台場に完成した東京五輪会場の問題点。強烈な日差しが観客を襲う

日刊SPA!

2019/10/5 15:50

―[今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪]―

~第73回~

フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。

◆お台場に完成した東京五輪会場をさっそく視察

今回はより本番に近い穴場感を探るべく、東京五輪・パラリンピックに向けて新設された競技会場を視察に向かいました。訪れたのはボート競技の会場としてお台場のさらに先にある埋め立て地に作られた海の森水上競技場。東京五輪のテストを兼ねてこちらで行われた世界ボートジュニア選手権の物見遊山が目的です。

電車などの引き込みはない場所のため、会場へ向かうためにはシャトルバスを利用せよとの運営側からのお達し。集合場所ではチケットを持っていない人のための臨時の券売所と、テント形式の入場ゲートが設けられています。さらに奥にはシャトルバスを待つためのテントが。運営側からの熱中症防止策への感謝と、思いがけずテントからあふれた観衆のにぎわいにより、早速全身から汗がふきだしてきます。

バスで揺られること20分ほど。クルマ用の太い道路で行く道のりは、「歩いていくのはキツイし、歩いて帰るのもキツそう」というもの。どこに連れて行かれるのか、ちょっと不安になる感じもあります。道中にはガスタンクやら石材置き場などがあり、さらに競技会場付近には巨大な風力発電用の風車も立っています。行楽地というよりは工業地帯。基本的に遊びに役立つものは何もありません。

海の「森」とは名ばかりに、切り開かれた広大な土地にはお店もなければ木陰もありません。ボート競技用の2000メートルの水路の両サイドに、ただただ空き地が広がっています。岸辺にはわずかに草が生え、そこにいくつかの企業ブースが出展されているばかり。

近くに立っている風力発電機の持ち主であるJ-POWERさんは熱心に塩飴を配布し、サロンパスでおなじみ久光製薬さんは冷却剤などをアピール。しかし、この日の東京は好天に恵まれ、遮るもののない広大な空き地にさんさんと日光が降り注いでいます。観衆たちも「飴とか冷却剤でどうこうという次元ではない……」と休憩所として設けられたテントの下で肩を寄せ合って涼んでいます。暑いときに逃げ込むコンビニ等はこの地域にはないので、避難所はココしかないのです。テント内には「扇風機をつけていただけただけでもありがたい……」という感謝が広がっています。

◆おすすめは「自由すぎる」自由席!?

観戦チケットを握りしめ、ゴール地点にありますグランドスタンドへ向かいます。しかし、颯爽と入場しようとした僕は係の方に制止されます。どうやら僕が持っていた自由席券ではグランドスタンドには入れず、入場するならあと2000円払えとのこと。遠くからグランドスタンドを見て、「屋根がかかっていない手前側が自由席だろう」と勝手に思い込んでいた僕は、振り返って「自由席ってどこ!?」と探してしまいましたが、なるほどよく見たらありましたわ……自由席が……。

さすが大会後も残す恒設のグランドスタンド。着席すれば、座り心地も素晴らしい。一見するとタダのプラスチック椅子に見える座席ですが、座席内に空気を入れてあるようで、座るたびにプシューッと鳴って空気のクッション感を得られます。長時間座っていてもお尻が痛くならない未来型のプラスチック椅子です。大型ビジョンはこの日差しのなかでもクッキリと表示され、大変見やすい。最近話題の「東京湾のトイレ臭さ」などもまったくありません。東京ゲートブリッジを望む景観も最高です。

ボート競技は欧州での人気が非常に高いこともあって、ドイツ、オランダ、イタリアなど各国から多数の観衆が訪れています。この大会では、グランドスタンドの屋根のついている部分が外国からのVIP様に充てられていたため、そこだけまるでヨーロッパの雰囲気。見た目や雰囲気、それぞれのスタイルでの応援風景など、「五輪だなぁ」という実感がグッと高まってきます。

◆過酷な日差しに耐えるための準備は必須!

ただ、南東向きに設置されたグランドスタンドは遮るもののない解放感によって、絶え間なく直射日光にさらされています。VIP席には屋根があるとは言え、日陰となるのはスタンド上部だけで、基本的にほぼ全域が日光を浴びる状態。僕も暑さには強いタイプなのですが、本番ではかなり準備して臨まないといけないなと思いました。

「スルメを干す台にずっと乗せられている感じ……」

あらかじめ用意された日陰は少なく、周辺地域にエアコンの効いた屋内はほとんどなく、具合が悪くなってもすぐにお台場には戻れない。水分と塩分、そしてなるべく日差しを浴びないように帽子や日傘、タオルなどの準備は欠かせないものとなるでしょう。現地には何も助けになるものはない、くらいの覚悟で臨むべき場所です。

ボート競技では2000メートルの距離を漕ぎ、その早さで競います。2キロありますから、どこかの1地点から全部を観戦することはできません。以前の観戦では僕もスタートからゴールまでを何往復かしながら見守ったものです。しかし、改めて7月・8月という時期を考えると、動き回るのは少し厳しいかもしれません。とにかく暑いので……。

本来なら勝負の決着がつくゴール手前のあたりで見守りたいところですが、そのあたりは恒設・仮設のスタンドになることを考えると、コース中間あたりの岸辺沿いにあるさきほどの芝生………C席自由席(立見)で見守るのがよいかもしれません。そこでしたら位置取りを変えることで、日傘を差す程度の融通は利くでしょう。

グランドスタンドの座り心地は確かによいのですが、日傘を広げるのはやはり気が引けます。その点、「立ち見の自由席」ならば、ゴザでも敷いて日傘を広げれば、気持ちいい観戦もできるはず。小池都知事オススメの笠みたいな帽子をお持ちの方はグランドスタンドへ、普通の日傘の方は立見の自由席へ。そんな住み分けができるといいのではないでしょうか。どの道1か所では全部は見られないわけですし、グランドスタンドのチケットを持っていても、ここぞというレース以外は立見席に退避していてもいいくらい。

とにかく日陰、日陰に居ることが何よりも重要となる会場です。冷却剤や塩飴よりもまず傘、あるいは笠を持っていってください!

ていうか、このミストシャワーとテントを全域につけておいてもらえると助かります!

あと持ってくるのを忘れた人のための笠屋も!

―[今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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