控えめゴージャスがおしゃれ!古ビルを改装したホテルに宿泊体験

日刊Sumai

2019/9/13 21:00

リノベーションを数多く手がける設計事務所「オフィス・エコー」の江本響さんが、自身の事務所もある蔵前の古ビルをリノベーションした小さなホテル「NO SERVICE HOTEL(ノー・サービス・ホテル)」をご紹介します。
リノベのヒントがたくさん見つかりそうなインテリアをご紹介しつつ、お金や運営面でのポイントなど、ホテルの裏側にも迫ります。
4階の部屋はワンランク上の「控えめゴージャス」仕様
No Service Hotelロゴこのホテルには、この部屋よりひとまわり広い4階のお部屋もあります。
No Service Hotel 401
青の絨毯が印象的な401室です。
No Service Hotel 401照明と時計
「3階の部屋とくらべて少しグレードの高いインテリアを意識した」というインテリアは、ゴールドカラーの照明をアクセントに使った「控えめゴージャス」とも言うべきお部屋。
前回のお部屋が27平米なのに対し、37平米というのも贅沢。
No Service Hotel 401間取り
その広さを活かして2人がけのソファが置かれています。
No Service Hotel 401
水回りはビルの裏手に向いた窓を活かして、明るい空間に。
No Service Hotel 401洗面
左側に大きな鏡があるので使いやすそう。
こちらの浴室は浴槽つき。
No Service Hotel 401浴室
この仕様なら家族連れもありかと思っていたら、この日は小さなお子さんを連れたファミリーの方が宿泊されたそう。
なお、小さなお子さん連れであれば3名での宿泊も可能ですが、その場合もタオルを含めたアメニティは2名分しか用意されないそうなので、3人目の分は持ち込む必要がありますからご注意を。
ちなみに、こちらのホテル、テレビはありません。
でも、レコードプレーヤーはあったりします。
No Service Hotel 401レコードプレーヤー
壁掛け式というのがたまりません。
江本さんセレクトのレコードがさりげなく置かれているので、試してみるのも一興です。
僕はソ連時代のエストニアのファンクやジャズを集めたコンピを聞きましたが、すごく気に入りました。
こういう体験もこのホテルならではです。
宿泊料と採算のバランスやホテル経営のあれこれ
このお部屋の宿泊料金は一泊33,000円から。
No Service Hotel 301
前回ご紹介した3階のお部屋が一泊21,000円~ですから、少し高めに設定されています。
どちらも人数にかかわらず一室の金額なので、ファミリーで泊まるならばお値打ち感はあります。
No Service Hotel 401
ひとり一泊1万円強という価格帯は、ノーマルなホテルと大差ありませんから、ゆったり感とインテリアの質を考えると、正直、もっと高くてもお客さんはつく気もしましたが、ホテルを経営するうえで採算とかってどう考えてらっしゃるんでしょう?
「リノベーション費用としては、賃貸マンションを工事するときと同じくらいかかっています。このあたりで401と同じ広さの賃貸を探すと月12万円くらいなので、うちのホテルの場合、月に5日も稼働すればそれは上回る計算です」
月に土日が8日あるとして、それが埋まれば十分なら楽勝そうですね。
以前、Airbnb(エアビーアンドビー)をやっている人にお話を聞いたとき「賃貸の倍は稼げる」と聞いたことがありますが、このホテルでもそれくらいの利益は期待できそうな予感がします。
設計した本人がレセプションにいるかも?
しかし、一度貸してしまえば設備面のメンテナンスをすればいいだけの賃貸とくらべて、ホテル業は清掃や運営の大変さがあります。
ドアのテンキー
この「NO SERVICE HOTEL」の場合、セルフでのチェックインも可能。
予約もAirbnb(エアビーアンドビー)なので、スタイルとしては民泊に近い印象を受けますが、旅館業法上の「ホテル業」で許可を受けたれっきとしたホテルです。
そのため、貴重なスペースを割いて受付カウンターを設けています。
No Service Hotel受付
小さいながらも、照明のチョイスから小物のレイアウトまで、江本さんのセンスが光るレセプション。
お客さんは立ち寄らずにチェックインも可能なのですが、こんなレセプションならのぞいてみたいと思うんじゃないでしょうか。
