不妊をすべて妻のせいにする夫…仮面夫婦を演じる女性の叫び

女子SPA!

2019/9/9 15:47

 子どものいない夫婦は子どもがいる夫婦よりも自分たちのために時間が使え、金銭的余裕もあるため仲睦まじい印象を持たれることも多いもの。しかし、一概にそうとは言いがたく、「子はかすがい」という言葉を実感させられることもあるという。今回は、そんな子なし女性の胸の内を取材しました。

◆いくら妊活を頑張っても、恵まれない日々

愛知県に住む秋さん(仮名・32歳)は今から3年前に、2年半付き合った進さん(35)と結婚。幼い頃に母親を亡くしていた秋さんは家庭に強い憧れを持っており、結婚後は2~3人の子どもをもうけ、幸せな家族を作りたいと願っていました。「結婚して半年ほどたった頃、夫に相談し、妊活を始めることにしたんです。でも、いくら頑張っても全く子どもに恵まれませんでした。」

秋さんはその後も妊活を1年ほど続けましたが、我が子を身ごもれることはなく、毎月生理が来るたびに号泣。次第に、心も不安定な状態になっていきました。もしかしたら、妊娠できないのは私の身体に何か原因があるのかもしれない…。そう考え、近所で評判の婦人科に足を運び、検査をしてもらいましたが特に問題はなし。

さらに詳しく原因を知りたいと考えた秋さんは進さんにも検査を勧めようと決意。しかし、それがきっかけで秋さんの家庭には暗い影が訪れます。

◆検査を拒否する夫、不妊が原因で不仲に

病院から帰宅した秋さんはその日のうちに進さんに検査を受けてほしいと懇願。すると、進さんはこれまで見たこともない剣幕で怒り始め、検査を拒否しました。「多分、夫は私から男としてダメだという烙印を押されたように思ったのでしょう。俺に原因があるかを疑う前に、もう一度別の病院で再検査をしてもらえと言ってきたんです。」

あまりの豹変ぶりに驚いた秋さんは怖くなってしまい、それからは進さんの前で子どもの話題を口にできなくなりました。その一件を機に夫婦仲は冷えてしまい、2人はセックスレスに。寝室すらも別にした夫婦の間に子どもが生まれるわけなどなく、秋さんはどうにもできない苦しさで何度も枕を濡らしたと言います。

◆「秋は子どもが産めない体だから」

そんな生活が2年ほど続いたある日、進さんのお義母さんの還暦を祝うため、2人は久しぶりにそろって進さんの実家へ足を運ぶことになりました。その祝いの席でお義母さんから言われた言葉は、今でも秋さんの胸に残っています。

「義理の母から、子どもが産めない体でも気にせずに夫婦仲良く暮らしてくれたら私はそれでいいからねと言われたんです。お義母さんは気を使って言ってくれたのだと思いますが、なぜ子どもができないことを知っているのか、そして体に問題がなかった私がなぜ“子どもが産めない体”だと断言されなければいけないのか、意味が分かりませんでした。」

お義母さんの言葉がどうしても引っ掛かった秋さんは帰りの車内で勇気を出し、進さんになぜ子どもができないことを知っているのかを尋ねてみることに。すると、孫の誕生を待ちわびていたお義母さんに進さんが「秋は子どもが望めない体なんだ」と言っていたことが判明したのです。

それを聞いた秋さんは車内で激怒。「自分は検査もしなかったくせに私が原因だとよく嘘をつけるねって言ってやると、向こうは無言になって…。それからは前にも増して口を聞かなくなりましたね。」

◆女友達のグループラインを見たくない

現在も秋さんは進さんと夫婦であり続けているが、その心境は複雑。子どもがいる暮らしへの憧れは年を重ねるごとに焦りへと変わっているよう。

「友達が気を使って、なるべく子どもの話題を出さないようにしているのが感じ取れるのも辛いです。」

そんな彼女が今、一番目にしたくないのがLINE。仲のいい女友達と5人でグループトークを組んでいるが、自分以外の4人はすでに出産を経験しているため、ふとした時に子どもの話題がトークで流れてくる瞬間が痛いのだといいます。

「5人の中で1番早く結婚したのに出産は先を越されてしまったと、友達にマウンティングされたように感じてしまう自分も嫌で…。」

相変わらず進さんとの会話も少なく、夫婦の形が分からなくなった秋さんは離婚も視野にいれながら、自立への道を歩み出しています。――もし、何の問題もなく子どもが生まれていたら秋さん夫婦はどんな家族になっていたでしょう。そして、進さんはどんな夫に、父親になっていたでしょうか。

秋さんの体験談を知ると、子どもができない苦しみを受け止めることが難しいのは女性だけでなく、男性にも言えることなのかもしれないと思わされます。男性の中には進さんのように、自分に不妊の原因がある可能性が高くても、それを認めたくなくて見て見ぬフリをしてしまう人も少なくないはず。もし夫がそうした行動を取ったら、妻である自分はどうしたらいいのかと考えさせられてしまいます。

「子はかすがい」という言葉がある世の中で子なし夫婦が硬い絆を結び続けていくには、もしかしたら“子ども以外の何か”で繋がり合うことが必要なのかもしれません。

<文/古川諭香>

【古川諭香】

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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