LUNA SEA、J「自分の経験だけが情報」ニューアルバムで証明した『Limitless』

UtaTen

2019/9/6 12:00

大人が"限界はない"と発信し実現すること


──まずは4年ぶりのニューアルバムということで、アルバムリリースおめでとうございます。これ、すごいのが22年前に出されたファーストアルバムと同じ日にリリースということで。

J:ありがとうございます。そうなんですよ、スタッフに言われて気がつきました。

──ファーストアルバムと同じ日にリリースというところは意識していなくて?

J:全く意識していなかったですね。07年に初めてのソロアルバムを出してから僕のソロ活動がスタートしているんです。

97年にLUNA SEAをやっているとき、みんなそれぞれがソロをやるタイミングがあって、その時のファーストアルバムの発売日と同じ日という。

──奇跡的!そういう意味でのコンセプトもありきで制作をされたのかと思ったので、意外でした。

J:今回で11作目になるんですが、前回のアルバムで10作目という節目を迎えて。

自分自身にとっての音楽とかバンドとか、もちろんそういったものを全部自分の中でもう1度考え直すようなタイミングだったことは確かなんですよ。

そういう意味では11作目になる今回は新しいスタートだと思っていて、その当時のファーストアルバムのスタートと重なるところはすごくあるなと思っているんですよね。

──なるようになるというか、そんな偶然って必然のように起きるものですね。

J:不思議と自分自身に突き付けられるというか、メッセージのようなものを感じることはありますね。

──アルバムのタイトルが『Limitless』、限界はないという意味ですね。このアルバムタイトルは初めに決めて、タイトルに沿ったテーマありきで楽曲制作は進められていったんですか?

J:最初はアルバムのタイトルは全然頭の中になくて。この4年間の制作期間のいろいろなタイミングで曲を書いてきているんですけれども、先ほど言った通り10作目を終えてからいろいろなライブ、いろいろな活動をする中で自分自身の音楽に対する思いとか、これからに対する夢というものを考えたときに、やはり限界っていうのは物理的な限界は存在するけれども、考えたりイメージすることの限界というのは実はないんではないかと。

限界を決めているのは実は本人だけで、そういう意味ではやはりリミットなく自分たちの好きなものを追い求めていくような情熱的なアルバムを作りたいなと、まさに自分が今作っているものはそういうものなんじゃないかというところで、いいタイトルが付けられたと思います。

──まさにそういうことを言ってくれているような曲がたくさん入っていましたよね。しかも大人が"限界はない"ということを言ってくれることって、どの世代もすごく勇気が湧くのではないかと思います。

J:そうですね。ともすればいろいろなことを経験して、何となくこれはこうなっちゃうんだよね、ああなっちゃうんだよねって、簡単にその考えや、その場所には行けるじゃないですか。でも本当は大人だからこそそういうことをぶっ壊してほしいですよね。

こんな生き方もあるんだとか、こんな考え方もあるんだという、そういったものを大人には作ってほしい。

世間的に言うと僕らみたいなミュージシャンとかは、もしかしたら社会性みたいなところで言うと外れているのかもしれない、だけれども僕の周りには確かにいろいろなものをぶち壊していろいろなものを作って新しい世界を見せてくれるやつはたくさんいるので、実はすごく自然なことだったりもして。

だから僕自身が子供の頃にロックミュージックに出会ったとき、俺もなれるかも、俺もなりたい、みたいな思いを持てて、それがずっと今も続いているんですよね。

ロックミュージックのすごさって、誰にでもそうなるチャンスを与えてくれるところだと思っていて。全然、かっこつけてそういうことを言っているわけでもなくて実体験としてあるので、みんなの刺激に変わっていくような音楽や活動ができたら面白いなとは思いますね。

──カッコいい…貴重なお話をありがとうございます。

音楽シーンは変わっても揺るがない"アルバム"の持つ意味


──あと気になったのがアルバムの曲順です。歌詞の関連性を感じるような曲順で収録されているような印象だったんですが、曲順に関して何かこだわられた点はありますか?

