セスナ機の初飛行訓練で教官が失神 管制官の指示で無事着陸した男性(豪)

セスナ機の初飛行訓練中に教官が失神するというアクシデントに見舞われた男性が、航空管制官の指示を受けながら約1時間も操縦を続け、見事着陸に成功した。男性は「生きていられたのは管制官の見事な誘導と、日ごろの勉強の成果」と笑顔で語っている。『ABC News』『Fox News』などが伝えた。

2座席しかないセスナ社の小型飛行機「セスナ152」の飛行訓練を受けていたマックス・シルベスターさん(29歳)は8月31日の午後、エアー・オーストラリア・インターナショナル・フライイング・スクールの教官、ロバート・モラードさんが機内で失神していることに気付いた。離陸から約1時間後のことだった。

マックスさんはセスナ機を操縦するのは初めてで、まさかの事態に大量のアドレナリンが放出されるのを感じながらも、なんとか西オーストラリアの航空管制に連絡を取った。地上では妻と3人の子供たちが見守っており、マックスさんは上空で何が起きているのかを説明し、平静を保とうと努力した。

この時の会話は録音されており、応答した管制官はゆっくりとした口調で「操縦の仕方はわかるかい」と質問すると、マックスさんは「いいや。これは私の最初のレッスンなんだ…。教官が肩にもたれかかってきてね。真っ直ぐ座らせようとしたけれど、すぐに身体が倒れてしまうんだ。教官の意識は戻らない。コミュニケーションは取れない状態だ」と状況を説明している。

それから管制官はマックスさんを落ち着かせようと約62分もの会話を続け、緊急着陸ができるように指示を続けた。

管制官「とてもうまく操縦できているよ。かなりのストレスだと思うけど、君はこれから素晴らしい飛行をするんだ。私たちがしっかりガイドするから着陸まで頑張るんだ。」

マックスさん「そうだね。教官も私のことを今までで最高の生徒だって言ってたよ。」

管制官「着陸の経験はあるかい?」

マックスさん「初めてだよ。」

こんな会話をしつつも、マックスさんは管制官からウイング・レベルを保つこと、スピード、高度、着陸の仕方などの指示を受け、上空を何度か旋回した後に西オーストラリア州パースから南に20キロほどのジャンダコット空港に無事着陸したのだ。

マックスさんは管制官に感謝し、「実はこれまでに2度、飛行訓練を受けたことがあるんだ。でも今回は機種も違うし、自分で飛行機を着陸させたことは初めてだった。もしまた同じようなことが起きたらと思うとちょっと怖いけど、飛行機の操縦は続けるよ」と語ると、このように続けた。

「無事着陸できたのは、きちんと宿題をこなしていたからだと思うよ。パイロットになりたくて学んできた生徒が、教えられた通りに空を飛んだだけさ。コックピットに入る前にも本を読んで復習したんだ。これまできちんと学んできた甲斐があったということだね。もし怠けていたら、今の自分はいないだろうね。」

フライイング・スクールのオーナーであるチャック・マケルウィーさんは、「28年間この仕事をしているけど、こんなことは初めてだよ。とにかく何事もなく本当に良かった」とホッとした様子で語っている。

ちなみにこのニュースには、「自分はパイロットになって35年になる。彼は本当によくやった」「日ごろの勉強、そして何よりも冷静だったのが良かったんだと思う」「会話を聞いたけど、管制官の指示が実に的確だった。お見事」などといったコメントが寄せられている。

なお、機内で失神したロバートさんは病院に搬送されており、重体ではあるものの容態は安定しているとのことだ。

画像は『Max Sylvester 2019年7月26日付Instagram「The Pilot selfie.」』『ABC News 2019年9月2日付「Emergency landing pilot Max Sylvester says ‘study’ saved his life after instructor collapsed」(ABC News: Briana Shepherd)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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