どうしたApple?イベントでプライバシーに触れなかったね #AppleEvent

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Image: Apple

最近のAppleは口をひらけば「プライバシー」と、これまでは合言葉のように唱えてきたわけなんですが、なぜか今回のイベントでは、プライバシーのプの字も聞こえませんでしたよ。

事件の言い訳はなし


数百万人の観衆が見守る中、AppleのCEOトム・クックが登壇していましたが、つい最近の無差別にAppleのユーザーがハッキングされた事件やFaceTimeバグ事件について、ここで言い訳しておくよい機会といってもよかったのですが、残念ながら、これらの事件は完全スルー。

これらの新型iPhoneはユーザーを守ってくれるんだよ、というような演説もありませんでしたし、Appleはついにプライバシーについて一切触れることなくイベントは幕を閉じてしまいました。

プライバシー方針は方向転換?


これはAppleの方向転換とも言える出来事です。だって、ラスベガスで開催されたCES 2019では、出展してもいないのに異彩を放つビルボードでプライバシーを主張して世間を驚かせていましたから、ね(「What happens on your iPhone, stays on your iPhone」という広告のとおりにがんばってもらいたいものですが)。

Appleも余計なことをしてしまったというか。こんな広告を打ったおかげで、メディアのよい標的となっていますよ。だって個人情報がサードパーティアプリにダダ漏れ状態になっていたのですから...ちょっと恥ずかしいかも。

ワシントンポストのコラムニストジェフリー・ファウラーは自分が寝ているうちにiPhoneがマーケティング会社やリサーチ会社と連絡をとっていたと批判しています。「わずか一週間のうち5400個ものトラッカーがiPhoneに入り込み、電話番号だけでなくメールアカンウトやIPアドレスや位置情報を取得していた」と記しています。

それも、いまさら驚くべきことでもないんですが。でも、これにより、Appleが今までとってきたプライバシーのスタンスで、マーケティング会社やサードパーティ企業と個人データの関係においては、Appleは他社とプライバシー面で一線を画すとした主張は幻だったのかなと思わせるものとなってきています。

そこにきてバグの発生です。

FaceTimeで盗聴さわぎ


1月、AppleはFaceTime機能を一時停止しています。それも通話先の相手が通話に応じない場合にも相手の音声を聞くことができるという不具合が発生してのこと。 通話をかけた相手のコールを相手に知られることなく発信元でとることができる、ということが可能になった不具合だったのです。電話の不具合としては最悪の部類に入る不具合と言えましょう。

翌月、Appleは脆弱性の発見により修正プログラムの提供日より前にその脆弱性を攻略する「0-DAY」攻撃の脆弱性を、サイレント修正していました。この脆弱性により、過去2年間にわたり数千というiPhoneをこの脆弱性の危険にさらしていたのです。この脆弱性による最大の危険は「メモリの破損」であったといい、これを発見した研究者により先月詳細が報告されています。泣きっ面にハチとはこのことで、この研究者はAppleの最大の競合Googleの研究者であったというので始末におえません。ブログの投稿で Appleはこの影響の規模について、反論と言い訳をしています。

汚名返上のチャンスを逃した?


だから、今回のイベントは、Appleにとってその汚名を返上するよい機会だったわけなんですが、トリプルカメラのついた電話や時間を教えてくれる時計や、新しいストリーミングサービスなどなど、いろんな製品が次から次へと登場しましたが、ついにプライバシーについては触れずじまい。ただ、Face IDなどのコア機能の紹介において、ちょっとだけセキュリティなんて言ってみたりもしてたかもしれません。

これだけのイベントで、これまでさんざんプライバシーを主張してきたAppleがついにプライバシーに触れなかったのは、単に偶然ではないでしょう。失敗につぐ失敗で、Appleはついにプライバシーについては触れない方がよいと判断した、と考えるほうが自然かもしれません。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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