がんを克服した医師が実践 「空腹ルール」で長寿もダイエットも実現する

日刊SPA!

2019/9/4 15:52

「疲れしらず、病気しらず、老化しらずの若々しい体で、いつまでもいたい」。

多くの人の共通の願いだろう。これまで健康や長寿、アンチエイジングのためのさまざまな食事法が紹介されてきた。その多くは「●●を食べるべきだ」「●●は食べないほうがいい」といった食事内容を制限するものだった。

しかし近年、最新の医学エビデンスによると、「何を食べるか」よりも「食べない時間(空腹の時間)を増やす」ことの重要性に注目が集まっている。なぜ「空腹」によって人は健康になれるのだろうか?

◆舌がんを患った医師が実践する「空腹健康法」

「現代人は食べすぎです。食べすぎだから体調が悪いし、病気になる。江戸時代までは1日2食が普通でした。飽食の時代になったのは昭和40年以降で、がんや糖尿病、高血圧などの生活習慣病が急激に増加してきた時期と重なっています。だから何を食べるかを気にするよりも、1日の中で上手に『空腹の時間』を作ることから始めたほうがいい。空腹の力によって、多くの病気や不調は改善できます」。

こう話すのは、医学博士の青木厚先生。

青木先生が「空腹」の力を利用した食事法について書いた、著書『「空腹」こそ最強のクスリ』(2019年1月、アスコム刊)は口コミで広がり、8万部を超えるベストセラーとなっている。実はこの食事法、舌がんを患った青木先生が自らの命をかけて考案したという。先生自身、9年以上この食べ方を続け、がんの再発を防いでいるのだ。

今回は、「青木式・空腹健康法」のやり方とその健康効果についてお伝えしよう。

◆食べ方のルールは「睡眠8時間+8時間の空腹」を守るだけ

その方法は、「連続16時間の空腹時間」を確保するというもの。その16時間には睡眠時間を入れても良い。つまり、睡眠時間が8時間の人ならば、起きている間の8時間、ものを食べなければいいだけ。

たとえば、朝10時に朝食をとる人ならば、昼食を抜いて、夜の18時に夕食をとる。

あるいは、朝食を抜き、12時に昼食、20時に夕食をとっても達成される。

いずれにしろ、24時間のうち16時間連続の「空腹時間」を確保できればOKというわけだ。しかも「空腹時間」にどうしてもお腹が減ったら、ミックスナッツやヨーグルトなどを口にしてもいい。

さらに食事の際は、カロリーや栄養素を気にせず、好きなものを好きなだけ食べていい。ステーキでもラーメンでもアルコールでも、心行くまで堪能していいのだ。

◆16時間の空腹で、全身の細胞が生まれ変わる

「空腹の時間」が16時間必要である根拠を、青木先生は次のように語る。

「私は舌がんに罹患した当時、がんの再発の防ぐための方法をテーマに研究を重ねていました。その中で『Autophagy(オートファジー)』と『intermittent fasting(間歇的断食)』というキーワードに出合いました。

オートファジーとは、簡単にいうと人体の古くなった細胞を新しく生まれ変わらせる仕組みのことです。細胞が新しく生まれ変われば、がんを撃退する免疫細胞の活性も高まります。そしてこのオートファジーは、間歇的断食、すなわち1日のうちに16時間程度はものを食べない、空腹の時間をつくる食事法によって誘導されることが、最新の研究で明らかになってきたのです」

断食ときくと、胃腸を休めるリセットのため、というイメージが強いが、青木先生の提唱する「空腹健康法」は、胃腸のみならず全身の細胞を生まれ変わらせるためのもの。それゆえ、オートファジーが活性化する「16時間」がポイントになる。

ちなみにオートファジーは2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典栄誉教授の研究テーマであり、今世界中で注目が集まっている人体の仕組みである。

ダイエットや髪の若返りを実感

青木先生はこの食事法を9年実践しており、がんの再発を防いでいるほかにも、さまざまな健康効果が得られているという。まず、免疫細胞が活性化したことにより、風邪やインフルエンザに罹ることは一切なくなった。オートファジーの若返り効果で髪の毛はフサフサとなり、17%あった体脂肪率は6.6%まで落ちたそうだ。そして感覚が研ぎ澄まされて集中力も増し、がんになる前より現在のほうが診療も研究もはかどっているという。

「この食事法は、肥満や糖尿病、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、関節リウマチ、うつ病や統合失調症にも著明な効力を発揮することがさまざまな研究でわかっています。空腹によってオートファジーが活性化し、傷ついた体の細胞が修復されていくのです。まさに、『空腹』こそ最強のクスリ、です。

また当然ながら、ダイエット効果も抜群。好きなものを好きなだけ食べているのに、16時間の空腹を守るだけで、2週間で5キロもやせた方もいます。慢性疲労がなくなった、体が軽くなったなど、喜びの声をたくさんいただいています」(青木先生)

◆慣れると空腹が心地よくなってくる

でも、16時間ものを食べないのは大変だと思われる方もいるだろう。

確かに1日3食きっちり食べている人は、最初の数日は空腹感を強く感じるかもしれない。しかしこの空腹感は意外と数日で消失していく。それどころか慣れてくると、空腹の時間が心地よくなってくるそうだ。マラソンランナーの“ランナーズハイ”の感覚に似た“空腹ハイ”を味わうと、もうこの食事法のトリコだそう。

健康で引き締まった若々しいボディを手に入れるためにも、試してみる価値はありそうだ。

【青木厚氏】

あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学付属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て2015年にクリニックを開設。40歳で舌がんを患うも完治。

<文/日刊SPA!取材班>

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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