死別に悲しむ人にかけるべき言葉、かけてはいけない言葉


身近な人が亡くなった死別の悲しみはつらいものであり、対応には注意が必要です。

知り合いが悲しみに打ちひしがれているとき、あなたならどう声をかけますか?

いえ、もっと大事なのは、何を言わないでおきますか? もちろん、表面的な言葉よりハートが大事なのは言うまでもありません。

でも、心の傷をえぐらないよう、最低限の配慮はしたいものです。

Lifehacker編集部御中

今年はつらい1年です。私の親友が逝き、周囲の友達にも、愛する人を亡くした人が何人かいます。そんなとき、どうやって声をかければいいですか? どんな言葉も不適切に思えるし、何を言っても陳腐に聞こえてしまいそうで。

「言葉にならない」より

「言葉にならない」さん

大変なところ、ご質問ありがとうございます。途方に暮れてしまうのは無理もありませんね。言葉にならない状況はよくわかりますが、気にかけているという気持ち、力になりたいという思いを示すことは、相手にとってはもちろん、あなたにとっても決して悪いことではありません。

「助けてあげたい気持ちに正しいも間違いもない」というのは正論ですが、不本意に相手を傷つけてしまうのはやはり避けたいところです。

そこで米Lifehackerでは、死別に詳しい心の専門家に話を伺いました。誰もが経験するつらい状況に、どうやって寄り添うのがベストなのでしょうか。

避けるべき言動

悲しむカップル
Image: Shutterstock.com

好意からの発言でも、相手を傷つけ、悲しみを助長してしまうことがあります。以下に、一般的に避けたほうがいい言動を紹介します。

1. 自分の死別体験と比較する


誰かの死の話を聞くと、自分自身の死別体験を思い出すもの。でも、「わかるよ。私も去年、母親/友達/犬を亡くして……」は禁句です。共感によって相手を慰めたい気持ちはわかります。でも、相手の立場からすれば、自分の気持ちを軽んじられているような気がして、侮辱された気持ちになりかねません。

オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンターに勤めるカウンセラーのAndrew Mooreさんによると、あなたの死別がどんなに似た体験だろうと、相手がいま直面しているのはユニークな死。

そう、すべての死は、ユニークなものなのです。臨床ソーシャルワーカーのStuart Strauzerさんは、提案や共感ではなく、つらい気持ちを受け止めてあげることが重要といいます。

「あなたの気持ちを完全に理解することはできないけど、つらいだろうね」といった具合に。そのうえで、支えとなる言葉やジェスチャーを示してあげましょう。それについては後述します。

2. 死後の世界や宗教を語る


相手の信仰を知らないなら、「あの世」について語ったり、聖書を引用したりするのはやめましょう。意味がないばかりか、場合によっては相手を逆なですることになりかねません。

デューク大学メディカルセンターのカウンセラーJoanna Parkerさんは、同センターのガイドラインを教えてくれました。それによると、「神のご意志で」「神は乗り越えられない試練は与えない」などの言葉は避けるべきだそうです。

「天国でご主人/奥様/お父さん/お母さん/お子さんと一緒にいられますね」という言葉も、相手が天国を信じているかどうかを知らない限り、やめておきましょう。

3. 相手の痛みを減らそうとする


デューク大学のガイドには、「誰しも死に向き合わなければならない」「時間が解決してくれる」「何ごともいつかうまく行く」「若いからまだ子どもは作れるでしょ」も禁句として挙げられています。

中でも最後の1つは、そんなことを言う人がいるのかと目を疑いますが。

4. 葬儀の日程を聞く


近しい人を亡くした人に、お葬式の日程を聞くのはやめてください。相手はたいてい、葬儀屋の手配、携帯電話の解約、銀行口座の閉鎖などでいっぱいいっぱい。

死亡広告をググるだけで出てくるような、くだらない質問に付き合っている暇はないはずです。死亡広告を見つけられないときは、もう少し離れた立場の人、たとえば故人の家族の友人などに聞いてみてください。

5. 「いい側面」に目を向けさせる


自分事として考えれば、近しい人を亡くしたときに「いい側面」がないことぐらい、すぐにわかるでしょう。

例として、「もう、(故人が)痛みを感じなくてすみますね」「人生には、素晴らしいことがたくさんありますよ。だから今はそれを考えて」という言葉には、どちらも悪意はありませんが、避けたほうが無難です。

確かに、愛する人が痛みから解放されたのは喜ぶべきことかもしれません。でも、それを赤の他人から言われるのはいい気がしないでしょう。

それと、あなたが新しい仕事を始めたばかりとか楽しみな旅行を控えているとしても、それを引き合いに相手にも楽しいことを考えさせようとするのは逆効果です。

6. 相手の感情を操る


繰り返しますが、死のとらえ方は人それぞれ違います。

ですから、「そんな風に考えるのは間違っている」という言葉はNGです。臨床心理士のJeffrey DeGroatさんはこういいます。

死に対処するプロセスは非常に複雑であり、悲しみ、怒り、不安、罪悪感など、さまざまな感情を伴います。ですから、あなたが悲しみを感じているに違いないと思っても、相手は怒りを感じているタイミングかもしれません。

