駅前で名刺交換させる新人研修はパワハラ?世代別で大違い、パワハラ研修の境界線

日刊SPA!

2019/9/4 08:52

 先日、「駅前で新卒の女の子に名刺交換を求められた」という趣旨のツイートが「このような社員研修はパワハラではないか?」と大きな反響を呼んだ。

<川崎駅前で、突然新卒の女の子に名刺交換を求められて、「こんな事を新卒にやらせる企業は、やめたほうがいい」って伝えたら、その場で泣かれてしまった…。曰く、同期も日に日に減ってきていて、上司は入社後、徐々に怖くなっていってるらしい。許せなかったので、迷惑行為として通報しました>

<勿論、通報したのは女の子の所属してる企業を聞き出して、企業を通報しました。女の子は、今月中に辞めるそうです。もしこのツイートを見ている駅前で名刺交換やらされてる人がいたら、いますぐそんな会社辞めていいと思う。街頭の名刺交換で得られるスキルに、価値なんてないよ!>

ツイート主のおばけ3号さん(@ghost03type)に当時の状況を聞くと、彼女が声をかけてきたときには「すでに涙目だった」という。

「正直、善悪や適切・不適切のわからない若者に対する冒涜だと思いましたね」

おばけ3号さんは、このような研修に対するアラートを目的にツイートしたそうだ。

「もちろん、有益な研修であれば、多少の根性試しは必要と思いますが、無益かつ対外的に迷惑な作業を繰り返すだけの研修は無くなるべきと思います」

実際、繁華街などで新入社員が無意味とも思える名刺交換をさせられている様子を目にすることはいまだにある。その交換した名刺は持ち帰り、契約が取れるまで営業の電話をかけ続けることもあれば、「100枚交換するまで帰社するな」といった基準に使われることも多い。

社員研修でいまだにこんなパワハラとも思える研修をやっている会社があることに驚きを隠せないが、もしかするとこれは年代により、「パワハラ」に対しての感覚のズレがあるせいなのだろうか?

◆“社員研修”のセクハラ・パワハラはどこがボーダーライン?

今回は、年代により社内研修における「パワハラ」と認識される内容にズレがあるのか検証するべく、20代・30代・40代の男女各100人(合計300人)に「会社の“社員研修”でパワハラだと思うものはどれですか?」という内容のアンケートを実施した。

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Q.会社の“社員研修”でパワハラだと思うものはどれですか?

①内定後に無給でインターン

20代:38%

30代:40%

40代:45%

②駅前で社歌を歌わせる

20代:43%

30代:47%

40代:51%

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「おじさんたちはパワハラだとは思っていないだろうけど、若者にとってはパワハラなんだろうな」と想像していた上記2つがまさかの逆転の現象! 20代・30代・40代と年齢があがるにつれ「パワハラだと思う」人が増えている結果に。

もしかして「社歌ってなんだろう……?」と20代はその意味を理解していないのでは?とすら邪推してしまう。

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③休日に研修

20代:28%

30代:41%

40代:33%

=====

同じくこちらも、20代が最もパワハラだと感じる人が少ない結果に。もしかすると40代は「それもやむを得ない」と考えており、30代は自身の経験から身を持って「あれは地獄だった」と振り返り、20代はまだそういった経験がないが故に想像できていないのだろうか。

年代により差が出たのが以下の項目。

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④研修期間が終わるまで禁酒・禁煙

20代:19%

30代:16%

40代:8%

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かなり大きな差が出たが、「禁酒や禁煙はプライベートなことで業務には関係ないのでは?」と考えた若者が多かったのではないか。40代にとっては「プライベートなことも犠牲にして会社に勤めるべき」といった価値観がまだ根強いのかもしれない。

=====

⑤ 街頭で道行く人と名刺交換をして名刺を集める

20代:38%

30代:33%

40代:32%

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Twitterで話題にもなった「名刺交換」については、どの年代でも3分の1近くが「パワハラだと思う」と回答したが、やはり年代により少し差がついた。似たような経験を経てきた世代にとっては多少は受け入れられるものなのかもしれない。

◆「スマホ取り上げ」「お寺で滝行」はパワハラになる?

そのほかにも、「精神力の鍛錬」がらみの項目では年代別の差が現れていた。

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⑥スマートフォンや携帯電話を取り上げる

20代:44%

30代:38%

40代:36%

⑦お寺で滝行やお百度参りなどの修行をさせる

20代:34%

30代:29%

40代:28%

=====

これらはもはやいつの時代だろう……? と首をかしげざるを得ないが、「スマートフォンや携帯電話を取り上げる」に関してはたまにテレビなどのオーディション・共同生活番組などでも目にするので、いまだにそうすることで業務や研修などに集中できると考える担当者は多いのかもしれない。

新入社員の研修は、外部と遮断し自社の価値観のみに触れさせることで「洗脳」する意味合いもあるのだろうが、やり方によっては「パワハラ」にあたるだろう。

「お寺で滝行やお百度参りなどの修行をさせる」に関しては昔ながらの日本人の価値観であり、20代にとっては「それって何の意味があるんすか」と逆に萎えてしまうこともありそうだ。「精神力の鍛錬」系については世代別で価値観の違いが大きく、やたらと「古き良き時代」を押し付けても逆効果だろう。

<取材・文/松本果歩(アンケート調査)、藤井敦年(おばけ3号さん)>

【調査概要】

調査方法:アイブリッジ(株)提供の「リサーチプラス」モニターに対してアンケートを行い、その結果を集計したものです。

調査期間:2019年8月28日

有効回答者数:全国 20代・30代・40代の男女各100名(合計300名)

【松本果歩】

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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