井上陽水 魅惑のオフィシャルグッズの世界

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リバーサイドホテルが「バズった」のをごぞんじだろうか?

「リバーサイドホテルの鍵がバズってるよ」

「何が『バズった』って?」

これまで口にすることがためらわれ、一度も声にしたことがなかった「バズる」という言い回しを、その時、私は初めて口にした。一生口にしないと思っていた言葉を思わずつぶいてしまうほど、知人からの情報はあまりに唐突で刺激的だった。

「リバーサイドホテルがバズる」

同じ単語がごまんとあろうが、その単語名を聞いてすぐにあの曲のことだとわかった。今年、4月から50周年記念ライブツアー<光陰矢の如し ~少年老い易く学成り難し~>をスタートさせた井上陽水さん(井上陽水氏、井上陽水、どれも落ち着かず。以下、井上陽水さんとさせていただく)。これに伴い発表されたツアーグッズとして、リバーサイドホテルのキーホルダーがコンサート会場と井上陽水オフィシャルサイトのオンラインショップで発売中だ。


一昔前の日本のホテルならばどこにでもあったホテルの名前と部屋の番号が入った長方形の細長いアクリル製のキーホルダー。透明のオレンジとブラックの2個セット(各Sサイズ)とパープルLサイズ1個(原寸大)の2種類があり、この秋には新色も発売された。


あのキーホルダーがついた鍵を思い浮かべるだけで、私はいつでもあの時代にタイムトリップできる。いろんな記憶を呼び起こすあのキーホルダーに「リバーサイドホテル901」と刻印し、発売するなんて、これを作った強者は誰だろうと思っていたら、その人は私がよく知る人物だった。
依布サラサ
依布サラサ

依布サラサ。作詞家、歌手、タレント、執筆業、ラジオのパーソナリティーとして、そして、最近では猫と暮らす住居のプロデュースを手がけるなど、福岡を拠点に活躍している。依布サラサさんは、井上陽水さんを父に、石川セリさんを母に持つ。彼女と私は、7年にわたりFM NACK5でラジオ番組を共に作ってきた。そんな彼女は、2015年のライブツアー『UNITED COVER 2』から井上陽水さんのオフィシャルグッズのプロデュースを手がけている。


「リバーサイドホテル」のキーホルダー以外にも井上陽水さんのサインと「→」の印をちりばめた「ネクタイ」、その矢印と直筆でツアータイトルが書かれたタイプと、サングラスが空を飛んでいるようにも見える2個ワンセットの「そばちょこ」、「TIME FLIES LIKE AN ARROW」と入ったロゴの部分に写真のフラッシュをあてるとある文字が浮かび上がる仕掛けになっているリフレクティブTシャツ。今回のツアーも依布サラサさんプロデュースのオフィシャルグッズが話題を呼んでいる。


——バズりましたね~。「リバーサイド」。

すごくうれしいです。好評をいただいて品切れになっていた会場もあったそうです。再入荷したんですが、それももうすぐ完売しそうで、残りわずかです。新色を作りました。会場でファンの方々が並んで買っていただいているのを見て、私も幸せな気分になってます。

——ところでなんで901号室なんですか?

誕生日にしようかと思ったんですが、8月30日なんですよ。そうすると、830号室でしょ。そうなるとホテルの鍵ぽくないから、アンドレ・カンドレ名義でデビューした日、9月1日から901号室にしました。

——独特な、創造力をかきたてるデザインですね!?

怪しげな雰囲気を出したかったんです。みんなが思うリバーサイドホテルのイメージを壊さないようにあの曲らしい、色にも文字のデザインにこだわりました。


——たしかに!

曲のイメージもそうですが、やはりリスナーの方の頭の中にはしっかり「リバーサイドホテル」が描かれていると思うんです。だからこそ大事にしたいと……。

——井上陽水さんは完成品を見て何かおっしゃってましたか?

