ヴァイオリニスト石田泰尚インタビュー 主宰する硬派弦楽アンサンブル「石田組」初のサントリーホール公演についてきく 

SPICE

2019/9/20 19:00



神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務めるヴァイオリニスト石田泰尚は、ソリストとしても高い評価を受ける一方で、ピアノ・ヴァイオリン・サクソフォンのユニット、トリオ・リベルタでピアソラの音楽を追求するなどクラシックの枠を越えた幅広い活動でも知られ、今最も注目を集めるヴァイオリニストの一人である。その石田がプロデュースする男性のみの硬派弦楽アンサンブル「石田組」は、メンバーもまた日本のオーケストラを代表する奏者やソリストが集結し、まさに弦楽アンサンブルのドリームチームとも言える。今回、「石田組」が2019年10月14日(月・祝)にサントリーホール大ホールで公演を行うことになり、”組長”である石田に「石田組」結成のきっかけから今回の公演の聴きどころまで詳しく聞いた。

ーーまずは、男性のみの硬派弦楽アンサンブル「石田組」の結成のきっかけを教えてください。

正式な結成は2014年なのですが、その前に昔僕が所属していた新星日本交響楽団(2001年に東京フィルハーモニーと合併)のオーボエ奏者の方から、今後出すアルバムにストリングスで参加してくれないかという依頼があり、もちろん喜んでと返事をしたところ、他のメンバーはお前に任せるからと言われまして。そのときに敢えて男だけのメンバーにしてみようと思って、全員メンバーを男で揃えてレコーディングを始めました。そのレコーディング風景というか、スタジオで演奏している姿がなんかかっこいいなと思ったんです。どんな形でもよいのでこの編成で何かできないかなと。それが結成のきっかけですね。
石田泰尚
石田泰尚

ーークラシックファンの間では「石田組長」と呼ばれていますが、最初から石田組という名前だったのですか?

なんとか弦楽合奏団とか長い名前は付けたくなかったので、これは”組”だな、”組”でいこうとすぐ決まりました(笑)。

ーー石田組を結成した最初のコンサートの曲は何だったのですか?

ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」とヴィヴァルディの「四季」を演奏しました。

ーーピアソラのようなタンゴもそうなのですが、「石田組」の特徴としてクラシック以外にもロックとか映画音楽など幅広いジャンルの音楽を取り上げられていますが、「石田組」の選曲のこだわりを教えてください。

基本的にこだわりはなくて、クラシックにこだわらずロックとかタンゴとかを自由に入れつつ、プログラミングしています。プログラムにいろいろなジャンルが入ることで、弾いている僕たちももちろん面白いのですが、お客さんの反応を見ていると聴いている側も面白いと感じてもらえているんじゃないかなと思っています。例えば、ロックの曲なんかはお客さんもロックコンサートのようなノリで聴いてくれていて、お客さんの熱気がこちら側にも伝わってくるのでステージでだんだんテンションが上がってきますね。
石田泰尚
石田泰尚

石田組のメンバーは僕も含めて基本はクラシック畑の人間なので、普段ピアソラとかロックとか弾くことがあまりないんです。そういった背景もあって、プログラムにクラシック以外の曲を入れています。というのも、ピアソラとかロックって体力的にすごい疲れるんです。普段使ってる筋肉と違う筋肉を使うというか……。圧力とか全然違うので。そういうのもメンバーには味わってほしいなというのもあり、「石田組」ではいろんなジャンルの音楽をやっています。
それは毎回メンバーにとって決して易しくない、むしろハードな挑戦ではあるのですが、それらを乗り越えて本番が終わった後にメンバーみんなが「すごい楽しかった!」と言ってくれるのは嬉しくなりますね。


ーー10月に行うサントリーホールでの公演ですが、聴きどころを教えてください。

今回、サントリーホールで初披露する曲があるんです。松岡あさひさん編曲のJ.ウィリアムズ「シンドラーのリスト」、クイーンの「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」、ディープパープルの「ハイウェイ・スター」の4曲は初披露の曲になります。松岡あさひさんは過去に「津軽海峡冬景色」をアレンジしてもらったときにめちゃくちゃかっこよくて、またぜひお願いしたいと思って、今回実現しました。すごいかっこいいアレンジになっていると思うのでぜひ聴きに来てください。石田組は一人ひとり本当に素晴らしいプレイヤーなので、それぞれの演奏にもぜひ注目してほしいです。
石田泰尚
石田泰尚

ーー公演への意気込みを教えてください。

石田組として目標としていることはたくさんありますが、サントリーホールでのコンサートは石田組の目標のひとつでもあったんです。いつかサントリーでやれたらいいなと思っていたら、タイミングよくお話をいただけてすごい感謝しています。
サントリーホールは日本一のホールだと僕は思っていて、これまでにトリオとかオケで何度か演奏したことがあるのですが、あそこのステージは独特なんです。360度お客さんから見られている感じとか。ちょっと他のホールと雰囲気が違うんですよね。なので、他の組員にビビんないでほしいなと(笑)。ビビっちゃったら負けなんで。せっかくサントリーホールでできる機会なので、最初から最後まで楽しんで弾いてもらいたいと思っています。もちろんそれは僕も含めて。この日は全員にとって特別なコンサートになります。​


ーー最後に読者のみなさまにメッセージを

とにかく一回聴きにきていただいて、ひとりでも多くの人がまた石田組の音楽を聴きに行きたいなと思っていただけたらいいなと思っています。クラシックはそんなかしこまって聴かなくても大丈夫だと、このコンサートきっかけに思ってもらえれば嬉しいです。
石田泰尚
石田泰尚

取材・文=田尻有賀里 撮影=安西美樹

当記事はSPICEの提供記事です。

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