結愛ちゃん虐待死、裁判で両被告が流した“涙”の意味 臨床心理士が指摘する歪んだ「心理的正常性」

AbemaTIMES

2019/10/5 08:00



 東京・目黒区で船戸結愛ちゃんを虐待死させた罪などで起訴された船戸雄大被告の裁判で4日、被告人質問が行われた

午前中の被告人質問では、雄大被告がなぜ暴力を振るうようになったのかについて、弁護側と検察側から質問が集中。起訴内容になっている去年2月の結愛ちゃんへの傷害事件について、雄大被告は「時計の勉強を1人でやるように命令していたら結愛が寝ていて、本人に怒った口調で問い詰めた」とした上で、「風呂場に連れて行き、シャワーで顔に冷水をかけた。結愛は苦しそうで嫌がっていた」「殴ったのは全力というわけではないが、手加減はしなかったと思う」と話した。


 3日の裁判では、母親の優里被告と雄大被告はともに涙を流し感情をあらわにしたという。テレビ朝日社会部の古賀康之記者によると、証人として出廷した優里被告は泣き崩れたり取り乱したりしていたといい、2人はつい立てで直接顔を合わせることはなかったものの、優里被告が叫ぶような声を上げると雄大被告もうずくまってタオルで顔を覆い泣いていたという。

また、2人の涙について古賀記者は「優里被告自身の裁判でもそうだったが、どう事件に向き合うのか、事件にちゃんと向き合えていないんじゃないかという印象を受けた。当時の状況を思い出すことで自分のつらい思い出が浮かんでしまって泣き崩れるという状況だった」「雄大被告は若干冷静な部分もあって、自分は何でこんなことをしてしまったんだろうというような形でうなだれていた」との見方を示した。


 今回の事件について、アーサー・ホーランド牧師は「こういう事件は他人事ではなくて身近に起きていることだし、自分も子どもを育てている者として襟を正さなければいけないメッセージだと思う。そういう意味では社会の縮図を見せられている気がする」とコメント。

続けて、「昔は家庭の中に“生きたニュース”があって、家族団らんテーブルを囲んで食事したり会話をしたりする中で、モラルや道徳的なことを聞ける場所があった。父親は厳しく、母親は優しく育てようとして、するとおじいちゃんやおばあちゃんが『あなたたちも小さい頃は同じだったでしょ』と助言が入る。今はもう理想で、家庭もそういうわけにはいかない事情が繰り広げられているが、昔はそういう環境の中で子どもは守られ育てられていた」と指摘した。


 臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は、優里被告と雄大被告との関係の中で歪んだ「心理的正常性」がうかがわれると指摘。「優里被告は子どもが虐待を受けていることへの不安や葛藤に対して、おそらく『いずれ家族仲良くやれる』『雄大は育てようと思ってやってくれている』などと都合よく解釈したり児相を遠ざけることで、自身の安心感につなげようとしていたのではないか。」との見方を示す。また、「他人事のように状況を捉えており、行動としては逸脱しているが、隠蔽しようとしたり今後の家族関係に期待を抱く言動は、一定の精神的正常性がないと成立しない。これだけ異常な行動のように見えても、一般的には『人格崩壊』や『精神疾患』が伴っていないことが、虐待が続く要因になることも多い。」とした。


 これを受けアーサー牧師は「2人もそうだけど、(結愛ちゃんが)苦しみを味わいながら生かされたということが悲しい。お母さんも傷を見たり、子どもが『痛い』と言ってきたりしたら察知できると思う。隠しているというか、向き合いたくないということをどこか感じる」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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