ブラッド・ピット、“映画に無関係”な質問にも笑顔で応える紳士ぶり 『アド・アストラ』記者会見で毛利衛氏&山崎直子氏に興味津々 

SPICE

2019/9/13 18:25


8月12日(木)、映画『アド・アストラ』の記者会見が東京・日本科学未来館で行われ、主演・製作総指揮をつとめるブラッド・ピットが登壇した。

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ラテン語で「TO THE STARS=星の彼方へ」を表す映画『アド・アストラ』は、ブラッド・ピットが製作・主演をつとめるスペース・アドベンチャー大作。ブラッド・ピット演じる宇宙飛行士は、16年前に地球外生命体を求めて消息を絶った父親を捜し求め、32億キロかなたの宇宙へと旅立つ物語だ。エリート宇宙士飛行士・ロイをブラッド・ピットが演じるほか、『MIB』シリーズのトミー・リー・ジョーンズが父親役で出演。『アルマゲドン』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのリヴ・タイラーがロイの妻役、『ハンガー・ゲーム』シリーズのドナルド・サザーランド、ルース・ネッガらがキャスティングされている。メガホンをとったのは、『リトル・オデッサ』のジェームズ・グレイ監督。


宇宙を舞台にした同作に相応しく、ブラッド・ピットは会場に設置された巨大地球型ディスプレイ“ジオ・コスモス”を取り巻く通路から登場。日本のメディアだけでなく、アジア各国から駆けつけた記者たちの質問に一つひとつ丁寧に答えていった。
ブラッド・ピット(遠)
ブラッド・ピット(遠)


本作の主演・製作を兼任したことについて、ピットは「演技もプロデュースも行うということは、それだけ責任が重くなるということ。でも、その全ては物語を語る作業なので、大好きです。(映画製作は)みんなで共同で行う、スポーツのようなもの」と前置きしつつ、「昼間は俳優、朝と夜はプロデューサーという形に分けて作業しました。撮影が終わった後の音楽や編集にも関わるので、まるでルービックキューブをやるような感覚。でも、最も大変だったのは、宇宙服を着て撮影することでした(笑)」と述懐。


また、初の宇宙飛行士役の“役作り”についても質問が。ピットは「このジャンルに今まで挑戦しなかったのは、優れた作品がすでに沢山存在していたからです。やるからには、これまでにない、ジャンルに貢献できるようなものをやりたかった。そんな中で、友人のジェームズ・グレイ監督が今回のプロジェクトを持ってきてくれたんです」と経緯を説明。「まるでピーターパンのように、ワイヤーで吊るされるシーンが多かった。それも、重い宇宙服を着て吊るされるので、かなりキツかったです。トレーニングでも、吊るされたり、回されたり、上げられたり下ろされたり……どこまで“吐かないか”に耐えられかをテストするために、やれるだけのことはやりました」と、撮影の過酷さについて語った。




また、「リアリティのある宇宙空間づくりを行うために気を付けたこと」について聞かれると、「主にグレイ監督と、撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマの考えなのですが、CGに頼らず、オールドスクールなやり方で、できるだけ実物を撮りたかったんです」とコメント。「海王星に行くことは出来ませんが、みなさんが観て信じられる映像を作りたかったんです。ですから、レンズのフレアや、月の暗闇といったものを実際に撮影して、アナログとCGをブレンドするような形で制作しました。私自身は、非常に臨場感のある映像が出来たと思っています」と自信をのぞかせる。




さらに、ピットは作品のテーマについても言及。「この映画は、『オデュッセイア』のような、自分探しの旅を描いています。旅の中で、人間というものの“謎”を象徴しているのが、宇宙だと思います」とコメント。さらに、「ロイという人物は、人生が上手くいかず、自分の存在価値を見つけられなくなっている。この銀河系の最も遠い場所に行って、自らの存在と対峙しなければならない。これまでの人生で抱えることになった、喪失感や後悔といった“押し殺してきたもの”と向かい合わなくてはいけなくなるのです」と解説した。そして、「映画が魅力的なのは、人間の様々な葛藤にスポットを当てることが出来るからだと思います。喜劇でもそうですが、自分たちの存在を笑い飛ばしたりもできる。それが映画のもつ力だと思いますし、だからこそ私は映画に惹かれるんです」と力説している。


