auの端末購入プログラムは改正法の趣旨に反する? 「見直しあれば適切に対応」


KDDI(au)は12日、10月から施行される電気通信事業改正法(以下、改正法)に対応する新料金プランや、「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」が実質半額で入手できる、スマートフォンの購入プログラムを発表しました。

○料金は据え置き、解除料は値下げの新料金プラン

KDDIは先月末にも、Netflixの利用料がセットで、かつデータ容量の上限のない(ただし、テザリング、国際ローミングは2GBの上限あり)料金プラン「auデータMAXプラン Netflixパック」を発表したばかり。このプランには、2年契約の際の途中契約解除料を1,000円に設定した「2年契約N」が適用されます。改正法では、通信料金と端末代金の完全分離を義務化しているほか、長期契約の解除料の上限を1,000円、長期契約を前提とする端末代金の割引を最大2万円までと定めています。「2年契約N」は、この新しいルールに則ったものです。

今回、新たに「2年契約N」が適用される料金プランは次の5つ。

auデータMAXプランPro
auフラットプラン25 NetflixパックN
auフラットプラン20N
auフラットプラン7プラスN
新auピタットプランN

「auデータMAXプランPro」は現行の「auデータMAXプラン」、「auフラットプラン25 NetflixパックN」「auフラットプラン20N」「auフラットプラン7プラスN」「新auピタットプランN」はぞれぞれ、後ろに「N」のつかない現行プランを引き継ぐ形になります。

「新料金プラン」と言っていますが、実際には2年契約適用時の料金や「家族割プラス」、「auスマートバリュー」による割引などは、従来のプランとまったく同じです。つまりauは料金プランを改正法に適応させるために、価格据え置きのまま、2年契約の際の途中契約解除料を9,500円から1,000円に値下げしたわけです。
○長期契約を優遇も、ややわかりにくい料金体系に

解除料だけでなく、2年契約をしない場合の通常料金も値下げされています。たとえば旧「auデータMAXプラン」の継続利用契約なしの場合の料金は、月額1万480円でしたが、新料金プランの「auデータMAXプランPro」の通常料金は月額9,150円となっています。2年契約しても1,000円で辞められるし、2年契約をしなくても、した場合との価格差はわずかというわけです。

すでに改正法に適応する新料金プランを発表しているソフトバンクでは、契約期間も契約解除料もないプランを打ち出していますが、auでは解除料は1,000円に値下げされているものの、従来通り継続利用契約も選べる設定になっています。

その理由についてKDDIコンシューマ事業企画本部 次世代ビジネス企画部長 長谷川渡氏は「(改正法は)2年契約がダメということではない。長期契約してくれたお客様に対して、特典を設けるのはごく普通のこと」と説明していました。確かに元となる料金があって、そこから長期契約割引を受ける方がお得感は感じられるかもしれませんが、その分だけソフトバンクに比べて、料金プランがちょっと複雑になってしまっているようにも思えます。
○新iPhoneも半額になる「アップグレードプログラム DX」

auはあわせて、新たなスマートフォンの購入プログラムとして、現在提供中の「アップグレードプログラム EX」を引き継ぐ、「アップグレードプログラム DX」も発表しています。「アップグレードプログラム EX」は、対象となるスマートフォンを48回の割賦払いで購入し、25カ月目以降に同じく対象となる新製品に機種変更すると、残債が免除されるというもの。月額390円の利用料がかかりますが、25カ月目で機種変更した場合、支払う端末の代金は実質半額で済みます。

「アップグレードプログラム DX」も基本的なしくみは、これとまったく同じ。月額390円(非課税)の利用料がかかるのも同じですが、「アップグレードプログラム EX」の加入条件となっていた「auの料金プランへの加入」は、条件から外されています。先週発表されたソフトバンクの「半額サポート+」と同じく、通信プランとは切り離された端末販売のためのプログラム。通信プランを契約しなくてもいいということは、つまりauのユーザーじゃなくても利用できるということです。

ただしこれは、いわば建前。実際には対象のスマートフォン、たとえば直近では「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」などもその対象ですが、これらのスマートフォンにはSIMロックがかけられているため、auまたはau系のMVNOのSIMカードでないとモバイル通信が利用できません。現行のルールでは割賦販売の場合、100日が経過しないとSIMロックを解除できないことになっているからです。

SIMロックがかかっている以上、他キャリアのユーザーがこの購入プログラムを利用するのは、実際にはなかなか厳しいと言えるでしょう。ソフトバンクの「半額サポート+」も、auの「アップグレードプログラム DX」も建前はキャリアフリーで誰でも利用できますが、実際には自社のユーザーに引き続き買いやすい価格で、スマートフォンを提供するためのものなのです。
○スマホ購入プログラム、本当の狙いは「5G」にあり?

なお、ソフトバンクの「半額サポート+」は、その発表後に早速、総務省の携帯電話料金に関する有識者会議の議題に上げられ、「法改正の趣旨に反する」「SIMロック解除ルールの見直しが必要」といった意見が出されたようですが、「半額サポート+」がダメなら、もちろん「アップグレードプログラム DX」もダメということになります。

この点について、KDDI取締役執行役員専務コンシューマ事業本部長の東海林 崇氏は、「今後SIMロック解除についての指針の見直しなどがあれば、適切に対応していきたい」と話していました。ダメではないが、グレーという見方もありますが、それでもユーザーが最新のスマホに気軽に乗り換えられるようなしくみを提供していかなければ、2020年から商用サービスが始まる5Gの普及も進まない……というのが、キャリアの本音でしょう。

auではこのほか、2020年3月以降「au WALLET ポイントプログラム」に、利用実績に応じたステージ制を導入することも発表。「au WALLET ポイントプログラム」はau IDを取得すれば、auユーザーでなくても利用できますが、auユーザーなら最初から200点が付与され、かつ「2年契約N」の対象となる料金プランを選択していれば、契約年数に応じた長期優待ポイントも付与されます。

キャリアを乗り換えやすくなる中、どのようにユーザーのエンゲージメントを高めていくのか。まだ未発表のNTTドコモの改正法対応施策ともに、各キャリアの今後の取り組みに注目したいところです。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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