ちなみに、ホテル専属の従業員はいないとのこと。
「事務所は2階にありますけど、この受付で仕事をするのもいいかなって」
ホテルのオーナーでもあり設計者でもある人が受付にいるホテルなんて聞いたことありません。
なんだか映画に出てきそう。
No Service Hotel夜の入口
ところで、急な予約や夜間などに何かあったときはどうするんでしょうか?
「2階に誰かいれば対応できますし、自転車で行ける距離に自宅があるので、何かあったときは自分でも対応するつもりです」
ふだんは2階の事務所で仕事をしているわけですし、兼業ホテルを営むには最適の環境かもしれません。
NO SERVICE HOTELと蔵前の街との共通点は「古いビルの活用」
さて、このNO SERVICE HOTELが入るビルは、築50年ほどの古ビル。
No Service Hotel外観
立派な古ビルですが、かわいい色に塗装されていて、くたびれた印象はありません。
レモンビルのサイン
なるほど、レモンビルだから、この色なのね。
ルーセントコーヒー
1階には美味しいコーヒーや焼き菓子がいただけるカフェ「ルーセントコーヒー(LUCENT COFFEE)」も入っています。
1970年前後に建てられたビルがこんなふうにステキにアレンジされて活用されているのを見ると、同じく築50年の築古マンションを営むアサクラとしても励まされる思いがあります。
No Service Hotel 401
「エレベーターなしの古いビルをどう活用するかっていうのは、これからますます大事なテーマになってくると思うんですよ。そのモデルのひとつになればいいかなと思います」
中古物件のリノベーションを数多く手がけてきた江本さんだからこそ、このビルのポテンシャルを引き出して、個性的なホテルに仕上げることができたのだと思います。
蔵前の街は古ビル活用のお手本であふれている
江本さんの言葉は、そのまま蔵前の街にもあてはまると感じました。
近所を散策するといたるところに雰囲気のある古ビルを見かけるのですが、その多くが古さを活かしてアップデートされているのです。
たとえば、ビーントゥバーでおなじみの「ダンデライオン・チョコレート(DANDELION CHOCOLATE)」の物販のビル。
ダンデライオン・チョコレート
昔ながらのビルが、ほぼ塗装のみでこんなに変わるものなのかと感心します。
このお店、チョコレートも美味しいのですが、実は器もおすすめで我が家でも愛用しています。
ダンデライオンのラウンドカップ
写真左がSueki×Dandelion Round Cup
大谷焼から生まれたブランド「SUEKI CERAMICS」とのコラボだそうです。
写真右の急須も、同じ蔵前にある「中村ティーライフストア」で購入したもの。
こちらのお店もこれまたいい感じの古ビルなのです。
中村ティーライフストア
気になったお茶も試飲できるので、立派なのれんに気後れせず、店内を訪れてみることをおすすめします。
中村ティーライフストアのほうじ茶
僕はちょうどほうじ茶を切らしていたので購入しました。
パッケージもステキなのでギフトにも良さそう。
そして!
この界隈の古ビル界のラスボス的存在が、「タイガービル」。
タイガービル
1934年竣工ですから、なんと築85年(!)。
維持管理もさぞ大変なことでしょうが、一階には家具の「ノーチェ(NOCE)」が入り、バリバリ現役で活躍中。
NOCE
他にも素晴らしい古ビルが蔵前にはまだまだたくさんあります。
古い建物をどうアップデートして残していくかのヒントがこの街にはあふれていると思います。
スカイツリーと墨田川
スカイツリーや墨田川などのランドマークで知られるこのエリアですが、古ビルが建ち並ぶイースト東京ならではの街並みも、それに負けない魅力が感じられること請け合いです。
No Service Hotel 401
その意味でも「NO SERVICE HOTEL(ノー・サービス・ホテル)」は蔵前を体感するのに最適なホテルだと実感しました。
地方や海外からの旅行者はもちろん、僕のように東京の西側に住む人でもプチ旅行気分を味わいにぜひ訪れてほしいホテルです。

【紹介したホテルはこちら】
NO SERVICE HOTEL(ノー・サービス・ホテル)

当記事は日刊Sumaiの提供記事です。

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