J:今は配信などがあるから、簡単に音楽を聴ける時代じゃないですか、いい意味で。僕らは実はアナログ最後の世代なんです。

言い方はたくさんあるけど、アナログ、ビニール、バイナル、LPなど。アルバムって知ってる?僕らは貸レコード屋さんとかあった時代だったから、針を落として音楽を聴くという世代だったんですよ。

で、盤にはA面とB面があるから、その中に物語があって、途中で盤をひっくり返さなきゃいけないから、イメージのまま行かなきゃいけないことがあったり、1曲目から最後までの物語がすごい起伏がついているものが多かったので、やはりヒット曲を入れたら他はいいやみたいな作りはちょっと気持ち悪いのね。

最後まで聴いたときに感じる気持ちみたいなものも僕らは作っていく責任があると思っていて。当然1曲1曲、よしって思ってもらえるものもなければいけないと思っているんだけれども、そういう作り方をしているので。

──そこはアルバムを何作作ろうが、時代が変わろうが、変わらないところなんですね。

J:いまだにけっこう洋楽のロックバンドとかはそういった作りをしているバンドがけっこう多いですよね。

アルバムずっと聴いて最後にこういうことだったのか!とか、まるでライブを1曲目から最後まで見たような、映画を見たような感覚になるようなバンドも多いので。

──今は配信で音楽を聴くことがほどんどって時代で、よくアーティストさんが言うのが、曲間が一定だから曲と曲の間に持たせる"間"が自分たちの好きに出来ない、と。

J:そうだよね。曲間ってけっこう大事だからね。勢いつくし勢いを止められるし。そういう間を感じられなくなった子たちは…言ってしまえばかわいそうだよね。

しかも配信ってジャケットもいらないんだもん。

──今は画面のこんな小さいジャケット写真1枚だけですもんね。ジャケットの話が出たので、、、Jさんの今回のジャケットはかなりシンプルで、且つエレガントな感じですね。

▲11thアルバム『Limitless』のジャケット写真

J:ずっとこのアルバムには白いイメージがあったんですよね。いつもだとアルバムのジャケットを作る時に何かキーワードになることが自分の中に降りてくるんですけれども、今回はずっと白いジャケットがいいなってすごく思っていたんです。

さっきの話、新しいスタートという意味もあったのか、印象をつけるのは聴いてくれたみんなであったら嬉しいなというか。最初に何か絶対的なイメージをこっちから提供したくないという感じだったんですよね。

──それでこれだけシンプルに真っ白なジャケットに。

J:極端ですよね。前作はベースが燃えてましたからね(笑)

▲10thアルバム『eternal flames』のジャケット写真

──極端ですね(笑)そしてアーティスト写真もまたかっこいいですね!

J:いつもずっと作品を作ってくれるカメラマンさんとセッションみたいな感じで作っていました。

けっこうずっと一緒にとやっているので。自分自身の変化みたいなものも分かったりして面白いですね。僕自身、写真もすごく好きなので。

アルバムOPの『the Beginning』とMVがたまらない『Now And Forever』


──収録曲のことも詳しくお伺いしていきたいと思うんですけれども、1曲目『the Beginning』はアルバムのオープニングという立ち位置で作られた曲ですか?

J:そうですね。デモテープを作っている段階から仮タイトルが『オープニング』とつけられていたくらいで。

何か新しい自分自身の時を進める、そんなようなアルバムになると思っていたので、派手にスケール感のある曲を作りたいなと思いながら1曲目にふさわしいものを。というふうな、そんなキーワードから作っていけたかなと思っています。

──何となく重ためなものも感じるんですけれども、でも、しっかりと前向きなメロディーでまさに何かの始まりらしく。歌詞もすごく少なくてびっくりしました。あの尺の曲でこれだけ歌詞が少ないというのは、言葉の1つ1つが長いんですよね。

J:最近自分の中のブーム…っていうほどではないんですけれども、言葉を少なく、あまり詰め込まないことのかっこよさみたいなものに目覚めていて。

さっき話した"間"ではないですけれど、1つ1つの言葉が音楽と一緒に響いてくるような、言葉だけガーッとくる感じではない、そんなバランス感覚が自分の中でハマっていますね。

──そう言われてみると確かに全曲通して歌詞が詰まっていて言葉の主張だけが前に来るような曲はないかもしれない。そして『the Beginning』からの2曲目は『Now And Forever』。今と永遠ですか。前奏と間奏がすごくかっこいいですよね、秘めた闘争心のような感じで。

J:バンドとしてもけっこうスピード感というか、そういったものを曲に落とし込むことができたので、いい感じでカッコいい曲になったと思います。

──これはミュージックビデオ作られていましたけれども、ストーリーを作ったりせず基本的に演奏シーンでした。

J:そうですね、いつも監督さんと話したりするんですけれども、最終的に演奏シーンが一番いいねという話になってしまうんですよね。バンドとして伝えたいことがその方がストレートにみんなに伝わるかなみたいな。

──最後弾き終わる時の感じが特徴的というか、カッコいいんですよ、まだ見ていたいのに未練なく終わる感じが突き放されるというか置いていかれるような…

J:置いていかれる(笑)?そういう感じがする?