「怒らないで」と否定するのではなく、あなたの思いや感情を伝えながら、彼ら自身も思いや感情を口に出せるように促してあげましょう。

「2週間もすれば元気になるよ」のように、タイムラインを決めるのもやめてください。

仮にあなたがそうだとしても、誰にでも当てはまるわけではないのです。それまでに立ち直らなければならないという、余計なプレッシャーにもつながります。

「愛する人の死は、思いもよらないときに訪れるもの」の類も避けましょう。

相手の悲しみを減らそうとしているばかりか、今は考える必要のない別の死を想像させることになりかねないからです。

力になる言葉

拳を振り上げる
Image: Shutterstock.com

Mooreさんによると、内容はシンプルでも、心からの言葉は相手の力になります。つまり、何を言うかよりも、どう言うかのほうが大切なのです。

「お悔やみ申し上げます。」


ありきたりの言葉ですが、そこは問題ではありません。故人を知っているなら、ひとこと思い出を添えてもいいでしょう。筆者は先日、昔の上司を亡くしました。その折、もともと面識のあったご家族に対し、新卒でまだ子どものようだった私にとってかけがえのないメンターであったこと、そして常に最高のサポーターであったことをお伝えしました。ご家族がどう感じたかはわかりませんが、きっと多くの人が、故人とその死を受け入れる言葉を喜んでくれると思います。

「また電話/メールするね。」


「何かできることある?」「必要ならいつでも駆けつけるから」などと同様、シンプルながら、相手を気にかけていること、今後もその気持ちが変わらないことを伝えられるフレーズです。

とはいえ、何度も繰り返し連絡をするのは避けてください。そもそも、返事を期待しないで。メールをするなら、「どうしてるかなと思って連絡したよ。あれからずっと、気になっていて。いろいろ大変だと思うから、返事はなくても大丈夫だからね」と送ってみてはいかがでしょう。

「しばらくは迷ってみてもいいと思う。すぐに答えなんか見つからないよ。」


2010年に夫を過労死でなくしたSamantha Light-Gallagherさんは、助けられた言葉の1つとしてこれを挙げています。おかげで、喪に服す時間、あれこれと迷う時間、そして息をつく時間があってもいいんだと、自分を許すことができたそう。

当事者にとって、この悲しみは長く続くかもしれないと認めること、そして「ゆっくりでいいよ」と誰かに言ってもらうことは、救いになります。

どちらにも転ぶ言葉

連れ立って歩く
Image: Shutterstock.com

「今の気持ちは?」


Mooreさん曰く、このシンプルな質問をすることで、落胆していた相手はストーリーを語り始めます。ただし、使い方には注意が必要です。

親しいあなたに聞かれたら、たくさんの気持ちがあふれ、止まらなくなってしまうかもしれません。それはとても素晴らしいことですが、お互いに十分な時間があるときでなければなりません。

つまりこの質問は、状況と相手との関係性に応じて使い分けなければなりません。

数年前に私の友人が亡くなったとき、私は母親にかける言葉が見つからず、思わずどんな気持ちかを尋ねてしまいました。そのときの彼女の表情は、今でも私の脳裏に焼き付いています。我が子を失ったばかりの親の顔……。できれば二度と見たくないと思うものでした。

そう、愛する人を失ったばかりで、大丈夫な人などいるわけないのです。それが普通。それなのに、彼らは気丈にふるまうことに疲れています。ですから、それなりの覚悟が必要であることを肝に銘じ、今の気持ちを聞くかどうかを判断してください。

その他の表現方法

ハグする二人
Image: Shutterstock.com

話題を避けるよりはぎこちない言葉でもかけてあげたほうがマシですが、ときにそばにいるだけで十分なこともあります。

Strauzerさん曰く、言葉が見つからなければ、何も言わないのが正解になることもあるのです。

そんなときは、お悔やみを伝えたら、ほかの方法で力になってあげましょう。食事に誘ったり、買い物をしてあげたり、子どもを預かったり。シンプルなハグで伝わることもあります。

宅配サービス、乗車サービスのギフトカードを贈るという方法もあります。

葬儀にはお金がかかるので、現金も喜ばれるでしょう。お金を必要としないような相手なら、同じ死因に関連するチャリティ(がん基金など)や、故人が喜ぶであろうサービス(図書館、動物救護、フードバンクなど)に、故人の名前で寄付をするのはいかがでしょう。

最後に。何よりも大切なことは、思いやりの気持ちを示し、相手に話すチャンスを与えることです。

そして、必要とあらば助けること。それに、悲しみは連鎖反応を生みやすいので、あなた自身のケアも忘れないでくださいね。

Lifehacker編集部より

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Melanie Pinola and Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文

当記事はライフハッカー[日本版]の提供記事です。

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