「なつぞら」141話。山口智子ふたたび。バブルの前からひとりバブルで西城秀樹を歌い踊る

エキレビ!

2019/9/12 08:30

連続テレビ小説「なつぞら」 
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~


第24週「なつよ、この十勝でアニメを」141話(9月11日・水 放送 演出・村山峻平)視聴記録
フーテンの亜矢美さん
早く、「大草原の少女ソラ」を見たいところだが、そこに至るまでに、違うエピソードを盛り込んで引っ張る。

なんと帯広の雪月に、亜矢美(山口智子)がやって来た。日本各地を流れ流れて、お金を貯めていたらしい。
ひと呼んで「フーテンの亜矢美」。
ダメ兄だった咲太郎が寅さんかと思ったら、亜矢美が寅さんだった。

雪月で、なつ(広瀬すず)たちが、とよ(高畑淳子)からも開拓時代の話を聞いているときに、亜矢美がやって来たが、鮭の話をするときの高畑淳子の熱演をも凌駕する、山口智子。いい意味でも悪い意味でもお祭りキャラ。以前「ハロー張りネズミ」というドラマで彼女が演じた役が「バブルが弾けなかった」と称される場面があって、(脚本:大根仁)これは山口智子を表すのにほんとうにふさわしい。
「なつぞら」の時代は現在74年。史実的には前年第一次オイルショックがあった頃なのだが、関係なさそう。むしろ、亜矢美の存在はバブルが来る前からひとりバブルやっているかのようだ。
それにしても70年代、ベルボトムジーンズをかっこよく着こなしている。

亜矢美は客商売をやっていたからか、人の名前を忘れない。その場にいた麻子(貫地谷しほり)や神地(染谷将太)たちのことをちゃんとおぼえていた。
「神っち」「ももっち」と来て「なにっち?(下山に)」は面白かった。


ソラのキャラデザイン難航
さっそくなつはソラのデザインに取りかかる。が、彼女の描いたものは、テレビまんがの戦闘もののキャラのようで、坂場(中川大志)に却下される。
長年、テレビまんがのデフォルメしたキャッチーな絵柄に慣れてしまい、ごくふつうの生活者の絵が描けなくて悩むなつに、下山(川島明)は十勝でスケッチした優の絵を見せる。
トントン拍子で名作ができたらつまらないからハードルをつくっているのだろうけれど、なつだって、優の素朴な似顔絵をデスクに貼っていたし、そもそも、あの晩、描いていたイメージ画のようにしたらいいじゃないか。なぜ、これ? 
舞台を十勝にしつつ、国を限定せずに世界に通用する普遍性を出そうと思ったら、こんがらがったということだろうか。これは「なつぞら」自体が、舞台を戦後の十勝と東京にしつつも、きっちり時代性と場所を限定しないで、ふんわりとした感じにしていることと方法論が同じなのかもしれないが。
もしかして、たくさんの人の期待と好奇の目が注がれる朝ドラをどういうふうに描いたらいいか悩んでしまった作家の気持ちの現れだったりして。「大げさな喜怒哀楽を表現したり、過剰なドラマ主義に走らなくても」なんて坂場に言わせているし。

亜矢美を再び出すにあたり、唐突過ぎないように、川村屋の佐知子(水谷果穂)も再び、光子(比嘉愛未)のもとで働くことになったというエピソードを描き、鮭が戻ってくる話をとよにさせたうえで、亜矢美さんも戻って来たとする涙ぐましい努力。物語の終わりに向かってなつかしい人たちが続々集まってきたという流れを俳優の力で説得力をもたせる演劇のノリである。高畑淳子や山口智子はちゃんとそれをやってのけている。

終わりよければ……なので、あと三週間、すてきにまとまりますように。なつが「ワクワクしているような目」になりますように。キラキラバンバンキラキラアニーと魔法の呪文を唱えます。あ、いや、「ばりかたとんこつばりたかとんこつちゃるめららら~」か。

ちなみに、ノベライズでは、亜矢美は、寂れた店をみつけてはそこで働き、はやらせる。ということを続けてお金を稼いできたと記してある(台本にはそうあったので)。

【第24週あらすじ「なつよ、この十勝をアニメに」9月9日・月~14日・土】 
東洋動画を辞め、新たな道を歩み始めたなつ。感慨にふける間もなく、麻子(貫地谷しほり)が立ち上げたアニメ会社に出社早々、なつは作画監督を任される。下山(川島明)や神地(染谷将太)といった懐かしい仲間に囲まれ、「大草原の少女ソラ」の企画が動き出す。なつたちは舞台となる十勝の大地へとロケハンに赴き、美しい風景をスケッチして周り、泰樹(草刈正雄)が語る開拓時代の話には大きく心を動かされる。そして1974年秋、大自然の中に生きる家族を感動的に描いたアニメは話題を呼び、初めこそ視聴率は上がらなかったものの、少しずつ子どもやその親たちからの反響が出始める。

