Appleが「まちのiPhone修理屋さん」向けに純正パーツやツールの提供を拡大

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Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

ついに。

Appleが独立系業者によるiPhoneの修理をこれから進めていく方向で乗り出しました。今までも何度となく物議を醸していましたよね。これからは、独立系業者にも保証外の修理に必要な部品とツールを提供してくれるようです。

まずは米国から


新しく制定される修理イニシアチブの一環として、Appleは外部の独立系修理業社にも、Appleの認定サービスプロバイダ(AAASP)にすでに提供しているiPhoneの修理に欠かせないOEMツールや診断、パーツ、ガイド、トレーニングなどを提供すると告知しました。

Appleでは独立系業者もこれからはAppleの認定サービスプロバイダと同じ値段でツールや部品を購入できるようになるとしています。このプログラムはまずは米国で展開され、順次世界各地にも広げていきたい計画であるとしています。

ぱっと見グッドニュースですよね。本来そうすべきだと思いますし。ただし、外部修理推進派は、これを手放しで喜んではいないようです。

ユーザー自身ではまだ修理できない


Appleは外部業者に修理どころかバッテリ交換すらさせないように努力してきた企業であります。 Appleの基準に適合するかどうかなどクリアする点はあるかもしれませんが、独立系業者も修理できるようにそのサービスを展開することは、消費者にとってもビジネスにとっても喜ばしいことではあります。それでも、ユーザーが自分たちで直すという選択肢は、まだないってことなんですよね。

分解レポートで有名なiFixitのカイル・ウィーンズは米ギズモードの電話インタビューで「独立技術者についてはこれまで経済面での議論がつねにつきまとっていたのだけど、自分の端末を自分で開くことができないなんて、端末を所有しているとは言えないよね」と言います。 ウィーンズはAppleの修理プログラムは 「iFixitの存在価値を高めるもの」でもあるとしています。

「iFixitを創設したのは、パーツやツールはおろか情報が不足しているというAppleの穴を埋めることが目的でした」とウィーンズ。iFixitはApple製品の修理を行うために必要なツールやパーツをいままで提供してきたのです。ツールやパーツは他社製品だけでなくAppleの純正品も取り扱っています。(現にモトローラは2016年にiFixitと提携し、DIYで修理が可能なセルフリペアキットを提供しています) Appleはこのパーツを独立系小売業者にも提供しようとしているわけですが、iFixitと競合することになるわけですが、今のところプラスにとらえているとのこと。

パーツを販売しないなんてナンセンス


The Repair Association社の取締役であるガイ・ゴードン=バーンは、米ギズモードのインタビューにメールで回答し、Appleの今回の発表に驚きを隠さないが、としたうえで、すでにMotherboard が入手して3月に公開した内部文書を見て、今回のプログラムの存在については数ヶ月前から知っていたとのこと。

「Appleは純正バッテリを一般ユーザーに販売していません。それなのに今回バッテリに不具合が発生しましたよね。自分の端末のバッテリを自分で交換できないなんて。先日の米連邦取引委員会の「Nixing the Fix」ワークショップでは、デザインの不具合や安全の問題が発生しているのにパーツを販売しないことが、ばかげているということを再認識できました。ゴードン=バーン氏は、修理の制限とそれによる消費者や独立系修理業者への影響についての米連邦取引委員会の7月のワークショップで指摘しています。

消費者にだって提供すべき


「安全」というコンセプトはAppleが修理市場を独占してきたことについての議論のタネとなるわけなんですが、AppleのCOOであるジェフ・ウィリアムズはこれについてのAppleの考えを「もっとも安全でもっとも信頼できる修理は、正しくエンジニアリングされ、厳格にテストされた純正のパーツを使って、しっかりとしたトレーニングを受けた技術者による修理である」と代弁しています。

しかし、Appleはこれにより果たして安全を犠牲にすることになるのでしょうか。ウィーンズがTwitterで指摘したように 修理診断が「独立系技術者に提供するのに十分な安全性」であるとしたら、「消費者にだって提供すべき」なんじゃないでしょうか。

もちろんこの新たなプログラムの展開については、気をつけるべきこともあるでしょう。Appleはプログラムの申請ぺージで「理由なく申請を拒否する権利を留保する」としています。そんなこと言われたら、申請しようとしている業者は困っちゃいませんか。申請しても通るか通らないかわからないんじゃ計画の立てようがありません。さらに、米ギズモード編集部がAppleから得た回答によれば、申請には少し時間がかかりそうだということです。

ガイ・ゴードン=バーンは修理ができる人たちに独立系業者を加えたことは「Apple認定サービスプロバイダをもっと増やしてほしいという消費者の要望に沿うものになるのではないか」としています。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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