親は子供に「うちは裕福である」と思わせないほうがいい!?/ひろゆき

日刊SPA!

2019/10/3 15:54

―[僕が親ならこうするね]―

◆「子供に不自由をさせたくない」という考え、どうなんでしょう?

どんな親でも、「子供に不自由な思いをさせたくない」というのは、感じていると思います。

でも、何不自由なく育てたからといって、それが子供のためになるかというと、ちょっと微妙な気がしています。

実際に、何不自由なく育てられた元事務次官の息子が、最終的にニートのネトゲ廃人、いわゆる“こどおじ”みたいになった結果、親が今後のことを考えて困り果てて殺してしまう、なんて事件も発生していますよね……。

もちろん裕福なら、いろんなことを子供にしてあげることはできると思います。ただ、裕福にもいろいろとパターンがあって、場合によっては子供にとって弊害になっているなんてこともあったりするんじゃないかと思うんですね。

ちなみに、僕は今までに「裕福な子供」というのを何人か見てきたわけですけど、こんなパターンがあったりしました。

●「親が事業を起こして裕福になった」

●「もともと裕福な家系で育った」

●「子供の感覚的には裕福だけど、実は大して裕福ではない」

の3つなのですが、それぞれ子供が受ける影響というのは全然違ったりします。

まず、親が事業を起こしたパターンの子供は、タレントの子供みたいに覚せい剤を使用して何度も捕まってしまう人がいたり、有名タレントの息子というコネでテレビ局や企業に入ったけど窃盗で捕まったりと妙なことになったりすることがあったりします。

もちろん、子育てに成功して子供を真面目な大人に成長させている場合もあります。ただ、親は事業を起こせるだけの才能があるし、金銭感覚もまともだったりするものの、やっぱり忙しかったりするのですね。なので、子供と一緒にいる時間をつくって物事の考え方とか教えたりせず、子供にお金だけ渡して済ましてしまう感じなのだと思います。これだと金銭感覚はおかしくなりますよね。

次に代々裕福な家系で育った子供ですが、この場合、家が裕福であることは知っているものの、金銭感覚はしっかりしてる子供が多いような気がします。

理由としては、代々裕福な家系なだけに親がその状態を続けようとするのと、裕福な家系の知り合いが増えたりすることで立ち居振る舞いを学ぶ機会が多くなって、自然と敵をつくらないための方法だったり、家系を維持するための方法を学んでいくんじゃないかと思ったりしています。

そして、厄介なのが最後の「子供の感覚的には裕福だけど、実は大して裕福ではない」パターンです。例えば、小学生なのに毎月1万円のお小遣いをもらえる家庭だと、子供は自分の家が裕福だと思ってしまいますよね。でも、大人になって実態がわかってみると、母子家庭でお母さんが水商売や性風俗産業で働いていた、みたいな話があったりします。

親が事業を起こしたパターンと一緒で、親が忙しいので子供にお金だけ渡してしまうこともあるとは思うのですが、それとは別にお金に余裕のない生活をしているので、「子供にはそんな思いをさせたくない」という思いから、平均以上のお金を子供に渡してしまった結果、子供がまともな金銭感覚を持たないで育っちゃったりするというものですね。

◆親は子供に「うちは裕福である」と思わせないほうがいい!?

実際に家が裕福な2パターン(親が事業を起こして裕福になった/代々裕福な家系)だったとしても、「子供に不自由な思いをさせたくない」と親がお金を毎回出していると、親が環境を提供してくれるのが当たり前だと思ってしまい、「社会人になって働くより親からお金を貰ったほうが楽」、「無駄遣いしても遺産があるし」という考えになってしまうんですよね……。

そもそも、子供のコミュニティの中で、裕福であると見せることのメリットは、そんなにないと思うんですよね。子供なんて、お金を使わなくてもいろいろな遊びを自分たちで見つけ出したりするわけで、せいぜい「おもちゃを持っていることを自慢できるかできないか?」くらいでしかないです。

それにもかかわらず、親が子供に裕福であると感じさせるのであれば、それはアクセサリー感覚か自慢したいだけなんじゃないかと。

本当に裕福な家庭であれば、子供を裕福そうにひけらかす必要はないわけです。むしろ裕福じゃない人が、子供を裕福に見えるようにしたがる傾向もあるんじゃないかと思ったりしています。

そう考えると、むしろ裕福に見えることのデメリットのほうが大きいような気がするのですよ。

裕福であることに快感を覚えると「お金がなくて卑屈な態度をとりたくない」とか考えるようにもなりますし、裕福そうに見えるから近づきたがる人が寄ってきたりもします。でも、そうやって寄ってくる人って、基本的にろくな人がいなかったりしますよね……。

誰もが、そんなことは言われなくても理解していると思うのですが、子供時代に裕福であることから人が寄ってきてくれた経験から「お金がない」と堂々と言えなくなって、必要もないのに奢ったり、たかられたり、頼まれたら払ってしまったりと、自分自身でお金のコントロールができなくなってしまうと思うのですよ。

だから、裕福であろうと裕福でなかろうと「払えないものは払えない」と言える習慣をつけておいたほうが、仮に将来的にお金持ちになったとしても、お金を維持できたりするのです。

とある記事によれば、ここ10年間で宝くじの1等に当選した人の8割は、その後、借金生活をしているそうです。「払う必要のないものを払わない」とか「買わないで我慢する」って難しいのかもしれないけど、それを乗り越えないと貧乏まっしぐらなので、早めに慣れたほうがいいと思うんですよね。

僕はよく「お金を使わない」とか言われていますけど、子供の頃から裕福じゃないと思っていたというのは、あると思うのですよ。

僕の親は公務員だったので普通に考えれば貧乏ではなかったはずなんですけど、親からは「ウチは貧乏だから」と言われて、ゲームとかも買ってもらえませんでした。そんな生活が染みついているからか、今でも無駄なものは買わないし、定価で商品を販売しているコンビニで買い物もしなければ、打ち合わせに行くときは家で作ったお茶を持参したりもしています。

どんなに裕福でも、お金というは有限なので最終的にはやりくしなければいけません。それを教えるためには、裕福だろうとなかろうとやっぱり「お金はそんなにない」ということを子供には言ったほうがいい気がするのですよ。

―[僕が親ならこうするね]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねる・ニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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