──するんです(笑)。でもたまらないんですよ、それが。何なんですか、あのカッコいい感じは(笑)。

J:曲の最後のイメージというか、そこに何が見えたかとか何を感じたかというのも、もしかしたら僕たちのメッセージの中にインプットされているのかもしれないですよね。

そこからまた聴いた方々の世界が始まるというか。そういう思いをもってライブとか来てもらいたいですよね。

──確かに、楽曲フルでMVを公開してくださっているのもそういう意味ではいいですよね。1番だけ公開されるような形だったら、それはそれで2番を見たくなるというのもあるんでしょうけれども、ライブに行きたくなって終わるMVでした。

J:嬉しいですね。

▲J / Now And Forever -Music Video-

──歌詞に関することで、この曲の中でJさんが好きなフレーズであったり、こういうこだわりがあってこの言葉にしたんだ!というエピソードがあれば伺いたいです。

J:『Now And Forever』、永遠ということなんですけれども、この曲自体10作目を作り終えた後の自分自身の音楽に対する思いとかこれからに対する思いみたいなものを歌詞の中に封じ込められたような気がするんです。

決してそれって特別なことではなくて、みんなの日常の中にも何かを決断しなきゃいけない時とか何か勇気を振り絞っていかなきゃいけない時、そういう局面ってあると思うんですよね。

そういった時に背中を押してあげられるような、そんな曲であってほしいな、何かのヒントになっていてほしいなというところは実はあって。

言葉もそういったみんなの気持ちが重なればいろいろなイメージがみんなの中に生まれていくのかななんていうイメージをしながら作っていました。そういう意味では何か前に1歩前に進もうと思っている人たちに向けた曲かもしれません。

──英語と日本語の使い分けみたいなところはどういうふうに決めているんですか?響きとか、音に合うかどうか?

J:けっこう僕自身日本語も大好きなので。外国人の友達もたくさんいるんですけれども、付き合えば付き合うほどやはり日本語の素晴らしさというのを感じたりもするんですよね。

昔は英語のほうがかっこいいみたいなところはあったけれども、当然乗りやすいのは英語だったりもして、あんまり意識せずそこに向かっていっているんですよね、今は。

もっと言うとどっち使うと言われたときにまず日本語でトライしたいなと思う気持ちがとてもあって、日本語で何かもっとかっこよくできるんじゃないかなっていう挑戦ですね。

周りにYeahっていう本物の仲間がいるから、簡単にYeahって言っちゃわないで日本語でいけたら嬉しいなというのはあったりする。

『at Midnight』の歌詞を紐解く


──そして次の『at Midnight』なんですけれども、この曲はJさんの人生のどんなシーンを切り取った曲なんだろうというのが気になりました。若い世代にも特に寄り添ってくれるような歌詞なんじゃないかなと思ったりしました。

J:タイトル通り、真夜中にふと思ったことを本当にそういう普通の日常の中にある孤独感みたいなものを共有できるような歌詞が作れたらいいなというか、みんなのイメージが重なり合えればいいな、なんていうふうには思っていました。

最近はあんまり夜中とか遊んではいないけれど、東京に住んでいて、そんな生活をしていたときに見ていた景色みたいなもの。

ワーッと盛り上がっているんだけれどもぽつんと空白が生まれるというか、ブランクを感じたり、それを埋めるために無理をしたり、でもそういったテンション、そういった風景みたいなものを封じ込めたかった。

でも決してそれが全然絶望的な孤独じゃないんだよというのを感じ取ってもらえたら嬉しいな、なんて。

──「絡み合う 孤独のメロディー」と歌詞にある通り、絡み合うということは、絡み合うものや相手があるということだし、行っていることとは相反するようですけど、絶望的な孤独じゃないと先ほどおっしゃられたような思いがこの少ない言葉に封じ込められているようです。

J:自分も歌詞を書くとき、無理やり言葉を探すことはなく自然に入っていけたので。曲とともにいい感じになったかなとは、すごく思っています。

──曲作られるときは、ベースを弾きながらそのままメロディーと歌詞まで一緒に出てくるような感じなんですか?

J:みんなに聞かれるんですけれども、LUNA SEAの時もそうだけど、曲ができるときって全部がバラバラじゃないんです。まず想像した時から全部が見えているので、それを形にしていくだけというか。

ドラムもベースもギターもボーカルも、全部一緒になって聴こえるので、それを目に見えるようにというか、みんなに聴こえるように楽器に置き換えていっているだけというか。不思議なんですけれども(笑)。

──凡人には分かりえない感覚です(笑)。

J:いえいえ、皆さんも鼻歌歌わないですか?

──鼻歌歌います!でもアレンジまでイメージして鼻歌なんて歌わないですよ(笑)!

J:でも誰の曲でもない鼻歌とかって歌ったりするでしょう、それと一緒ですよ!

