他人が出す音に異常な嫌悪を感じる「ミソフォニア」に苦しむ男性(米)

日本では食事中に口を開けたまま音を立てて食べ物を噛む人のことを「クチャラー」と呼んでいるが、欧米では重要視されているマナーであるため比較的クチャラーを見かけることはない。しかしアメリカで「ミソフォニア」という障害を抱えている男性は、他人のどんな些細な咀嚼音に対しても強い嫌悪を感じ、怒りが湧くのだという。『Metro』『Mirror』などが伝えている。

米カリフォルニア州サンディエゴに住むデロル・マーフィーさん(Derrol Murphy、41)は、ミソフォニア(音嫌悪症)という障害を抱えている。ハーバード大学医学大学院が運営するウェブサイト『Harvard Health Publishing』によると、ミソフォニアとは他の人が気にしないような呼吸音、あくび、または僅かな咀嚼音でも過剰に反応し、パニックになったり怒りが止められなくなったりする障害とのことだ。

デロルさんは「私は何年もの間、自分はおかしいと思っていました。ちょっとした雑音でもカッとなってしまうのです」と明かしている。

家族でさえも食事中の僅かな咀嚼音が気に障り憎悪が湧いてくるため結局、疎遠になってしまったそうだ。それだけではない。会社で同僚がペンをカチカチとノックする音を出しただけで激怒し、遂には殴り合いの喧嘩になったこともあるという。デロルさんはその心境を次のように語っている。

「人々は私の気持ちを理解できません。私自身も説明が難しいのですから…。この状態は私の最も近しい家族や恋人に悪影響を及ぼしました。『なぜ自分の近くにいる彼らが分ってくれないのだろう』と余計に怒りが湧いて、八つ当たりをしてしまったからです。」

デロルさんが自分がミソフォニアだと気づいたのは、11年前のことだった。当時30歳だった彼はこれまでにも自分のことを「何かが普通と違う」と感じていたようで、インターネットでいろいろ調べて行くうちにミソフォニアという言葉に行きついたという。

そこで怒りが湧かないように、音楽を聴いたりテレビを見たりヘッドフォンをすることで対処する方法を学んだ。しかし一般的にミソフォニアという言葉を知る人はあまりおらず、デロルさんの障害を他人が理解することは非常に難しかったようだ。

デートをしても食事中の相手の咀嚼音が気になって関係を続けられなかったり、また袋をガサガサと開ける音にも我慢ができないため、映画館は10年以上も行っていないとのことだ。そのためパートナーができずにいたが、現在は職場で知り合った男性でLGBTのカート・ヴィンさん(Kurt Vin、41)と交際中で2年ほど一緒に暮らしている。

カートさんはデロルさんの障害を理解しており、食事の時や雑音を出さざるを得ない時は前もってデロルさんに伝えるそうだ。それによってデロルさんはヘッドホンをつけるなどして、雑音を聞こえないようにしている。

現在もデロルさんは自分の症状と向き合いながら、より良い状態を保つための方法を学んでいる。そして自ら抱えるミソフォニアに関して、より多くの人にこの障害のことを知ってほしいと話している。

ちなみに『Harvard Health Publishing』では、ミソフォニアについてヘッドフォンや耳栓を使い不要な音を減らしたりする方法や、認知行動療法などの治療である程度は症状が改善することに成功したと報告している。

画像は『Metro 2019年8月7日付「Man with extreme hatred of chewing noises cuts off ties with relatives」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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