テレ東・相内優香アナが語る、“別人格”Vtuberアナウンサーだからできること


2018年に、テレビ東京系経済番組『WBS(ワールドビジネスサテライト 以下、WBS)』の「バーチャルYouTuber」特集に“降臨”して以来、ネットを中心に大きな話題を呼んでいる、バーチャルアナウンサーの相内ユウカ。初登場時からあまりにも自然な佇まいで「覚醒した」とざわつかれていたが、さらに活躍の場を広げ、このたび『Vチューバー相内ユウカが経済ニュースわかるまで聞いちゃった。』(日本経済新聞出版社刊 税抜1,400円)が発売されることとなった。

同書は、生配信番組『相内ユウカにわからせたい!』(YouTube 週1不定期 23:58~)を書籍化した異例の経済本。「24時間営業」「老後資金2000万円」問題、次世代通信「5G」、世界的にホットな経済用語「MMT」など様々なテーマについて、ユウカが豪速球で質問をぶつけることで、よりわかりやすい回答が引き出されていく。ユウカの先輩アナウンサーという設定の"中の人"、相内優香アナは、どのように普段のアナウンサー姿とは全く違う「別人格」を捉えているのか。ユウカだからこそできることについて、話を聞いた。

○■いわゆる”バ美肉”とはまた違う?

ーーそもそも、どういう経緯でVtuber・相内ユウカが誕生したんですか?

WBSのニュースの企画で「Vtuberが流行っている」という取材をしたのがきっかけでした。実際に私がVtuberになって体験してみたら、反響をいただきまして。WBSもTwitterのリアルタイム検索で1位を獲得していたので、「これはこの取材だけで終わらせてしまうのはもったいない」という話になり、デスクと2人で企画書を提出したのが始まりです。そこから、当時のWBSプロデューサーがすぐに動いてくれました。

反響もあったし、やってみて楽しかったですし、今までのテレビ東京で女性アナウンサーがVtuberをやるのは初めてでした。続けたら絶対に面白いと思いましたし、体験の時からキャラクターも自然に出てきて、「本音でしゃべる」「お金が大好き」とか、普通のアナウンサーじゃできないことが彼女なら体現できるんです。企画書が通ってから、すぐに社内のビジネス開発局と報道局のみなさんと一緒に、”ユウカ”を作り上げていきました。

ファッションも髪型も顔立ちも相談しあって、胸も「大きい方がいい」と私が主張したりして(笑)。限られた予算の中でのデザインについても、私から「ノースリーブニットは最強だ」とお話しました。WBSから誕生したキャラクターなので、知的な雰囲気として参考にしたのは、『美少女戦士セーラームーン』のセーラーマーキュリー。「水野亜美と綾波レイを足した感じ」と主張したのを覚えています(笑)。理想を詰めました。

ーーVtuber界隈ですと、”バーチャル美少女受肉”という言葉もありますが、そういう感覚とはまた違うのでしょうか?

いわゆる”バ美肉”ですね。たしかに、”中の人”が分かっている時点で、少し違う感覚なのかもしれません。普通のVtuberの方は中の人が基本的にわからなくて、男性かもしれないのですが、私たちの場合は、明らかに中の人がわかってしまっています。ただ、私も当初は名前すら使いたくなくて、別人として展開したかったんです。”相内ユウカ”はあくまでも別人であり、別人格。”相内優香”が中の人ではあるけど、完全に憑依してやっていると思います。よく「どっちが本当の相内なんだ」と言われますが、完全な別人であり別人格で、視聴者の方たちも理解してついてきてくださっているのかなと思います。

ーーそういった試みをできるのは、テレ東さんに合っているのかと思いました。

WBS、ビジネス開発局と社内を巻き込んで別の企業が立ち上がったみたいだったんですが、それはやっぱりテレビ東京だからなのかな、とも思いました。1番最初に単純にVtuberを取材したのが8月くらいなので、ちょうど1年で書籍化。本当に「相内ユウカ」の企画書を出してから、まるでベンチャー企業のように進んで行きました。アナウンス部のすぐ近くにビジネス開発局があるので、話もすっと通るんです。クリアファイルなど、グッズ化の話も企画から1か月で完成、すさまじいスピードでした。
○■ふだんより失礼にもなれる

ーーVtuberとしての相内ユウカの強みはどのようなところにあると思いますか?

私自身がWBSを10年近く担当してきたということが前提ベースにあるので、そういうVtuberはいないと思います。”先輩”である私の蓄積が彼女の魂に吹き込まれてこそ、「ここまで言っていい」というボーダーラインがわかる。例えば「お金が好き」というプロフィールも、単純に好きなのではなく、お金が好きだから「経済の動きに敏感」であり、「経済ニュースが好き」ということにつながっているんです。

経済ニュースに興味を持つことは世の中の動きを知る第一歩。自分の将来のことや資産形成について考えるきっかけになるし、トレンドを知ることでイノベーションにつながっていくかもしれない。ユウカの根底には、みんなが経済ニュースに関心を持つことで「日本の景気をもっとよくしたい」という大きな志があるので(笑)闇雲にやっているわけではなく、蓄積がベースになっている中で彼女がはっちゃけてくれたらいいなと思っています。

ーーふだんからいろいろな声で経済紙などを読み上げる訓練をしていたと伺ったんですが、たとえば今後DJ・ユウカみたいな新たなキャラクターなどもできるんですか?