142回あらすじ  9月12日・水 放送
東京に戻ったなつ(広瀬すず)は、早速、新しいアニメーションの企画「大草原の少女ソラ」の主人公ソラのキャラクターを描いてみたが、麻子(貫地谷しほり)や坂場(中川大志)達にまったく認められない。思い悩むなつに対して下山(川島明)は、十勝でスケッチした優(増田光桜)と泰樹(草刈正雄)の絵を見せる。すると、忘れかけていた揺さぶられるような感情が沸き起こり、なつは勢いよくソラのイメージを描き始め…。


143回あらすじ  9月13日・木 放送
プロダクションでは連日、なつ(広瀬すず)と坂場(中川大志)を中心に「大草原の少女ソラ」の制作が進む。時に、泰樹(草刈正雄)の姿を想像しながら原画を描き続け、忙しいながらも充実した日々を過ごすなつ。そんな中、声優のオーディションが行われ、咲太郎(岡田将生)の事務所に所属する蘭子(鈴木杏樹)やレミ子(藤本沙紀)の配役が決まっていく。作画作業は、連日連夜ほぼ休みなく続き、ついに放送日がやってきて…。
(木俣冬)

登場人物とキャスト 登場順
奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。演劇部に入る。
高校卒業後、アニメーターを目指して東京に出てくる。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。孤児院で働きながら勉強している。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。勉強ばかりして家の手伝いを全然しない。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
なつをほんとうの家族にしたいと願い、照男と結婚させようとする。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院を出て新宿で亜矢美に助けられ、ムーラン・ルージュを経て、浅草の劇場で働いていたが、盗み濡れ衣を着せられ捕まってしまう。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。演劇部。高校卒業後、川村屋に修業に出る。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描いている。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 (31話から)犬飼貴丈 幼少期 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。東京で芸大に通いながらアニメの美術の仕事をしている。なつに絵画の道具を贈った。東洋動画に就職。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。演劇部に入り衣裳を担当する。「白蛇伝説」のラスト、白蛇として登場し喝采を浴びる。
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。演劇部の顧問。「魂」が口癖。なつの問題、十勝の伝承を交えて「白蛇伝説」の台本を書く。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。

19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入り、村長役を略奪する。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。

21回
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。

27回
前島光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン
茂木一貞 リリー・フランキー… 角筈屋社長
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。クラブメランコリーの看板。ムーラン・ルージュにいた。
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員。川村屋社員寮でなつと同室に。咲太郎を「同志」と思っている。
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員。咲太郎のことが好き。「真心を一晩貸したままだから」返してほしいと思っている。

28回
島貫健太  岩谷健司
ローズマリー  エリザベス・マリー…浅草の踊り子

30回
藤田正士 辻萬長  親分
松井新平 有薗芳記 …浅草の芸人
岸川亜矢美 山口智子 …元ムーランルージュの踊り子。咲太郎を助けた。

31回
下山克己 川島明 …新人アニメーター
仲努 井浦新 … 実力派アニメーター

37回
阿川弥市郎 中原丈雄 … 東京から北海道に移住。彫刻で生計を立てている。
阿川砂良 北乃きい… 弥市郎の娘。

44回
杉本平助 陰山泰… 川村屋の料理長

45回
蘭子 鈴木杏樹… 劇団の女優
虻田登志夫栗原英雄… 劇団の俳優

49回
井戸原昇 小手伸也… 東洋動画アニメーター

55回

森田桃代 伊原六花…仕上げ課の先輩、といっても年齢はなつと同じで19歳。あだ名は「モモッチ」
山根孝雄 ドロンズ石本…仕上げ課のえらい人。
石井富子 梅舟惟永…仕上げ課のベテラン。といってもまだ30歳。
大沢麻子 貫地谷しほり…原画スタッフセカンド。周囲に一目置かれている才能あるアニメーター。
おしゃれしているなつを敵視している。
堀内幸正田村健太郎…動画スタッフ 芸大出身で、線画のきれいさには定評がある。

58回
露木重彦木下ほうか…演出家、第一製作課長
山川周三郎古屋隆太…東洋動画スタジオ所長

66回
泉千恵
岡部たかし
池間夏海

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武

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