成果を上げながら定時で帰る仕事術 第13回 いつもの会議が実はムダの温床かもしれない


本連載の第12回では「プレゼンの主役は『聞き手』と意識しよう」と題し、プレゼン自体と後日のフォローの仕方についてお話しました。今回はプレゼンの場も含めた「会議」に焦点を当てて、そこに潜む多くのムダについてお伝えします。

○会議にかかるコストや時間

会社に勤務していれば、週にいくつもの社内会議に出席し、そこに合計何時間も費やすのは珍しいことではありません。毎日のように長丁場の会議に出席していて、終日会議に出ずっぱりという方もいるのではないでしょうか?

会議は仕事に欠かせないものですが、一方でムダだらけの会議がはびこってしまうことで、会議に高額なコストをかけながら何もアウトプットを得られない上、それに気が付かずに延々と繰り返してしまうケースを多くの会社で見かけます。

この時点で「うちの会議室は社内にあるからコストはかかっていない」とお考えになる方に向けて補足します。会議にかかるコストは通常、その大部分が「人件費」です。例えば年収1,000万円の部長1名、700万円の課長2名、400万円の部員10名で2時間の会議を毎週2回ずつ開催したとすると、社会保険料などの費用を無視してざっと計算しても1回の会議では6万円超、年間では実に600万円超の人件費を「その会議だけで」費やすことになります。そして会議で消費される労働量は年間で2,400時間を超えます。

それだけのコストと時間、労力をかけるのですから、それに見合った結果を出すことを意識して会議に臨みましょう。
○その会議、本当に必要ですか?

「ご自身が開催、あるいは出席している会議はすべて必要なものですか?」と質問をすると、ほとんどの方が「必要に決まっているじゃないか」とお答えになると思います。では、今度は「それらの会議、一つひとつの目的と目標は何ですか?」と伺うと、即座に理路整然と答えられる方は極端に減ります。

「目的と目標はよくわからないけれど必要だと思う」というのは根拠に基づかない主張に過ぎず、本当にその会議が必要かどうかは、かなり怪しいと言わざるを得ません。早急に必要性を吟味することをお勧めします。

また、よくありがちなのが「この会議は私が入社する前から毎週火曜日に開催されることが決まっていた。前任者から引き継いだので、この会議は今後も続けなければならない」という、一見もっともらしく聞こえる理由で開催されている会議です。「何のための会議か」という質問に対して「前任者から引き継いだ会議だ」と答えており、そもそも質問の回答になっていません。また、「前任者から引き継いだから」というだけでは会議の存続理由として不十分です。このような会議についても「そもそも何のための会議か」を厳しく問うことで本当に必要かどうかを判断しましょう。

他にも「情報交換のため」「コミュニケーション活性化のため」「部署間連携のため」などの曖昧な目的が挙がる場合には要注意です。何のために「情報交換」するのか、そもそも「情報」とは何の情報なのか、「コミュニケーション」が活性化された状態は定義されているのか、活性化とは会議で行うべきなのか、「部署間連携」とは何なのか、どのような連携を目指しているのかなどの問いに対し、明確かつ論理的に答えられるかどうかを吟味しましょう。

そしてもし答えられなければ「その会議をなくした場合に業務上、不都合が生じるか」を考え、特に不都合がなさそうならば、会議をなくしてしまって差し支えないでしょう。
○その会議、長すぎませんか?

会議の開始時刻には厳しい反面、終了時刻にはルーズで毎度のように予定終了時刻をオーバーしてしまう。もしくはそれ以前にそもそも終了時刻が設定されていない。そんな会議、社内にありませんか?

まず終了時刻が設定されていない会議ですが、その理由を聞くと「良いアイディアを出すのが会議の目的であり、それがどれだけの時間で出るかは事前に予測がつかない」とか「部署間で方針がバラバラの案件について、会議中に意見をまとめなければならないが、議論の紛糾は必至で終了時刻など無意味だ」といった回答を伺うことがあります。

どちらの理由も一理あるようには見えますが、だからといって終了時刻を想定することさえ諦めるのは知的怠慢と言わざるを得ませんし、ムダに長い会議の量産を助長することにつながりかねません。そのため、いかなる理由があろうと会議の終了時刻は予め設定しておくべきです。仮に会議の目標を達成するのにかかる時間の「予測」が無理でも、「目標」であれば立てられるはずです。

次に予定していた終了時刻をたびたびオーバーしてしまうケースですが、こちらはタイムマネジメント(時間管理)を見直す必要があります。そもそも終了時刻を出席者にしっかり周知できていなかったり、会議の開始から終了までの時間配分が決められていなかったりする場合は、そこを抜かりなく詰めておく必要があります。どうしても予定していた時間配分通りに進まない場合は、そもそもの会議の流れを見直したり、各議題の間や会議終了時刻間際に適度なバッファーを予め設けたりして対応することをお勧めします。
○その会議、人が多すぎませんか?

会議は少人数で行うものから大勢が集まって行うものまでありますが、後者の場合には気を付けなければならないことがあります。それは、その会議の目的に照らし合わせて必要最小限の人数で開催されているかどうかです。

自分が会議を開催する立場に立った際、誰を呼ぶか議論していて「一応、あの人も呼んでおこう」とか「関係者全員に来てもらおう」というような話になったときは特に要注意です。会議の目的・目標を達成するうえであまり重要でない人を巻き込むことはムダでしかなく、場合によってはかえって障害にすらなってしまう恐れがあります。

このことは自分が会議に呼ばれる立場のときも同様で、とりあえず呼ばれて会議に出てはみたものの、自分に求められている役割がよくわからず、黙って聞いているだけで会議が終わってしまった、という経験が一度はあるのではないでしょうか? それは自分にとっては時間をムダに浪費してしまうことになりますし、ややもすると他の出席者から「あの人はずっと黙って聞いていただけだったが、いったい何のために会議に出たのか」と、知らぬ間に悪い印象を与えてしまうかもしれません。

このような事態を避けるために、会議を開催する側としては、会議の目的・目標の達成に不可欠な権限と役割を設定し、それを充足させるのに最低限必要な人数を考えましょう。そして会議に出席する側としては会議の目的・目標と、自分が求められる役割を把握することに努めましょう。

さて、ここまでで会議に潜む主なムダとその要因、対応策についてお伝えしてきました。一度ご自身が開催、または出席される会議について見直してみてはいかがでしょうか?

なお、次回は効率的・効果的な会議を実現するための準備について説明しますので、こちらもご一読くだされば幸いです。

○筆者プロフィール: 相原秀哉(あいはら ひでや)
株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役
慶應義塾大学大学院修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。グローバルスタンダードの業務改革手法、Lean Six Sigmaを活用したコンサルティングを得意とし、2012年に日本IBMで初めて同手法の伝道師 "Lean Master"に 認定される。その後、幅広い組織や個人の生産性向上に寄与するべく独立。生産性向上による働き方改革コンサルティングや、コンサルティングスキルを実践形式で学べるビジネスブートキャンプを手掛ける。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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