ORANGE RANGEが地域密着型イベント『Town Full Music Toyonaka』に出演 ーー豊中市と沖縄市、そして次世代の子どもたちへ繋ぐ思いとは

SPICE

2019/10/4 12:00

10月19日、大阪・豊中市にある服部緑地野外音楽堂にて『Town Full Music Toyonaka』が開催される。本イベントは豊中市にある一般社団法人 豊中青年会議所が主催の下、今回が初の開催となる。出演アーティストはORANGE RANGEを中心に、地元・豊中出身のバンドodd five、ガールズロックバンド革命の2組参加。さらに、同市にある大阪音楽大学、刀根山高等学校の学生チームがORANGE RANGEとコラボレーションするなど、地元を盛り上げるステージが展開される。地元を盛り上げるイベントでなぜ沖縄出身のORANGE RANGEが出演するのか。それは大阪・豊中市と沖縄・沖縄市が兄弟都市提携をしていることが一番のキッカケだという。今回、ORANGE RANGEからYOH(Ba)、豊中青年会議所理事長・横田好秀氏、そして大阪音楽大学の学生・松田マリアさん(大学3年)を交えて対談を実施。イベント開催のきっかけやORANGE RANGE出演のオファーなどについて話を聞いてみた。




――YOHさんは今回のイベント『Town Full Music Toyonaka』に参加するにあたり、沖縄市と豊中市が兄弟都市提携を結んでいることはご存知でしたか?

YOH:いえ、知りませんでした。今回の出演に関するお話をもらってから自分で色々と調べてみたりして。沖縄市にはほかにも兄弟都市や姉妹都市を提携している街がある事を含め、そこで初めて知りましたね。

――今回のイベントは豊中市青年会議所が主催ということですが、イベント開催のきっかけについて教えていただけますか?

横田:まず、青年会議所という団体は各地域にあるものなんです。街づくりや人づくりを日々行っていて、ボランティア活動や次世代のリーダーを育成するための運動を行っています。そして、豊中市は鉄道や高速道路、空港や交通インフラがすごく充実した、とても住みやすい郊外型住宅地なんですね。まちには今回のイベントとなる服部緑地野外音楽堂や、創立100年を超える大阪音楽大学が所在していて、まちの様々な場所で音楽イベントが多く開催されている「音楽の街」でもあるんです。でも、青年会議所という存在そのものが一般の人に周知されていない。そして、豊中という街が「音楽に溢れている街」ということが市外には認知されていない状態で……。

――もっと豊中市の魅力を外へ伝えたいと。

横田:そうなんです。僕が豊中青年会議所の理事長に就任させていただく際に、『SDGs』という国連が世界に定めた2030年までに掲げている「持続可能な開発目標」という目標課題がいくつかあるんですが、それをもっと発信したいとも思ったんです。「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「住み続けられるまちづくりを」などといったグローバル目標があるんですが、それを老若男女、国籍や地域、環境などに関係なく、世界共通で持ち合わせている問題をクリアしていこうというものなんです。それを発信しようと考えたとき、僕は音楽というものは国や人種、宗教、老若男女も関係のない共通言語だと思っていて。音楽は万国共通。それは『SDGs』と同じ共通ルールで、それがコラボレーションすると面白いんじゃないかと思ったんです。豊中には創立100年を超える大阪音楽大学がある。次世代の学生たちが有名なアーティストと一緒に演奏する機会があれば……。そこで演奏する子どもたちの顔が見てみたいとも思ったんです。今の子どもたちが3、40歳になったとき、日本や世界で活躍するようになったときに、このイベントを思い出して豊中市という街のアイデンティティが生まれたら最高じゃないかなって。そんなとき、豊中市と沖縄市が兄弟都市提携45周年を迎えるにあたって、今年は特に大きなイベントを開催しないと知ったんです。それなら僕ら青年会議所のメンバーでイベントを開催しようよということになって。

――そこで声が掛かったのがORANGE RANGEとなるわけですね。沖縄市も「コザ」の愛称を持つ中心市街地にはライブハウスや、今年で36回の開催を迎えた音楽イベント『Peace Full Rock Festival』など音楽に溢れた街としても有名ですよね。

YOH:1945年から1972年のアメリカ統治下にあった時代の流れもあり、兵隊さんを相手にしたお店など今も残っていますね。お客さん同士の交流や、雇用など経済が潤っていた時代もあったんですけど、今はシャッター街になっている場所も増えていて。沖縄市の今後を見据えてどう歩いていくべきか……今までの歴史も受け入れながら色々と考えていくタイミングなのかな、と一個人として、一市民として感じているところです。

――YOHさんご自身は今も沖縄市在住ですが、地元のイベントや自治体などと関わりがあったりするんでしょうか?

