オアシスのような東京の花屋/jardin nostalgique(ジャルダンノスタルジック)

日刊Sumai

2019/10/2 20:34


東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。
都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。
神楽坂の路地裏の異空間。 ぶれないふたりを支えるもの
製紙会社の倉庫をリノベーション。広さは約55 平米。映画美術を手がけるデザイナーに設計を依頼した。パーティションの右奥はレッスンなどを行うサロンスペース
製紙会社の倉庫をリノベーション。広さは約55 平米。映画美術を手がけるデザイナーに設計を依頼した。パーティションの右奥はレッスンなどを行うサロンスペース
「熟したすぐり色」(青江健一さん)の扉を開けると、色とモノが溢れているのに不思議と過剰ではない、独特の空間が広がる。
花は全体にシックだ。緑の草花やドライフラワーも多い。
奥には、パティシエでもある加藤孝直さんが焼いたクッキーなどが並ぶ。
客の滞在時間が長いというのも納得の居心地のよさだ。
「ふたりとも店にいること自体が好きで、ついつい接客も長くなるし、逆に外部での生け込みとか、ブライダルはほとんどやっていないんですよ」(青江さん)
青江健一さん(左)はアスチルベ。「さりげないけれどとても可愛い。主張しすぎず控えめながらも独自の存在感があります」。風になびくような蔓状の植物が好き、という加藤孝直さん(右)はクレマチス。「ベル咲きの形に惹かれます」
好きな花を尋ねると…、青江健一さん(左)はアスチルベ。「さりげないけれどとても可愛い。主張しすぎず控えめながらも独自の存在感があります」。風になびくような蔓状の植物が好き、という加藤孝直さん(右)はクレマチス。「ベル咲きの形に惹かれます」
大学院で品種改良の研究をしていた青江さんは「学ぶより花に触れたい」とフローリストの道へ。
加藤さんは園芸学校を経て、「商いのための栽培ではなく、フラワーデザインを」とこの道へ。
互いに大田市場の仲卸として出会った。2011年、元製紙会社倉庫の現物件に出会う。
アレンジも、内外の古道具屋で買った什器もスタイリッシュでありながら、店に漂う肩の力が抜けた独特の安らいだ雰囲気は、二人の人柄に依拠する。
「僕らなんてたいしたことありません。花に関してもっとすごい人が沢山います。花の力を借りてイメージを表現する。それを喜んでいただき、店を出るときお客様が笑顔になる。その喜びが、自分たちらしくいられる原動力になります」
花が好きで人が好き。だからこの空気なのだ。
右はラベンダー、左はドライポピーシ−ド。店で作るドライフラワーはリース、ブーケなど個性的で種類も豊富
右はラベンダー、左はドライポピーシ−ド。店で作るドライフラワーはリース、ブーケなど個性的で種類も豊富
おおまかに色味でわけてレイアウトしている。緑の草花の分量も多い
おおまかに色味でわけてレイアウトしている。緑の草花の分量も多い
鉄製のキャビネットは青江さんの私物。「なんとなく、いつか店を持ったら置こうと古道具屋で買ったものです」
鉄製のキャビネットは青江さんの私物。「なんとなく、いつか店を持ったら置こうと古道具屋で買ったものです」
独特の質感のブーケはブッダナッツの殻のドライ
独特の質感のブーケはブッダナッツの殻のドライ
加藤さんはパティシエでもある。毎朝3 時から焼くクッキーやマカロンも人気
加藤さんはパティシエでもある。毎朝3 時から焼くクッキーやマカロンも人気
薄紅色の濃淡が美しいキャロットフラワーはセリ科ニンジン属でレースフラワーとは異なる
薄紅色の濃淡が美しいキャロットフラワーはセリ科ニンジン属でレースフラワーとは異なる

ジャルダンノスタルジック
adress 東京都新宿区天神町66-2
open 11:00 ~19:00 火曜定休
カフェ営業15:00~19:00(土・日のみ。LO. 18:30)
telephone* 03・6280・7665
取材・文 大平一枝
写真 佐々木孝憲

当記事は日刊Sumaiの提供記事です。

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