それにドラムどういうのがいいかなって今度考えてみてください!みんなすごい作曲家だったらどうしよう(笑)。

ギターはどういうふうになっていてほしいかなとか。

──ギター、弾いたことないです…。

J:みんな感覚的に絶対的に持っているものだと思います。だって行っちゃいけない音って分かるでしょ?

ここ行ったら外れるな、気持ち悪いなって。それって絶対的に感覚的に人として持っているから。音には行ける場所というのがあって、それがスケール。それを繋いでいけば曲になっていくから。

今MacとかでGarageBandとか入ってるでしょ、あれは最高の暇つぶしになりますよ。暇つぶしって言ったら怒られちゃうか。

何小節かのループをずっと組んでいって、これは使える使えないとか、そこから始めていったり。今の時代は楽器が弾けなくても頭の中でそういうことができれば、世界はとれるんです。

──できないって思いこんでいただけかもしれない…それこそリミットレスですよね。やはり今作に『Limitless』というタイトルがついたのはJさんの中に変わらずそういう意識があるからなんでしょうね。

J:そうやって生きてきてしまっているので、ガキの頃には本当に勉強もできなかったし、学校の音楽もできなかったし、運動だって一番取れなかったし、そんな中で出会ったバンドだったり音楽だったりした、自分がムキになってがむしゃらになれるものがあったのは俺は幸せだったとは思う。

仲間に会ってからはもう、全部自分たちがやればやるだけ形になっていったから、全然夢物語じゃないというのも知っているんですよね。だからみんななんでやらないのかなと思うし。

──すごく勇気が湧きます。

J:当然リスクはあるよ。当然あるんだけれども。

──きっとそのリスクが見えることが挑戦する気持ちより先に立ってしまうからできない。今は情報が多いから、知った気になって自分で壁を作る人が多いんですよね。

J:そうそう、だからそういうのを簡単に信じちゃダメだよね。自分でもこの年になって、大人になってそうだなと思わされたこともすごくあるので。

僕のバンドの先輩が「こういうネット社会とかになっていろいろな事が見れるよね、いろいろな風景でどこか行かなくなってそこの場所に行った気分になれるでしょう。でもそれっていうのは本当の情報じゃないんだよな」って言っていたんですね。

本当は「自分で行ってみて感じたことだけが情報だから」って。山に登った大変さとか、行ったところの寒さとか暑さとか、そういうのまで分からないわけじゃないですか。

そういえばそうだよな、人生に置き換えてみたらやってないことをやったことのように感じてることのほうが退屈だよねと。本当にそう思うんだ。

人生最強のマインドで周ったツアー


──最後に『Love Song』についてのお話も伺わせてください。歌詞の「逃げ出した自分の影を 君の中に見つけた」ってフレーズにもたせた背景や、この感覚について教えて下さい。

J:読んでそのままなんですけれども、自分自身の弱さみたいなところがすごいみんなと重なるところがある、誰にでもあるというか、誰もが特別じゃないでしょというところを言いたかったというか。

得意なところもあれば不得意なところもあったり、逃げ出したくなるような瞬間も当然誰だってあって。今そうじゃないやつもいれば今絶賛逃げているやつもいれば、そういうことも全部、仲間というか。

──このフレーズを受けて、Jさんはそういう痛みとか弱い部分を持っている子に、"この子を守りたい"とか、愛しいって気持ちを抱くようなタイプなのかな?って思ったりもしたんですよ。

J:そうかもしれないですね。さっきの経験の話じゃないけれども、それぞれがそれぞれの何かに向かって戦っているわけじゃないですか、そういった時にそれすら愛おしく思えるというか。そんな気はします。

──まさに愛の歌ですね。この『Limitless』を提げてのツアーも行われましたが、その感触はいかがでしたでしょうか?

J:すごいかっこいいアルバムができて、それをひっさげた全国ツアー、全国各地、4年ぶりの新しいアルバムだったので各地でものすごい盛り上がったライブになりました。

ともすればさっきの話じゃないですけれども、自分自身がだんだん音楽に対して情熱とかが薄れていくようなことがあってもおかしくないような年代にもなってきているし、でも、不思議なのが、やればやるほど熱がどんどん強くなっていっているのを感じるんですよね。

自分でもそれを面白がっているというか、今の今までの経験と知識とそして一番最初に音楽に出会った時の初心というか初期衝動みたいなものを両方持って向かって行けることにすごく自分自身もドキドキしています。

この場所まで来られたのはずっとサポートしてくれたみんなのおかげだし、だからこそこれからもすごいことをやっていきたいななんていうふうには思っています。

──これからも凄い事をやっていくJさん、楽しみにしています!それではインタビューは以上になります、ありがとうございました!

J:ありがとうございました!

Text&Photo 愛香

当記事はUtaTenの提供記事です。

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