台風の朝、南武線車内で「脱糞事件」。事実なのか、どう掃除したのかJRに聞いた

日刊SPA!

2019/9/13 08:51

 9月9日午前、台風15号が関東地方を襲い、大きな被害と交通の大混乱をもたらした。現在でも、千葉県を中心に停電や断水がつづき不便な生活を余儀なくされている人も多い。そんな中、台風当日に、あるひとつの「事件」がSNSで話題となっていた。

◆JR南武線、車内で乗客が脱糞?

9日午前9時過ぎ「南武線で超満員のなか脱糞してるやつがいる」というようなツイートが、南武線ユーザーと思しきアカウントから発信されたのだ。それを皮切りに、現場にいると思われる人の「くさいー!死ぬ!」「脱糞線!」などと投稿が相次いだ。

しかも、なんとその大便に足を滑らせて転倒した人、その光景に嘔吐した人までいるという。午前9時といえば運転再開されたばかりのラッシュ時で、普段以上の超満員のはず。想像するだけで阿鼻叫喚の地獄である。

しかしデマがはびこる現代、誰かが面白がって投稿したウソが拡散された可能性もある。

◆「脱糞は事実です。清掃方法は“おがくず”と“雑巾”」

そこで取材班は、JR東日本に問い合わせてみた。対応してくれたのは横浜支社の広報担当。まず、SNSで流れている情報が事実かを聞いたところ「事実であり、川崎駅で処理された」との回答。

事実だった。

ウンコはたしかに満員の中でひり出され、電車に乗って南へ運ばれていったのだ。川崎駅の手前の駅が尻手駅という部分にもグッとくるが、周囲にいる人にとってはそれどころじゃないだろう。

それを踏んで転んだ人や、それを見て嘔吐した人もいたという事実関係についても聞いたが、台風への対応のため全社員が多忙を極めており、確実な情報がないそうだ。

広報の話によると具体的な処置方法は、川崎駅で駅員などが、おがくずと雑巾(なんという心許ない装備だろう)で、処置をし消毒したのだそう。ウンコが自分に向かって、時速37キロ(南武線の平均表定速度)で近づいてくる時の、担当になった駅員さんの気持ちは察するに余りある。

さらに広報担当にいくつか聞いた。

◆普段の清掃方法は違う?

――こうした脱糞事故は、よくあることなんですか?

担当者:いえ「よく」はないですね。酔ってしまわれた方が嘔吐してしまうことは、しばしばありますが。

――そのときも今回のように、おがくずと雑巾を使うんですか?

担当者:いえ、今回は台風の混乱もあり急遽の対応となりましたが、普段であれば、グループ会社と協力して専用の機械を使って清掃と消毒を行っております。

――では、こうしたことを「予防」するために取り組んでいることはありますか?

担当者:全社で「声かけサポート運動」を実施しておりまして、困っていらっしゃるお客様や、具合の悪いお客様には、駅員や乗務員などから積極的に声かけをさせていただいております。

――JRさんの努力だけでは、全てを予防するのは難しいと思いますが、お客さんにお願いしたいことはありますか?

担当者:私たちは全力で取り組んで行くばかりですので、お客様にお願いするというようなことはありません。

以上のように、とても丁寧に答えてくれた。見えてきたのは鉄道会社の努力だけでは防げない、今回のような事故もあるということ。

◆電車で我慢できなくなったら、どうすればいいのか?

ネットで「うんこ 我慢」と検索すると、「暗示をかける」「肛門の反復運動」「ゆっくり歩く」を繰り返すといった情報が出てくるが、電車内では難しい行動だろう。

またお腹が弱い某芸人は、普段実践している技を紹介している。足を交差させ肛門を締める、しゃがんでかかとを肛門に当て物理的に止めるなどだ。だが彼は、健闘虚しく電車の中で脱糞してしまった経験があると語っている。

こうして見ると、鉄道会社の努力と自分のコントロールだけではどうにもならないことがわかる。通勤電車なら、毎日同じ電車に乗り合わせる人も多いだろう。毎日顔を合わせる人の前で脱糞したとなれば、翌日以降はとてもじゃないが同じ路線にのることはできないはずだ。そうなると、脱糞の末路は引越しや転職といった、人生の一大事にまで発展しかねない。

そんな危機的状況に陥る前に、恥を忍んで駅員さんや乗務員に「漏れそう!」と助けを求めるのが賢明だと言えよう。どう助けてくれるのかは知らないが。<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】

Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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