漫才コンビの悲劇「べしゃり暮らし」原作では泣けたのに、狙いすぎな感動シーンが残念…オイBGM!5話

エキレビ!

2019/8/31 09:45

森田まさのり原作、劇団ひとり演出、間宮祥太朗主演の土曜ナイトドラマ「べしゃり暮らし」第5話。

先輩芸人「デジタルきんぎょ」がNMC(ニッポン漫才クラシック)準決勝に挑む。

今回も主人公・上妻圭右(間宮祥太郎)&辻本潤(渡辺大知)が完全に傍観者だけど、それはとりあえず置いておこう!

相変わらず集中力と読解力を求められるドラマ
ちょっと前まで、プライベートでは口もきかないと言われていた「デジタルきんぎょ」だが、圭右の「自分たちが楽しまなくちゃ」という言葉に色々と気付かされたようで、現在では良好な関係となっている。

コンビ格差、不仲……全てを乗り越えての準決勝では、渾身の漫才を披露。ふたりの表情からは、自分たち自身が楽しんでやってる感がビンビンに伝わってきた。

ここから、悲劇的な結末に向かうわけだが……。

今回は「デジタルきんぎょ」の過去がバーッと明かされていったが、現在パートから回想シーンへの飛び方が唐突で、「これ、いつの話?」と、チョイチョイ混乱させられてしまった。

まずは、お互いに遠慮せず、言いたいことを言い合っていた関係から、コンビ格差が生まれ、金本(駿河太郎)の方にばかり仕事が集中するように。藤川(尾上寛之)に遠慮して、大きな仕事を断ろうとしていると知りショックを受けた……というのは、藤川の回想。

金本が長期の海外ロケに出ている間に、ピンでの活動を通して自信をつけた藤川。金本が海外から戻ってからはコンビ人気も急上昇するが、ふたりの仲は最悪に……というのは、放送作家・下柳(浪岡一喜)が回想しつつ、辻本たちに語っていた話。

さらに、単独ライブの後に殴り合い「昔みたいに漫才楽しもうや」と語り合った……というのは藤川の回想。ややこしい!

特に最後の単独ライブは、圭右たちが訪れて色々あったあのライブのことなのだが、「あの後、こんなことあったのかよ!」と気付くまでに少々時間がかかってしまった。相変わらず集中力と読解力を求められるドラマだ。


変な関西弁を止めさせる問題
今回はもうひとつ、東京出身である圭右が、ウケを狙っている時だけ使ってしまう変な関西弁を止めさせるという問題も。

お笑いに憧れるヤツが、関西出身でもないのに関西弁を使ってしまうというのはあるあるだが……。

藤川から「逆におもろさ半減しとるやろ」と、止めさせるようにアドバイスを受けた辻本だったが、圭右に遠慮して言い出せないでいた。……というのはいいんだけど、そもそも圭右、関西弁使ってた?

本人は気付いていないが、ウケを狙って関西弁を使っている時よりも、素でしゃべっている時の方が面白い……というのは原作においても重要な要素。注目して見ていたのが、ドラマでは全然関西弁を使っていなかった。

実写でインチキ関西弁をしゃべるのは、さすがに寒すぎるからか? などと思っていたのだが、今回になって唐突に関西弁をしゃべり出している。結果、見事にお寒いことに。これじゃ「学園の爆笑王」にすらなれそうにないよ……。

唐突といえば、藤川が酔っぱらうと脱ぐという癖も今回、唐突に発現。

これがラストへの伏線となっていくのだが、伏線だったら直前になって泥縄的に張るんじゃなくて、もうちょっと前から計画的に張っておいて欲しいところ。

そして、脱ぎ癖があるというのが、藤川のほうじゃなくて、笑福亭鶴瓶の息子である駿河太郎演じる金本の方だったら……と思ったけど、いらないな、その要素。

狙いすぎなBGMのせいで感動のシーンが……
準決勝の結果を待つ間、プレッシャーに耐えかねて泥酔する藤川。決勝進出の報せを受けて、いつものように服を脱ぎ捨てて、夜の街に飛び出していった……真冬なのに!

念願の決勝進出を果たした最高の瞬間の後、全裸で真冬の街を徘徊したせいで凍死してしまうというショッキングな展開。

原作者の森田まさのりは、自分で考えた話なのに描きながら泣いてしまったというほど、思い入れの強いシーンだという。

ドラマにおいても、歓喜の表情で街を歩き回りながら、そのまま死んでいく姿は胸が締め付けられたが……。

BGM!

おそらく、これから起こる悲劇に似つかわしくないクリスマスソングを流すことで、逆に感動させようという意図があったのだろうが、そこで「Winter Wonderland」というのは少々狙い過ぎ。CG丸出しな雪と相まって引いてしまった。

あのBGMが絶妙な選曲だったら、名シーンになっていたかも知れないのに……。つくづく、おしいドラマだ。
(イラストと文/北村ヂン)

【配信サイト】
・Tver

「べしゃり暮らし」(テレビ朝日)
原作:森田まさのり「べしゃり暮らし」(集英社)
脚本:徳永富彦
演出:劇団ひとり
音楽:高見優、信澤宣明
撮影:小林元
オープニングテーマ:Creepy Nuts「板の上の魔物」
主題歌:B'z「きみとなら」
漫才監修:ヤマザキモータース、小林知之(火災報知器)
漫才協力:太田プロダクション
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:浜田壮瑛(テレビ朝日)、土田真通(東映)、高木敬太(東映)

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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