YOH:地元のイベントにも出演させてもらったこともあったけど、今後は自分たちがどう関わっていくべきか。沖縄県内でも10、20代で頑張っている子たちがたくさんいるので、自分たちの意志で企画している主催イベントを通し、経験を伝えて、互いに切磋琢磨していけたらいいなと思っているところです。現場を知る事で今後の糧にしていってほしい。そのへんはメンバーの繫がりを土台にしながら取り組んでいますね。

松田マリア(大阪音楽大学3年)
松田マリア(大阪音楽大学3年)

――音楽を通じて若い世代と関わっていく。それはミュージシャン同士でも、異業種間でもそれぞれの楽しみ方がありますよね。今回のイベントでは大阪音楽大学の学生たちとコラボレーションすることが決定しています。今回の対談に来てもらった松田マリアさんは現役の音大生ですが、ORANGE RANGEと共演することを取材当日に知ったそうなんです(情報解禁日と同時)。

松田:本当にびっくりしてるんですけど……。すごく光栄です!

――大阪音楽大学ではどんな勉強しているんですか?

松田:トランペットでジャズを専攻しています。

――ORANGE RANGEの音楽はジャンルレスな楽曲が様々ありますよね。ジャズにも馴染みがあるかと思いますが。

YOH:今、おいくつですか?

松田:21歳です。

YOH:僕らはこの年齢でジャズだったり、何か本格的にひとつのものを学んではいなかったので面白いコラボレーションになるんじゃないかなと思います。

YOH(ORANGE RANGE)
YOH(ORANGE RANGE)

――イベントでは弦楽器や管楽器など、様々な楽器が登場してのコラボレーションになるという噂ですが。

YOH:全国をまわらせてもらうホールツアーでも、その地域の方々と様々な形でコラボするようにしています。思い出のひとつ、1ページに刻んでくれたら嬉しいし、僕らにとってもそれはありがたいことですから。ライブハウスがある街は限られているけど、ホールはどの街にもあるじゃないですか?

――いわゆる市民ホールですね。

YOH:そう。市民ホールの強みを活かしてできる取り組みのひとつとして、2014年からこの5年間ずっと継続してきました。その経験を活かしながらコラボレーションできたらなと思っています。

――本番に向けて、学生さんたちと音合わせをする機会もあるんですか?

スタッフ:本番前日にリハーサルを行う予定です。

――と、いうことだそうですが。

松田:まずはひたすら曲を聴いて……頑張ります!(笑)

――当日は地元出身のバンドも2組出演が決定しています。

YOH:楽しみですね。当日までどんなバンドか知らないまま出会うというのは、インディーズ時代に何度も経験していて、良い出会いもたくさんあったので。イベント当日もそういう出会いがあるといいなと思いますね。

横田好秀(豊中青年会議所理事長)
横田好秀(豊中青年会議所理事長)

――主催者として、どんなイベントになればいいか。イメージはありますか?

横田:以前に招待を受けて、とあるアーティストのライブに作品を1曲も知らない状態のままで観る機会があったんです。しかも会場は東京ドーム、5万人近いお客さんがいるなかで。グッズを買うために外に並んでいたり、会場の中でライブ本番を待っているだけでも、みんな幸せそうな顔をしているんですよ。ライブの空間はとにかく吸い寄せられるし、アーティストとお客さんの一体感もすごくって。その時に、あのステージで若い子たちが一緒に演奏していたらきっと楽しいだろうなって感じて。ORANGE RANGEさんたちは19歳と若い年齢でデビューされていて、今回コラボしていただく音大生のみなさんと同じような世代になるんですよね。ORANGE RANGEさんにとってはたくさんあるイベントの中のひとつかもしれないんですけど、学生さんたちにとっては一生記憶に残るシーンになるかもしれない。僕たちは地域の人間として、将来のある若い子どもたちに何かをしてあげたいんです。それが出来ると僕たちも幸せになれる。今日のこの対談も幸せですが、この空間をイベント当日も作れたらいいなと思います。

