今からでも遅くない? 経験者が語る仮想通貨の現在とこれから 第44回 ICOの次はSTO? IMO? 次々に出てくる仮想通貨用語


ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本稿では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。

今回のテーマは、「ICOの次はSTO? IMO? 次々に出てくる仮想通貨用語」。

○古い言葉になったICO

第14回の記事でご紹介したICOですが、すでにこの言葉は過去のものになりつつあります。

ICOは、「Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)」の略で、株式における「Initial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)」に似せて作られた造語です。言い換えれば、ただの資金調達のことで、「新しいコイン(仮想通貨)を開発するので、開発費用やマーケティング費用を投資してくれませんか?」ということですね。

2017年の仮想通貨ブームは、ある意味ではICOブームでもあり、多くのICOプロジェクトが生まれては消えていきました。塩漬け状態になってしまった人も多いと思いますし、投資したお金がどこかへ消えてしまった人も多いでしょう。

ICOの成功確率はあまりにも低く、第15回の記事でお伝えしたように、その確率は1.9%ほどとさえ言われています。そのため、ICOに対するイメージは悪くなり、ICOという言葉さえあまり使われなくなりました。
○STOとは

STOは、「Security Token Offering(セキュリティ・トークン・オファリング)」の略です。STOは、所有権をトークン化したものとされています。主に、企業の所有権である株式をトークン化したものを発行・販売することで資金調達を行うのがSTOです。トークンの種類については、第23回の記事をご覧ください。

ICOとの違いは、STOの場合、金融商品として各国の法規制に則って行われることです。ICOは金融商品として見なされない国もありますから、そこが大きな違いでしょう。

例えばアメリカでは、SEC(米国証券取引委員会)のフレームワークに従ってトークンの販売が行われます。アメリカが定める規制をクリアできる有望なプロジェクトのみがSTOを行えるということです。

プロジェクトの運営元が詐欺集団かもしれないICOに比べれば、投資家の安全性は高まりますよね。取引に制限のある金融商品として扱われますから、世界中の誰でもがSTOに投資できるわけではありませんが、「安全な投資先」と判断されれば、当然ながら多くの投資家から資金を集めることもできるでしょう。

投資家にとっては、株式投資と違い「STOなら、365日24時間取引ができる」というメリットもあります。STOは株式をトークン化したものですから、利便性の高い仮想通貨の長所を享受できるわけです。一般的な株式投資では、証券取引所の営業時間にしか取引ができませんが、その制約はありません。

STOに投資できるプラットフォームには、アメリカの大手仮想通貨取引所である「Coinbase(コインベース)」があります。コインベースは、2018年7月にSECから有価証券の取り扱いの認可を受け、STOを実施できるようになりました。日本の三菱UFJフィナンシャルグループとの提携が決まっていますから、日本にも進出するかもしれませんね。
○IMOとは

IMOは、「Initial Model Offering(イニシャル・モデル・オファリング)」の略で、中国で生まれたとされる新しい資金調達手段です。

特徴は、「段階的・複数回にわたって少量のトークンプレセールを行うこと」「プレセールを行いながら、市場価格をマーケットメイクしていくこと」です。

ICOの場合、多くの投資家から大きな資金が入れば、仮想通貨の開発が実現し、価格が大きく上昇する可能性が高まります。しかし、そもそも悪意を持って行われていることもありますから、極めてリスクは高いということになります。開発が実現すると一時的に価格が上昇することはあるかもしれませんが、一気に売り注文が入り現金化する人が増えれば、価値は大きく下落してしまいます。ですので、「高い価値があった仮想通貨」という過去の資産になってしまいます。「あの頃は良かったな~」というやつですね。

IMOでは、価値の乱高下が起きないように、出金制限をかけています。ある程度は出金できますので、仮想通貨の価値が全く下がらないなんてことはありませんが、「ある程度は乱高下を防げる」というわけです。段階的に少量ずつ販売を行うので、マーケットメイクができるということですね。徐々にでも良いから価値を上げていきたい(仮想通貨の資産価値を上げていきたい)というニーズに合っているでしょう。

IMOという言葉はまだメジャーになっていませんが、香港の法人が運営している「IMO交易所(IMO取引所)」という仮想通貨取引所でIMOの運営がスタートしています。IMO取引所では、ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、ライトコイン(LTC)、トロン(TRX)、オミセゴー(OMG)などを取り扱っています。
○投資は捨て銭でやるもの

ICOやSTO、IMOなど、さまざまな仮想通貨用語が生まれていますが、これらはいずれも資金調達の手段です。資金を出すということは、投資するということです。大原則として、投資はなくなっても「まぁしょうがないか」と思える捨て銭でやるのが良いでしょう。全財産を投資するなんてことは、絶対にしないでくださいね。投資で人生を狂わせてしまうなんて、極めて虚しいことだと思います。

次回は、「分散型銀行」についてご紹介します。

○執筆者プロフィール : 中島 宏明(なかじま ひろあき)

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。オフィシャルブログも運営中。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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