過激さ増す“リーダー不在”の香港デモに若新雄純氏「柔軟な組織で無血の“新しい歴史”を」

AbemaTIMES

2019/8/15 19:40



 香港国際空港で行われている抗議デモで、14日も夕方以降の出発便がすべて欠航した。

混乱はさらに続く。ある男性を取り囲み、着ている黄色のベストを脱がそうとするデモ隊。この黄色のベストは取材する記者が着用するものだが、デモ隊からスパイの疑いをかけられた男性は、あっという間に結束バンドで拘束されてしまう。さらに、男性の荷物から「アイラブ香港警察」のTシャツが出てくると、男性は足まで拘束され、さらし上げ状態に。


 この男性について、中国共産党機関紙の人民日報系「環球時報」の編集長が同紙の記者であることをTwitterで明らかにした。環球時報は、デモ隊の激しい抗議活動を度々批判してきた。

空港デモの参加者からは、「旅行者に迷惑をかけていることは申し訳ないと思うが、我々は未来の香港のために戦っている。空港昨日が麻痺すれば林鄭月娥行政長官は対応せざるを得ず、これは有効な戦略だ」との声があがる。一方、香港特別行政区の林鄭月娥行政長官は13日、「香港が奈落の底に沈み、粉々になってもいいのか。暴力が引き返し不能な道へと香港を追い込む」としている。

収束が見えない香港のデモについて、慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は「人類の歴史の中で、民主化や自由をめぐる激しい戦いは何度もあった。僕らは革命運動を教科書の中ぐらいでしか見たことはないが、香港のこの最中にいる人たちはまさに歴史の転換点にいるというか、ここで戦わなければ自分たちの自由が脅かされると。自由をめぐる戦いはいつの時代も人が死ぬぐらい激しいが、時代が変わってきていて、血を流さなくても自由を勝ち取ることができる賢い戦いができないのかという期待はある」と意見を述べる。


 そんな中、注目しているのは「デモ隊にリーダーが不在だと言われていること」だとし、「香港で事業をやっている友人に聞いてみたら、本当にリーダーがいないと。Telegramというセキュリティレベルが高いSNSで連絡を取り合って、誰がリーダーかを決めないでおこうという話し合いをしているらしい。雨傘運動の時に若いリーダーが逮捕されたことで活動が小さくなっていったこともあったから、今回は戦い抜くためにリーダーをあえて決めないと。頭がいない全体のウェーブ(波)というか、アメーバ状の組織で戦っているのは新しいと思う」との見方を示した。また、番組放送後には「リーダー不在は諸刃の剣。相手は誰と話し合えば良いのか分からないし、ブレーキをかけられない危険性もある。一方で、SNSで情報交換をしながら状況に応じて柔軟にやり方を変えていくこともできる。デモは、最初に掲げた計画や決定にこだわりすぎて暴走する場合が多いが、今回はこの柔軟な組織で無血を目指してほしい」と語った。

深刻化するデモに対し、中国政府の香港担当報道官は12日、「香港は重大な岐路にある。抗議活動参加者らはここ数日、警察への攻撃に極めて危険な手段を頻繁に用いている。テロリズムの芽が出つつあり、重大な犯罪行為だ」としている。


 若新氏は「中国の立場からすれば反逆する人はテロになるが、一度自由を経験した人がそれを脅かされるとなった時に、四の五の言っていられない気もする。声を上げることは一概に悪くないと思うが、誰かが亡くなるなどすれば、これまでの歴史の1ページに吸収されてしまう。歴史を繰り返すのではなくて無血の“新しい歴史”を目指してほしい。」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

当記事はAbemaTIMESの提供記事です。

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