――ORANGE RANGEにとって、いつもとは違うプレッシャーがありそうですね(笑)。

YOH:ライブでは常にプレッシャーはあるんですけど、さっき横田さんがおっしゃったように「人づくり」という言葉は自分でも、ここ最近よく考えるワードのひとつでもあるんです。なので、その緊張感さえも健康的じゃないかなって思いますね。でも、楽しみのほうが勝っていますけどね。

横田:シンプルに、会場に一体感が生まれたら、それだけで素晴らしいんだろうなと思いますね。イベント全体ではなく、例え1曲だけでもいい。その瞬間、ORANGE RANGEさんと学生、お客さん、そして僕らスタッフがひとつになれる。その空気をみんなで吸えたらいいなと思っています。イベント当日はライブだけでなく、SDGsに関連した世界各国のフードが食べられるブースの出店も予定しています。また、来場者の方にはペットボトルのキャップを持参していただき、それをワクチンに換える運動なども行う予定です。



――最後に、イベントに懸ける意気込みをお願いします。

YOH:今日、色々な話を聞かせてもらって確認できたこともありました。こういったイベントに出演すると、一般的にどうしても沖縄アピールで止まっちゃうことが多いんですよね。それってすごくもったいないと思っている自分がいて。豊中に生まれて良かった、大阪にいて良かった、とそう思ってもらえるような1日にしたいです。そこに行くためには街ひとつひとつを本当に大事にしていないと、そういう空間を作り上げることができない。今まで全国たくさんの場所を巡って、そういう感覚は自分たちの中でも生まれてきているので、みんなでこの街に生まれてよかった、ここにいてよかった。そう思える空間に繋げたいです。ずっと継続してきた自分たちだからこそできることがあると思います。素敵な1日に出来たらいいですね。

横田:豊中青年会議所の今年のスローガンは「共生共創」。色んな世代の人たちと一体感を作ることが「共生」。「共創」はイノベーション、色んな人が集まればイノベーションが起きると思うんです。今回ORANGE RANGEさんとコラボする学生たちが10、20年後にイベントのことを思い出して沖縄に行ってみようと思ってくれたりするだけでも、僕らにとってはイベントが成功したということ。もし彼女がトランペットで大きな成功を収めて、演奏家として活躍した時に「ORANGE RANGEさんと共演したんです」なんて会話がどこかで生まれる、それだけでも成功なんです。そんな感じの1日になればいいなと思っています。

松田:横田さんがお話されていた、ライブで得た一体感に感動したという言葉があったように、ORANGE RANGEさんと一体感のあるライブができるようにしたいです。そのために、本番まで必死に練習して。真心を尽くしてライブ当日を迎えられるようにしたいです。よろしくお願いします!



――今回のイベントをキッカケに、将来、学生がORANGE RANGEと再度共演することもあるかもしれない。いつものライブとは違った楽しみがありますね。

YOH:音楽の道もそうですけど、一人の人間が成長するなかで次の世代のことを考え出すタイミングみたいなものって、おのずとやってくると思います。その時に思い出してもらえたら嬉しいですね。あんな1日があったな、自分は次の世代にどんなことができるのかな、どうやったら良い繋がりが生めるのかなとか。もちろん、音楽で再会できるのが僕らにとっては一番素晴らしいことですけど、どんな形でもいいのでこの1日が何かキッカケになるとしたらやる意義はあると思います。

横田:もし子どもたちがすごいプレーヤーになっていたら、今度は僕たちがチケットを買って観に行くんで! もちろんグッズもフル装備にして(笑)! その時は僕らもめちゃくちゃ幸せだと思います。イベントを体感した子どもたちは地域の次のリーダーになっていくだろう子どもたちばかり。その彼らや彼女たちが各地域で活躍するときに、この日の思いが繋がっていけばきっとまた素敵な何かが起きるんだろうなって思いますね。

――イベント開催前から楽しみが尽きないですね。

取材・文=黒田奈保子 撮影=田浦ボン

当記事はSPICEの提供記事です。

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