この日は、「映画に無関係な質問は控えて下さい」との主催側の事前アナウンスにも関わらず、一部のレポーターが作品に無関係な質問を投げかけるアクシデント?も発生。「今後、俳優業をセーブされるというニュースに驚きました。その理由と、今後の夢を教えてください」との質問に、ピットは映画の内容を絡めつつ、「私は今までどおり、自分の心惹かれるプロジェクトには参加するつもりです。これまでもそうですが、プロデュースもやりますし、俳優業もやっていきます」と丁寧な口調ながら、ハッキリとした言葉で回答。さらに、微妙な空気を察してか「ここは、記者会見の場所としては最高ですね!カッコいいです」と日本科学未来館を賞賛し、会場の雰囲気を和ませる気づかいも見せていた。


再び投げかけられた、レポーターの「映画には関係ないですが、日本でやりたいことはありますか?」との質問にも、「やりたいことのリストは沢山あるのですが、今回は東京を出て、田舎のほうに行ってみたいです。京都にも行きたくて、古い建築物や庭園を観たいですね。それと、鯉を養殖している有名なところに行ってみたいですね。竹林も観てみたいです。私は、日本の文化、職人の技の質の良さに感心しています。和食からジーンズまで、クオリティがとても高い」とコメント。さらに、「鯉が大好きなんです。鯉の話なら、1時間でもできますよ!」とノリノリで語り、紳士的な対応で集まった人々を魅了していた。
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、ブラッド・ピット、毛利衛氏

イベントの終盤には、日本科学未来館の館長であり、日本人として二人目の宇宙飛行士となった毛利衛氏、スペースシャトル・ディスカバリーに搭乗した山崎直子氏が登壇。映画で宇宙飛行士を演じたピットと、二人の日本人宇宙飛行士が肩を並べることに。
毛利衛氏
毛利衛氏

いち早く作品を鑑賞した毛利氏は、「私が一番心を打たれたのは、彼(ピット演じるロス)が、父親として息子として、そしてチームの一員として、それぞれで見せる表情が非常に繊細。そのときそのときの顔が、本物(の宇宙飛行士)以上で、凄い俳優だと思いました」と絶賛。
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット
山崎直子氏
山崎直子氏

山崎氏は「とにかく圧倒的に美しい。ブラッド・ピットさん、ジェームズ・グレイ監督ほかチームの皆さんが細部に魂を込めていたと思います」とこれに続く。さらに「実際に宇宙に行くときに、子どもを残していかなければならない。家族に心配をかけることになる。とても、心をえぐられる映画でした」と、宇宙飛行士経験者ならではのコメントも。そして、「今度は、実際にブラッド・ピットさんが宇宙を旅するのを見てみたい」と期待を語っていた。
左から、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、ブラッド・ピット、毛利衛氏

そんな二人に、ピットは興味津々。「毛利さんも山崎さんも、実際に宇宙に行かれた、数少ない人です。宇宙に出て、地球を観たときの気持ちを教えてください」と、積極的に質問。

毛利氏は、「子どもの頃に、初めて宇宙に行ったガガーリンの『地球は青かった』という言葉を聞いて、『どんな青さなのか?』と考えてきました。実際に地球を見たときには、その言葉にもっと深い意味を感じました」と述懐。
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏

山崎氏は、「みなさん、地球が青い、美しいということはわかっていると思います。実際に見ると、理屈ではなく、身体にスポーンッと入って来るのがわかりました。それは、地球自身が生きているような感覚です。同じ生き物同士が向き合っているようでした」と説明。そして、「宇宙に行ったときには、どことなく懐かしいような感じもしました。宇宙に行くことは“冒険”の意味合いも強いですが、ふるさとを訪ねるような、そんな感じがしました」と、自らの経験を振り返った。
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏
左から、山崎直子氏、ブラッド・ピット、毛利衛氏

イベント終了の時間が近づくなか、それでもピットの宇宙への好奇心は尽きず、「One more!」「Quick one!」とリクエスト。「もう一度、行きたいですか?」とのピットの最後の質問に、毛利氏は「今度は、違うところに行きたいです。月ではなくて、火星に行きたいです」と応え、イベントを締めくくった。
ブラッド・ピット
ブラッド・ピット

『アド・アストラ』は9月20日(金)全国公開。
取材・文・撮影=藤本洋輔

当記事はSPICEの提供記事です。

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