「これ、いいね」って、ひとこと、言ってくれました。

——Lサイズのものは実寸サイズで、家に帰るたびにいけないことをしてる気分になれる楽しい一品です。

ありがとうございます。Lサイズは、陽水さん世代の方でバックの中から鍵を出す時、探す方が多いって聞いて、そういった方が探しやすくなればという思いもありました。必ず探せます!Sサイズは2個セットなんで、一つはプレゼントにするというのもおすすめです。今回、トラベルポーチも作ったんですが、私のまわりの年配の方を見ていると、薬とかサプリとか持ち歩いている方が多い気がして、ポーチがいいかと思ったんです。普段でもいろいろ入れられて、旅先でもそのまま持って行くことができるので喜んでいただけるかなと思って作ってみました。


——折りたたみ傘も販売してますが、このキャッチコピー、ツボでした。

ふふふ、"「傘がない」けど折りたたみ傘はあります。耐風&UV折りたたみ傘"ですね。


——「傘がない」という曲にちなんで折りたたみ傘。その変化球、素敵です。

「リバーサイドホテル」のキーホルダーもそうですが、いろんな曲があるので、曲にちなんだグッズをもっと作りたいし、より喜んでいただけるものをさらに考えていきたいです。実は9月22日の愛知県芸術劇場大ホールの公演からまた新しいオフィシャルグッズを販売するんです。「ほしい!」と言っていただく方がすごく多かったオペラグラスなんです。

「ただのオペラグラスのはずではない!」そう思っていたら、やはりよくある“それ”ではなかった!名づけて「当時のカセットテープを復刻したパッケージ~カセットテープ風オペラグラス」。「UNDER THE SUN」「ライオンとペリカン」「氷の世界」の3枚のアルバムカセットテープがオペラグラスになって登場するという。


——これまたやってくれましたね。ほしいです。当時、アルバムを買うとき、レコードにするか、カセットテープにするか、迷ったのを思いださせてくれました。めちゃめちゃリアル。ジャケット写真が復刻されていて、ケースを開けるとちゃんとテープに曲名やそれぞれのアルバムの発売時のレコード会社、フォーライフやポリドールのロゴとかが印字されていて、グッときます。でもテープを取り出してパカッて広げるとオペラグラスに早替わり。なんです?! これ?! 楽しすぎる!

手にとって懐かしい!って思ってもらえるようにしたかったんですよ。だからケースも当時のプラスチックケースを再現したんです。でも、オペラグラスを入れるには従来のカセットテープの大きさでは無理で、今回、このためにケースを作りました。


——リスナーの声にこたえて作られたということですが?

よく「売ってないの?」って聞かれていたんです。でも、本人の気持ちを考えると、正直、作ることに迷いがあったんです。

——それはどういうことですか?

ライブ中、ずっとのぞいている方っていますよね? 今のオペラグラスとか双眼鏡ってすごく高機能じゃないですか! ほんとよく見えるし、便利ですもんね。でも、陽水さん、シャイなので、「ずっと見らててもねぁ~」って思うと思ったんです。だから、ぎょうぎょうしくないものにしようと考えたんですよ。カセットテープ風ならいいかもって思ったんです。これならぎょうぎょうしくないでしょう! カセットテープの大きさだといつでも持ち歩けるし、手に取りやすいし。ちなみに倍率はほどよい3倍率です。


ーー陽水さんはなんと?

「これ、いいね」 と、またひとこと。

ーー3枚のアルバムから好きなアルバムを選べるのもいいし、すべてコンプリートするってのも楽しそうですよね。

はい、今回の3バージョンは数量限定なんで、もしかしたら手に入らないという方もいらっしゃるかもしれませんが、今後もさらに違うアルバムバージョンも増やしていきたいと思っています。「次はこのアルバムがいい!」という声が聞けたらいいなぁ~。次回はどのアルバムか楽しみにしていてくださいね。


――依布さんが作る今後のグッズにも期待です!

みなさんに喜んでいただけるものを陽水さんや曲のイメージを崩さないようにこれからも作っていきたいです。あと今回のネクタイとかもそうなんですが、私が目指しているのは、陽水さんが身につけたとしてもさまになると思えるものなんです。そういうものをさらに作っていきたいです。


今回、依布サラサさんプロデュースのグッズの数々を見て、アーティストグッズはアーティストの一面を表現でき、アーティストの呼吸すら感じられるような感覚になれるものなんだということを知った気がする。彼女が作る井上陽水オフィシャルグッズとは、井上陽水というアーティストの気配を身近に感じられるような気持ちになれるものなのかもしれない。新作のカセット型オペラグラスは、井上陽水というアーティストを自分の前に登場させる魔法のグッズだったりして。カセットテープ型のオペラグラス越しに井上陽水さんを感じる日が待ち遠しい。


このカセットテープ型オペラグラスは、9月22日から各会場はもちろん、井上陽水さんオフィシャルサイトのオンラインショップでも購入することができるという。

50周年記念ライブツアー<光陰矢の如し ~少年老い易く 学成り難し~>は2019年11月20日(水)の札幌文化芸術劇場 hitaruまで続く。

文=内田嘉

当記事はSPICEの提供記事です。

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