきたものがどう繋がっていくのか、ターニングポイントになる瞬間では」と述べた。

納谷健はヨカナーンが幽閉される地下牢の門番で、サロメに思いを寄せるナラボートを演じる。「王女様に思いを馳せつつ、いち兵士の生きざまを燃やしたい。稽古段階から果てがなく、初日を迎える不安はありますが、やってきた稽古を信じて頑張ります」と真摯に語った。

作、演出の池田はヨカナーンに付き従う謎の男・ガブリエルとしての出演について「予算の都合です(笑)」とユーモアを交えつつ、「今では自分の役だと思うくらいに積み上げてきた」と明かした。本作について「もう自分の手から遠く離れていて、『あれ、こんな作品作ったっけ?』と毎日思うくらい感動している。上演されている瞬間、ここが世界の中心だと思っているくらいの意気込みです」と熱を込めた。


質疑応答では、松岡が預言者という役どころにちなみ、予言を求められる一幕も。予想外の質問に「たぶん、タピオカの代わりにわらび餅がブームになります」と流行に対する独自の見解で笑いを誘いつつ、「これまでに見たことのない、綿密な世界観。端的に伝えるのは難しい作品だが、難しかったと言われるのは負け。表現して客席に伝える、その先の想像にまで導くというのがキャストとスタッフの役割」と公演を駆け抜ける決意を述べた。

取材・文・撮影=潮田茗

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