彼女のキャラクターは自然発生的に生まれてきたので、声が変わったらキャラクターが変わってしまうかもしれません。でもこれ以上人格ができるかは、やってみないとわからないです(笑)。不思議なもので、自分では憑依だと思ってるんですけど……最初の頃は収録中の発言も覚えてなくて、心の切り替えがあやふやになっていたこともありました。普通に生活していてもユウカが出てきちゃって、「いつもよりはっきり発言するね」と言われたこともあって。でも今はちゃんと分けられています(笑)。

ーーVtuberということで、やはりより若い人たちや、これまでのWBSの視聴層とは別の方達に届いているという実感はありますか?

すごく感じています。Twitterのフォロワーの方も、これまでのWBSとは違う層の方が反応してくれていて。10~20代はテレビ離れといわれてるので、なんとかユウカが開拓できたらいいなと思っています。今回の本にしても、明らかに今までのWBSの本とは違うテイストでポップな経済本が発売されようとしている。経済本のコーナーで並んだ時に、気になると思うんです。ユウカを通じて、経済ニュースが身近になってくれたら嬉しいです。

ーー経済本なのに、設定資料集みたいな雰囲気もありますもんね。

Vtuber・ユウカの資料集なページもありますから(笑)。

ーー書籍化が決まった時はどう思われたんですか?

「わ~、やった~!」という感じでした。今回、日本経済新聞出版社から出版することが決まったんですけど、私もテレビ東京に12年いて、テレビ東京、日本経済新聞編集委員の滝田洋一キャスター、日経BP社『日経ビジネス』編集委員の山川龍雄キャスター、日本経済新聞出版社、さらに今回、表紙にスマホをかざすとユウカの映像が出てくる日経ARの技術も使われていて、これだけグループ企業の方と一緒になって何かを作るのは初めてでした。色々な企業を取材していても、縦割りが強くて、なかなかイノベーションが生まれないという悩みは多いと思います。今回はユウカのおかげで、みんなで一つのものを作り上げることができたことが嬉しい。テレビ東京内でも、ユウカのおかげでアナウンス部、ビジネス開発局、報道局とつながってくれた感覚があります。

ーーぜひ今後の野望もお聞かせください。

この本がシリーズ化できたらいいな。だから、売れて欲しいです(笑)。『相内ユウカにわからせたい』だけでなく、WBSの中で彼女自身が取材できたらと思いますし、いつか「バーチャルWBS」みたいなこともできたらいいですね。『わからせたい』の出張版として、視聴者の方から、質問を受け付けながらリアルタイムでもやってみたいですし、他局や他社にも出てみたい。ユウカにはつなげる力があるので、垣根を超えてみんなを巻き込んで楽しい仕事ができたらと思います。

私自身が、相手の方に対してタメ語で質問するなんてとてもじゃないけどできません。でも、ユウカならできるし、彼女が質問することによって、相手の方の本音が出てきたり、一生懸命ユウカにわからせようとして優しくなったりと、その方のキャラクターが出てくるんです。だから、経済キャスターとしての出張だけでなく、議員会館に乗り込んで政治家に”わからせて”もらうこともできます。

ーーキャラクターに説明することによって、相手の方もふだんと違う雰囲気になるんですね。

とたんに、かしこまらなくなるんですよね。こちらがお上品に聞くよりも、相手につっこんだり、「わからないよ」と言いながらやった方が相手の良さも引き出せる。汎用性があるフォーマットなので、いろんな方にいろんな話を失礼ながらも聞いて、”わからせてもらう"という活動ができたらいいですね。

■相内優香
群馬県出身。2008年テレビ東京に入社。現在の出演番組は『ワールドビジネスサテライト』(火・水・金曜)、『池上ワールド』、『電脳トークTV 相内さん青春しましょ!』など。

■相内ユウカテレビ東京の新人バーチャルアナウンサーで、「永遠の23歳」(本人談)。趣味は「ひとり酒」と「食べること」。「年収2000万円稼ぎたい」が口癖で、経済ニュースのチェックには余念がない。2019年3月からは週1回、WBS終了後にYouTubeで“冠番組”『相内ユウカにわからせたい!』を生配信中。これをステップに、WBSのレギュラーキャスターの座を狙う野心家でもある。また、現在は日曜深夜のバラエティ番組『電脳トークTV2~相内さん、もっと青春しましょ!~』にも出演し、着々と活躍の場を広げている。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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